トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年9月定例会 > 9月29日(木曜日) > 藤林富美雄(公) > 平成28年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (藤林富美雄議員)
ここから本文です。
ページ番号:75759
掲載日:2022年10月11日
Q 藤林富美雄議員(公明)
首都直下地震の大地震発生の可能性が指摘される中で、万全な災害への備えが求められます。4月14日及び16日に発生した熊本地震は、いずれも震度7の揺れに見舞われ、観測史上初めてとなるケースで甚大な被害をもたらしました。
本県においても、今回の熊本地震を受けて新たに浮かび上がってきた課題にどう対処するのか、改めて点検、検証等の結果を踏まえ、地域防災計画等の見直しが図られるものと受け止めております。
そこで、お伺いをいたします。初めに、福祉避難所の設置体制等について伺います。
熊本地震における福祉避難所の開設状況は、発生から11日を経過しているにもかかわらず、熊本市では指定された176か所のうち37か所と2割程度、益城町では指定された5か所全て開設できない状況、阿蘇市では受入協定を結んでいた17施設の受入れがゼロとの報道がされておりました。万が一のときに福祉避難所として機能できるかどうかは、特に要配慮者にとっては命にも及ぶ危険性が極めて高いのではないかと考えます。
現在、本県の福祉避難所は全ての市町村において、高齢者及び障害者施設を中心に769か所の設置数と伺っております。その設置体制等についてお伺いをいたします。
一つには、各市町村における要配慮者数の規模等にもよるかとは思いますが、6つの自治体では福祉避難所1か所の指定であります。最も設置数の多いさいたま市は136か所、次いで越谷市が110か所とのことです。しかし、越谷市のホームページでは8か所となっております。福祉避難所としての指定施設の設置基準が県内で統一されているのでしょうか。
二つには、本県の福祉避難所769か所のうち、高齢者及び障害者施設が673か所と全体の約75パーセントとなっております。熊本地震では、福祉避難所に指定された高齢者施設に避難できたケースでも課題が指摘をされており、高齢者施設は平時においても入所者や利用者の世話だけで手いっぱいで、人員に余裕があるわけではなく、数名の要配慮者とその家族が新たに避難してくるだけでも対応が厳しくなったとのことです。要配慮者10人につき生活相談員1人を派遣する、そうした人的体制は整っているのでしょうか。
三つ目には、福祉避難所の開設を想定した訓練は、全ての市町村で既に実施をされているのでしょうか。
以上、福祉部長にお伺いをいたします。
次に、体育館の非構造部材の耐震化について伺います。
地震が発生したときに、地域住民が駆け込む避難場所として大きな役割を担うのが体育館をはじめとする学校施設であります。熊本地震では学校の建物本体が崩壊する被害はなかったものの、天井や外壁などの損傷や落下が相次ぎ、県内で避難所となった公立学校223校のうち、77校の体育館が機能しませんでした。もし平日の体育の授業中に地震が発生していれば、児童や生徒たちに大きな被害が及んだ可能性も考えられるところであり、非構造部材への耐震化を急がなければならないと考えます。
全国の公立小中学校における建物本体の耐震化率はほぼ100パーセントを達成しており、建物の安全性は確保されている一方で、天井や照明、バスケットゴールといった体育館等の落下防止対策の実施率は、全国平均で62.2パーセントにとどまっているとのことです。本県においても建物本体の耐震化率はほぼ100パーセントと伺っておりますが、体育館等の落下防止対策の実施率は68.4パーセント、1,463棟のうち462棟は実施をされておりません。非構造部材の耐震化への取組を加速させるべきと考えますが、教育長の見解をお伺いをいたします。
A 田島 浩 福祉部長
まず、福祉避難所としての指定施設の設置基準は県内で統一されているのかでございます。
国は福祉避難所ガイドラインを定め、市町村が福祉避難所を指定する要件として、バリアフリー化されていることや耐震性や避難スペースが確保されていることなどを示しております。
県内市町村はこのガイドラインに基づき、福祉避難所を指定しております。
県といたしましては、人口規模や地域の実情に応じ、必要と見込まれる数の福祉避難所を指定し、それらがきちんと機能するよう、引き続き市町村に働き掛けてまいります。
次に、要配慮者10人につき生活相談員1人を派遣する人的体制は整っているのかでございます。
県では、福祉避難所の指定に当たり、生活相談員などの職員が配置されている社会福祉施設を中心に選定するよう市町村に要請してまいりました。
しかしながら、施設職員が被災したり、想定以上の要配慮者を受け入れなければならず生活相談員が不足することも考えられます。
このため、県では市町村に対し、応援要員を確保する具体的な方法を検討するよう働き掛けてまいります。
また、被災を免れた地域から被災地の福祉避難所に人的な派遣ができないか、社会福祉施設関係団体等と協議してまいります。
最後に、福祉避難所の開設を想定した訓練は、すべての市町村で実施されているのかでございます。
本年4月1日現在、開設訓練を実施した市町村は18となっております。
県ではこれまでも会議や研修、個別訪問により、市町村に対し開設訓練を実施するよう要請してまいりました。
本年11月には、すでに開設訓練を実施した施設の職員を講師として招いて研修会を開催し、すべての市町村が開設訓練を実施できるよう支援してまいります。
今後も機会を捉え、要配慮者が福祉避難所で適切な支援を受けられるよう、市町村に働き掛けてまいります。
A 関根郁夫 教育長
体育館の天井や照明などの非構造部材の耐震化は、児童生徒の安心安全にも直結する重要な課題であり、全ての市町村が優先的に取り組むべきと考えております。
本県の市町村においても、校舎等の耐震化がおおむね完了したことなどから、体育館等の落下防止対策を加速させており、平成27年度には、単年度では全国5位となる454棟の対策を実施いたしました。
また、平成28年度には141棟の対策が完了する予定であり、平成29年4月1日時点では、対策実施率は約10ポイント増の78%程度となる見込みでございます。
その結果、対策が必要な体育館などは321棟まで減少する見込みとなっております。
県といたしましては、市町村に対し、引き続き対策の早期実施を強く働き掛けるとともに、安全対策についての技術的助言を行うなど、早期完了に向けた支援を行ってまいります。
また、国に対しては、市町村が国庫補助制度を活用して迅速に耐震化事業を進めることができるよう、財政支援制度の充実や財源の確保について引き続き強く要望してまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください