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掲載日:2026年5月13日

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埼玉県が目指すDX

埼玉県が目指すDX

埼玉県では、これからの人口減少・超少子高齢化社会の到来を見据えるとともに、近年甚大化している自然災害や日本の安全保障上の脅威等の発生のリスクを見据え、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。

DXは、単なるデジタル化による効率化ではありません。DXは、様々な社会課題を解決するデジタル技術が社会に浸透することで、便利で快適な生活基盤を確保するとともに、これまでなかった新たなサービスを創出する社会変革です。

本県では、そうしたDXの実現に向けて、令和3年度に埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画を策定し、取り組んでいるところです。本計画をもとに、行政のデジタル化を着実に推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで「社会全体のデジタルトランスフォーメーション」を実現し、快適で豊かな真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革を目指しています。

本サイトでは、埼玉県が目指すDXについて、DXの概念や本県のDX実現に向けた計画、そして具体的な取組等について、わかりやすくご紹介をしていきます。

 

【特集】埼玉県が目指すDX

 【第5回】 ペーパーレス化が拓いた、新しい県庁の働き方

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埼玉県が進めてきたペーパーレス化は、単なる紙の削減にとどまらず、オフィスのあり方や働き方そのものを変える大きな転換点となりつつあります。紙が消えると、オフィスの前提が変わり、働く人の行動が変わり、組織文化が変わり始めます。今回は、ペーパーレス化の結果で生まれる環境の変化とそれを生かした取り組み、ABWの推進等について紹介します。

建物が新しくなっても、紙中心では働き方は変わらない

自治体の庁舎が建て替えられると、最新設備を備えた快適なオフィスが整備されます。しかし、紙中心の業務が続く限り、働き方は大きく変わりません。紙を置くスペースが必要で、紙がある場所に戻らないと仕事ができず、紙文書の回覧や押印のために固定された席が必要になる。こうした制約が、デジタル化や働き方改革の足かせになっているのが実態です。

さいたま市浦和区にある埼玉県の本庁舎は、すでに建築から約75年以上が経過しています。現在、建て替えに向けた検討は進んでいますが、完成までにはまだまだ時間がかかります。だからこそ、今ある庁舎を最大限に活かしながら働き方を進化させることが重要です。

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埼玉県庁本庁舎(さいたま市浦和区)

ABWによる働き方の改革とは

そうした状況を踏まえ、本県ではABWの推進による働き方の改革を行っています。そもそも、ABWとはなんでしょうか?

ABWとは、Activity Based Workingの頭文字のことで、「業務の目的に応じて、働く場所や環境を自ら選ぶ」という考え方です。

ABWは、海外の行政機関や民間企業では一般的になっており、国内でも徐々に広がりつつあります。ABWは単なるオフィスのレイアウト変更ではなく、働く人が主体的に働き方を選ぶ文化を育てる取組で、先進的な国内の民間企業や全国の自治体の一部でも導入が進んでおり、本県も様々な取組を実際に視察するなどし、参考にさせていただいています。

全庁で利用できるABW環境の整備

本県では、徹底したペーパーレス化により、書類とそれを収納する書棚が大幅に減りました。書棚が減れば空間が生まれ、紙が席に紐づかなくなれば固定席の必要性も薄れます。こうして、固定席にではなく自由に席を変えて仕事ができるフリーアドレス化が進みました。

そこで、令和4年度に、ペーパーレス化により生み出されたスペースをリノベーションし、全庁の職員が執務室の代わりや打合せなど、共用で使うことができる「ワークラウンジ」等を整備しました。その結果、執務室以外での本庁舎にいる職員はもとより、地域機関の職員が本庁舎へ出張した際には、用件が済んだあともこのスペースで業務を行うことができるようになり、業務の効率性がアップしています。

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全庁の職員が個別業務や打合せ等で利用できるワークラウンジ

 

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カフェのようなリラックス感ある雰囲気の多目的室・リフレッシュルーム

職場そのものをABW化。一部部門からABWを先行導入

本県では共用スペースだけでなく、各所属の執務室についても、一部の部門において、従来の「課ごとに固定の執務室」「職員は固定席」というスタイルをやめ、ABWを先行導入し、挑戦的な取り組みを行っています。チームで議論できるスペース、複数モニターが使える集中スペース、秘匿性の高い個室ブースなど、業務内容に応じて選べる環境をこれまであった所属の執務室をリノベーションすることで整備しました。

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自分の所属の部屋や席というものを持たずに、自身の業務や状況に合わせて、働く場所を選びながら、仕事を行っています。時には、普段会話を交わすことが少なかった別の所属の職員同士が隣り合わせになることもあり、今後はコワーキングスペースのように、ここから新しい業務やサービスの発想が生まれることも期待しています。

また、こうした環境により、在宅勤務やサテライト勤務など、多様な働き方も自然と広がってきています。こうした取組を通して、今後の行政の庁舎の在り方や新たな働き方を模索し、将来の庁舎設計に生かしていく予定です。

服装も変える!「オフィスカジュアル」の導入

ABWの導入に合わせて、働き方の自由度を高める取組としてオフィスカジュアルを導入しています。

スーツなどの格式あるスタイルは、公式行事対応や議会対応など必要な場面では引き続き重要です。一方で、日常業務の多くは必ずしもフォーマルさを求められるものばかりではありません。動きやすく、気温に合わせて調整しやすい服装は、職員の働きやすさを高めるだけでなく、冷暖房の使用を抑えることで省エネにもつながるというメリットがあります。

オフィスカジュアルは、単なる服装の緩和ではなく、「働く人がより快適に、より健康的に、より環境に優しく働けるようにする。」という、働き方改革の一環なのです。ABWと組み合わせることで、動きやすい服装で、自分に合った場所を選び、その日の業務に最適なスタイルで働く、という、より柔軟で創造的な働き方が可能になるとともに、新たな発想による業務改善や付加価値の創出など生産性の向上にもつながるものと考えています。

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オフィスカジュアルでの業務風景

 

また、幹部職員も軽快な服装のため、職員交流の観点で、これまでよりも若手職員が幹部職員を身近に感じるといった声も聞かれるようになっています。

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若手職員からの報告を受ける都丸久企画財政部長(左奥)

ペーパーレス化は、働き方改革のスタートライン

紙がなくなることでオフィスが変わり、働き方が変わり、組織文化が変わり始めています。

庁舎建て替えという大きな転換点を見据えつつ、今ある環境でも最大限の価値を生み出すため、本県にとってペーパーレス化は、働き方変革のスタートラインなのです。

 

次回予告

次回は、DXの第2段階であるデジタルに合わせた業務プロセス改革「TX」(タスクトランスフォーメーション)についてご紹介します。

 

 

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