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掲載日:2024年10月8日
Q 小林哲也 議員(自民)
自民党議員団では、長峰議員を中心として県西部地域未来産業集積推進懇話会を立ち上げ、日本が目指す超スマート社会Society5.0を全国に先駆けて実現し、事業の生み出す経済波及効果を最大化するという埼玉県西部地域のグランドデザインを打ち立てました。その計画では、農大跡地の活用については売却条件を付しただけの計画によらず、埼玉県西部地域における産業構造の課題を正面から捉え、それを解消させる計画をきちんと県民に示し、産業振興のグランドデザインをしっかりと描くことが必要とし、単に農大跡地にとどまらず、もっと広範囲なエリアを視野におさめた構想を踏まえた上で、農大跡地活用事業を進めるべきではないかと指摘をしました。
あれから1年、今定例会の議案に「財産の処分について」として、圏央鶴ヶ島インターチェンジ東側土地区画整理事業地内北側産業用地つまり農大跡地の売却議案が上程されました。しかし、売却条件は示されたものの、具体的に地域を再生する計画が示されておらず、これでは判断できません。
そこで、自民党議員団では地域を再生させるための具体的な計画を練り、団内で議論を重ねてきました。計画の中心は地域未来投資促進法や地方創生交付金などの制度を活用し、地域経済牽引事業者が行うバリューチェーンやサプライチェーンの構築を支援するもの、産業のイノベーションを起こすために第四次産業革命分野としてのIoT、AI、ビッグデータなどを活用するもの、そして産学官連携による人工知能AIの活用による産業振興を行うというものです。
農大跡地については、昨年の9月定例会において、我が県議団の木下議員から「自民党案を推進する意思があるか」との質問に対して、知事は「私はやりたいと思う」と明確に答弁しています。
そこで、知事に伺います。
一つ目、単に土地を売却するのでなく、今般の自民党案のように次世代の地域経済振興に関する構想を持った上で進めるべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
二つ目、県は北側産業用地の立地事業者を公募し、7月に優先交渉事業者に株式会社IHIを選定しましたが、その選考過程をお示しください。
三つ目、株式会社IHIはどのように自民党案に基づく地域経済牽引事業計画に参画するのか、具体的にお示しください。
四つ目、この農大跡地活用事業は、鶴ヶ島市のみならず13市町全体で取り組まなければならないと考えます。県が優先交渉事業者との契約に当たり、しっかりと担保を取った上で締結すべきではないでしょうか。
以上、知事にお伺いいたします。
A 上田清司 知事
まず、単に土地を売却するのではなく、次世代の地域経済振興に関する構想を持った上で進めるべきについてでございます。
議員御指摘のとおり、「農大跡地を含む県西部地域の産業振興に関する自民党案」と同じ方向性で取組を進めるとの考え方は現在も変わっておりません。
私は県議会からいただいた様々な御提案をしっかり受け止め、丁寧に調整を進めてまいりました。
まず、昨年12月にスマート社会の実現に向けて先端産業・次世代産業などの集積を図ることとする「鶴ヶ島ジャンクション周辺地域基本計画」を策定しております。
また、今年4月には基本計画を実施するためのオープンイノベーションを理念とする「基本方針」も策定したところでございます。
これらに加え、「自民党県西部地域未来産業集積推進懇話会」においては様々な研究や検討を重ねていただき、このたび、埼玉の未来を見据えた提案もいただいております。
この提案内容はスマート社会の実現と経済の好循環を目指すものであり、私たちが目指す方向性と完全に一致しております。
私はこれらの取組を一層強力に推進するため、今後、地域再生計画を策定した上で国の認定プロジェクトを目指します。
この計画においては先導的役割を果たす事業者を明確に位置付け、AI・IoTなど先端技術を積極的に活用し、その成果やノウハウを地元企業に波及させることで経済の振興を図ります。
農大跡地北側産業用地の株式会社IHIへの売却はこの事業者を定めるものでございますが、まさにスタート台に立とうとするものでございます。
今後、地域再生計画や基本計画を基に先端産業等の集積やAI・IoTなど先進技術の急激な変化への対応を図り、県経済をより一層発展させてまいります。
次に、優先交渉事業者にIHIを選定した選考過程についてでございます。
県は今年4月27日に農大跡地売却に係る募集要項を公表し、5月に東京、大阪、埼玉の3会場で説明会を開催するなど広く全国に向けてPRを行いました。
その結果、2事業者から提案書が提出されました。
7月20日に外部有識者で構成する選定委員会を開催し、「経済活性化への貢献度」や「AI・IoT活用等の先端性・成長性」などの観点からの審査をし、25日にIHIを優先交渉事業者としました。
次に、IHIはどのように地域経済牽引事業計画に参画するのかについてでございます。
これまでIHIとは、優先交渉事業者として交渉を重ねてきたところでございます。
地域経済牽引事業計画の内容についても確認してきました。
その中で、IHIは農大跡地において、アジアを代表する最先端の民間航空機エンジン事業の拠点となるスマート工場を整備する予定です。
最先端のICTやAIなどを活用してサプライチェーンを効率化するとともに、地元企業との新規取引や取引拡大を進めるため、県と連携し必要な資格取得に関する支援を行います。
また、AI・IoTに関する研修や共同研究を行い地元企業のスマート化に貢献していきます。
こうしたIHIの積極的な取組により、地元企業の経済活動が活性化し、大きな波及効果をもたらすことが期待できます。
次に、優先交渉事業者との契約に当たり、しっかりと担保をとった上で締結すべきではないかについてでございます。
県では農大跡地北側産業用地への立地事業者の募集に当たり、募集要項において地域経済牽引事業計画を策定することなどを条件としております。
この条件の下、IHIは先ほど申し上げました様々な事業に取り組むことを提案しており、これが実現されれば13市町全体に新規取引や雇用拡大などが見込まれます。
県では募集要項の順守や提案内容の誠実な履行などを仮契約に盛り込んでおります。
さらに今後、本契約に同様の規定を設けることにより実行性を確保してまいります。
このプロジェクトは次世代の地域経済振興に貢献し、埼玉県の活力を更に高めるものと信じております。
埼玉県の未来をより輝かしいものにしていくために、県議会の皆様の知見や御協力をいただき、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
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