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掲載日:2024年7月3日
Q 岡田静佳議員(自民)
超少子高齢社会に伴い、人材(看護職員・介護士・保育士等専門職員)をどのように確保していくのか、東京都との助成金額の違いについての考え方はについてお尋ねいたします。
超少子高齢、人口減少社会において新たな財源を確保していくことは難しく、県の政策は、限られた財源の中で優先順位をつけて配分しなくてはなりませんが、中でも福祉、保健医療政策は、県民にとって大きな関心事であります。
「福祉は人なり」、質の良い人材を必要数確保することが一番重要です。しかしながら、埼玉県の人口10万人当たりの看護職員数は全国一数が少なく、夜間や時間外勤務が多く、大変厳しい環境で、働き方改革が求められており、看護職員の健康管理も大きな問題となっている状況です。
また、介護士、保育士については、昨年の9月議会でも質問いたしましたが、こちらも激務で、働き方改革が求められております。そして、東京都は独自の加算をして人材確保をしているため、埼玉県内の施設から東京都内への人材流出が始まっており、深刻な人手不足です。
所沢市内のある保育園では、隣接する都の保育園と年収が50万円以上違うため、申し訳ないとしながらも職員の退職が続き、正規の保育士の採用を諦め、孫育てが終わった非常勤のおばあちゃん保育士を採用し、早朝や延長保育のお手伝いをしてもらいながら、保育士の負担軽減に努めています。経験豊かなおばあちゃん保育士の採用は、子供にとってもシニアの活躍でも良い面がありますので、特区申請など検討していただきたいとも考えますが、いずれにしても待機児解消どころか、既存の保育園の運営も厳しい状況です。
このように、福祉サービス従事者の人材確保、処遇改善は極めて重要ですが、その一方で、福祉サービスを受ける側の格差も広がっています。例えば東京都や埼玉県では、65歳以上で初めて受給資格対象手帳を取得した人について、重度心身障害者医療費助成制度の対象から外しておりますが、この中で人工透析患者については、東京都では月額1万円の医療費助成と交通費を支給しています。都内の病院に入院した方から、同じ病気で同じ時期に入院した東京都の患者さんと年間15万円以上の補助金の差があるのは納得できないと相談を受けました。今後高齢化が進む中で、更に東京都との格差が広がるのではないか。特に東京都に隣接する地域においては、東京都との福祉、保健医療政策との格差を強く感じます。
そこで、福祉部長及び保健医療部長にお尋ねします。
一つ目は、財源確保が声高に言われる中、超少子高齢社会に伴い、人材をどのように確保していくのか。
二つ目として、このような福祉、保健医療政策における助成金額の東京都との違いについて、今後どのように対応するのかお答えください。
A 田島 浩 福祉部長
「超少子高齢社会に伴い、人材(看護職員・介護士・保育士等専門職員)をどのように確保していくのか」のうち介護士、保育士についてお答えを申し上げます。
まず、介護人材の確保についてでございます。
県では、介護人材の確保、定着、イメージアップの三つの視点で様々な事業に取り組んでおります。
確保につきましては、介護の資格がない方の就労支援や離職した介護職員の復職支援、介護福祉士養成施設の学生に対する修学資金の貸付事業などに取り組んでおります。
定着につきましては、介護ロボットの導入費の補助や新任介護職員を対象とする交流イベントなどを行っております。
イメージアップにつきましては、介護の魅力PR隊による高校などへの訪問や介護職員の永年勤続表彰などを実施しております。
こうした取組により、確認できる限りで、平成28年度は452人の確保につなげました。
次に、保育士の確保についてでございます。
県では、県内で働く保育士を増やすために、就職フェアや、保育士・保育所支援センターによる保育士と保育施設のマッチング、保育士養成施設の学生に対する修学資金の貸付などの就職支援を行っております。
その結果、確認できる限りで、平成28年度は407人の保育士の就職につなげました。
平成29年度からは、保育士の宿舎の借上げを行う事業者などを支援する事業を実施し、保育士の住居費の負担軽減を図ります。
県といたしましては、こうした事業をより一層進めることにより、今後とも介護人材や保育士の確保にしっかりと取り組んでまいります。
次に、「東京都との助成金額の違いについての考え方は」についてでございます。
保育士の処遇改善は、県内で働く保育士を確保するとともに、保育の仕事を長く続けていただくためにも重要であると考えております。
平成29年度、国は民間保育所の全職員を対象とした2%の処遇改善のほか、中堅職員を対象とした月額4万円の処遇改善を行うこととしています。
保育士の処遇改善については、本来、国において対応すべきものと考えており、まだ十分とは言えませんので、さらなる処遇改善について国に要望してまいります。
東京都は独自に、月額4万4,000円の処遇改善を行っておりますが、埼玉県が民間保育所の保育士約1万6,000人に対し同じ水準まで処遇改善を行う場合、約83億円の財源が必要となります。
また、自治体独自の処遇改善を行うことについては、自治体間競争をもたらし、財政力のある自治体しか保育士を確保できないという指摘もあり、慎重に対応すべきものと考えております。
保育士の処遇改善に限らず、他の福祉サービスについても東京都の違いを理解した上で、限られた財源の中、県としてできることに取り組んでまいります。
A 本多麻夫 保健医療部長
まず、「超少子高齢社会に伴い、人材(看護職員・介護士・保育士等専門職員)をどのように確保していくのか」のうち、看護職員についてです。
現在、県内では約5万8,000人の看護職員が活躍されていますが、医療の需要が大幅に増加する2025年までに、約16,000人の看護職員を確保する必要があると試算しております。
これまで県は、看護師等養成所の運営に対する財政的支援や病院内保育所の整備、新人看護師に対する研修など、看護職員の育成や職場定着に取り組んでまいりました。
その結果、この10年間で平均すると毎年1,500人程度増加するなど、一定の成果が表れております。
一方、夜勤や時間外勤務を理由に離職する看護師も多いという調査結果もございます。
夜勤などの負担から疲労が蓄積し、それによって離職が進み、さらに人員不足に陥るという悪循環を防がなければなりません。
少子化の進行に伴い、養成する人数には限界があるため、今後は、現場を離れている看護師に復職していただく取組を重点的に進める必要があります。
そこで県では、埼玉県ナースセンターでの無料職業紹介やハローワークへの巡回相談、復職に対する不安を取り除くために技術講習会を実施しております。
今年度から、特定の技術に不安を持つ方を対象に、その人の希望に応じたオーダーメイド型講習会や潜在看護師が相互に情報交換できる交流会を開催し、復職につなげる取組を強化してまいります。
こうした取組に加え、平成27年2月に医療従事者の勤務環境を改善するため、県に医療勤務環境改善支援センターを設置しました。
センターでは、採用方法や勤務体制についてアドバイスを行うなど、看護職員が働きやすい病院づくりの支援を行っております。
これらの取組を積極的に進めることにより、看護職員をしっかりと確保してまいります。
次に、「東京都との助成金額の違いについての考え方は」についてです。
議員御指摘のとおり、本県においても東京都においても、65歳以上で初めて受給資格対象手帳を取得した方に関しては重度心身障害者医療費助成制度の対象外となっております。
人工透析患者の場合、おおむね月額40万円かかる医療費のうち、所得に応じて自己負担が月額1万円または2万円で済むように、保険給付や高額療養費などで保険者が負担する制度があります。これらにつきましては東京都も埼玉県も同じでございます。
しかしながら、東京都では、人工透析など、特殊な医療を受けることによって、多額の医療費が必要となる患者を救済することを目的とした助成制度を昭和47年度に設けております。
助成額は、医療費の自己負担分につき月額最大1万円となっております。
埼玉県では、こうした医療費助成制度はございませんが、東京都と同様の制度を創設するか否かについては、限られた財源の中で、優先順位を考えながら、慎重に検討していく必要があると考えています。
本県では人工透析の最大の原因となっている糖尿病の患者について、人工透析への移行を防ぐために、埼玉県医師会及び糖尿病の専門医等で構成する埼玉糖尿病対策推進会議と連携して「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」に重点的に取り組んでおります。
行政課題に対する公費の投入がどうあるべきか、行政サービスがどうあるべきかについては、自治体ごとに地域の特性や住民のニーズに応じて、独自に対応すべきものと考えております。
東京都との格差についても把握したうえで、今後とも県民が安心して保健医療サービスが受けられるよう、しっかり取り組んでまいります。
再Q 岡田静佳議員(自民)
一番の超少子高齢社会に伴い、人材(看護職員・介護士・保育士等専門職員)をどのように確保していくのか、これは福祉部長にお尋ねしたいと思います。
保育士に関してですが、まずお聞きしたいのは、407人増えたということなんですが、何人減ったんでしょうか。純増で何人増えたのかというのを私、お聞きしたいと思います。答弁だけだと、増えてよかったねという話なんですが、実際、現場の先生方のお話を聞いていると、今ある既存の保育園が保育士不足で立ち行かないという状態なんですね。まず、人数についてお答えください。
それから、これはよく分からなかったんですけども、国が2パーセント上げているとかいろいろ言っているんですが、県は幾ら上げるのかということを私、お聞きしたかったんですね。国の動向が2パーセント上がるというのは、前回も言いましたけど、東京都も千葉県も群馬県も全部一律上がるから、埼玉県が上がったとは言えないんです。私は、埼玉県が幾ら上げるのかということを確認したいと思います。0円、上げる予定はないのか、確認させてください。
それから、お金を出さない場合は、お金は上げないけれども、保育園はどんどん造る、在宅保育も頑張るということなんですけれども、保育士を確保できる根拠というのをお聞かせください。
それから四点目、先ほど私、子供の幼児教育が重要だということをさんざん述べましたけれども、保育士を増やさないで保育園を造るということは、質の低下が考えられるわけですね。虐待問題なんかも起きていますけど、やっぱり先生も多忙な中で本当に多くの子を見ていけるのか。それから、愛情が大事と言いますけど、愛情を持って、やっぱりある程度、特に0歳児、1歳児、2歳児、私、ここを言っていますけど、ここは本当に人もお金もかかるんですね。出せるんであれば、もうどんどん造っていただきたいけども、東京都にかなわない、うちはお金がないんですよというんであれば、もうちょっと工夫していただきたいと思いますけれども、今日の御答弁で、保育の質の低下というのは起きないんでしょうか。
四点。人数の確認と、県は0円ベースなのか、県はお金を幾ら県単独で出すのか。それから、お金を出さないで保育士を確保できる根拠。四点目は、保育園の質の低下というのは起きないのでしょうか。お答えください。
再A 田島 浩 福祉部長
平成28年度で、退職した保育士が1,636人、新たに採用した保育士が2,573人で、937人の純増となっております。
埼玉県として独自の改善を行うことは考えておりません。
保育士の確保については業界団体と十分協議をしてしっかりと対応してまいります。
保育の質については、国が5月に定めたプランによりながら、しっかりと確保を図ってまいります。
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