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掲載日:2026年8月20日
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埼玉県が目指すDX

埼玉県では、これからの人口減少・超少子高齢化社会の到来を見据えるとともに、近年甚大化している自然災害や日本の安全保障上の脅威等の発生のリスクを見据え、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。
DXは、単なるデジタル化による効率化ではありません。DXは、様々な社会課題を解決するデジタル技術が社会に浸透することで、便利で快適な生活基盤を確保するとともに、これまでなかった新たなサービスを創出する社会変革です。
本県では、そうしたDXの実現に向けて、令和3年度に埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画を策定し、取り組んでいるところです。本計画をもとに、行政のデジタル化を着実に推進するとともに、社会基盤としてのデジタルインフラを浸透させることで「社会全体のデジタルトランスフォーメーション」を実現し、快適で豊かな真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革を目指しています。
本サイトでは、埼玉県が目指すDXについて、DXの概念や本県のDX実現に向けた計画、そして具体的な取組等について、わかりやすくご紹介をしていきます。
【特集】埼玉県が目指すDX
2026年8月20日更新
【第6回】 DX第2段階での展開「タスク・トランスフォーメーション(TX)の推進」

今回は、DX第2ステップの中心となる業務プロセス改革「TX(タスク・トランスフォーメーション)」について、その考え方や具体的な進め方、そして成果をご紹介します。
業務を“デジタルに最適化した形”へ変えていく取組 「タスク・トランスフォーメーション(TX)」
TXは、大野知事が旗振り役となり、令和5年度から本格的に推進している取組です。現在の仕事をデジタルに任せられるタスクと人にしかできない業務に分け、職員の力を創造的な業務や丁寧な対人サービスに振り向けるとともに、生み出した時間を新たな取組やアップスキリングなどに充て、生産性と県民サービスの向上に活用しています。
例えば、会議業務には、会場の確保、関係者の日程調整、資料作成、議事録作成など、多くの作業(タスク)が存在します。TXでは、こうした作業を一つ一つ分解し、どの工程をデジタルに置き換えられるか、あるいはデジタルで最適な流れにするにはどう変えるべきかを検討します。このように、業務をタスク単位で見直し、新しい業務プロセスへと置き換えていくことがTXです。

生み出した時間を“価値あるもの”へ振り向ける
効率化で生み出された時間というのは、ともするとどう使われたのかは分からず、自然に消えてしまうことが少なくありません。そのため、埼玉県ではTXによって生み出された時間を把握し、その時間をより生産性の高い業務や職員のアップスキリングなど価値のある時間に振り向けるよう心掛けています。また、企画段階では、自所属の業務を分析し、どの業務でどれだけ時間削減できるか、どのような効果が期待できるかを整理し、ノーコードツールkintoneで職員が作成した報告アプリに登録します。さらに、TX実施後には、実際の削減時間や生み出された時間の活用内容を同じく報告アプリに登録していく仕組みとしています。時間の把握は簡単ではありませんが、「どれだけ効率化できたか」「その時間をどう活用したか」まで見える化することで、デジタル化の成果を職員自身が実感できるようになります。

TX推進リーダーが各課の改革を牽引
TXは単にツールを導入すれば実現できるものではありません。そこで県では令和6年度から改革部門に全庁のTX推進を企画・統括していくTX推進担当を組織するとともに、各課に「TX推進リーダー」を選任し、当該リーダーがそれぞれの所属の業務のTXをけん引する体制をとっています。また、TX推進リーダーには、デジタルツールの特徴や使い方に関する研修を実施し、自身のデジタルスキルアップを図れるようにしています。
TXの実施例 四半期経営動向調査業務の改革
TXの具体例として、本県の産業労働部門で行っている埼玉県四半期経営動向調査業務におけるTXの実践事例ついてご紹介します。本業務は、県内中小企業の経営動向を迅速・的確に把握し、産業労働施策を推進するための基礎資料とするため、県内主要業界・業種の景況に関し、その現状と見通しに関する調査を四半期ごとに行っているものです。
県内中小企業へヒアリングを行うにあたり、日程調整、ヒアリング実施、ヒアリング内容の集計・分析といったそれぞれの工程に多くの時間を要していました。本業務でTXを実施したところ、日程調整やヒアリング内容の調査票の起票にkintoneを導入したことで、関係者調整の時間を削減や調査内容の取りまとめ時間の短縮、さらには迅速な情報共有ができるようになりました。
また、ヒアリング時のコメントの分析に生成AIを活用したことで、大幅な時間短縮ができるようになったことに加え、人力ではできなかった業態ごとのネガティブ・ポジティブ分析まで行えるようになりました。

TXの実施例 学校体育施設の開放事業のTX
次の事例は、県立学校の体育施設の開放に関する事例です。TXの取組以前は、各学校から施設の利用可能な時間の情報を本庁の職員が取り纏め、県ホームページに公開していましたが、このやり方では、取り纏めも含めて多くの人手や時間が掛かり、利用者が最新の空き情報を知りたい場合には、学校に個別に問い合わせる必要がありました。
そこで、学校の入力情報を自動的にホームページに反映させ、また申請も電子申請でできるようにしているため、利用する県民も学校の職員も便利で効率的になりました。
TXの本質 ― 生み出した時間を組織の力に変える
TXの肝は、効率化で生まれた時間を組織として活用することです。生み出された時間は、新たな業務の開拓などの生産性の向上や、時間外勤務の縮減や有給休暇の取得促進などワークライフバランスの促進、研修受講、庁内副業制度への参加などの職員自身のスキルアップ等、多様な取組として活用されています。また、この生み出された時間の管理は個々の職員が行うのではなく所属長がマネージメントしており、これによりAさんの業務で生み出された時間をBさんのスキルアップに使うことができます、時間の活用をより柔軟にすることで組織力の強化につなげる狙いがあります。
庁内副業制度を利用したTX人材育成とさらなるTXの推進
埼玉県の庁内副業制度は、職員が自所属の業務を遂行しながら、異なる所属の業務にも従事し、当たらな知識やスキルを吸収することで、スキルアップやキャリア形成を図る制度で、令和6年度から実施されているものです。募集をする業務に対して、各職員が自ら手を挙げて参加し、週1日程度、数か月間他課の業務を経験しくことができます。
TX推進の取組でもこの制度を活用しており、参加職員はOJTでデジタルツールの使い方や業務手法を学びつつ、全庁各課のTXの支援を実施しています。これにより、参加職員のスキル向上とともに、全庁のTX推進力の強化にも寄与しています。

庁内副業制度によるTX推進業務実施イメージ
(TX推進担当の職員(右端)が実施手順や案件等の情報提供やサポートを実施)
庁内ポータルサイト「TXガイド」で取組手法や成功事例を共有
TXは、業務プロセス全体の見直しなどの業務改革だけでなく、ちょっとした作業のデジタル置き換えでも大きな効果を発揮するケースが多くあります。そこで県では、庁内向けのポータルサイトにTXに関する情報をまとめた「TXガイド」を設置し、業務種別ごとのTX実践例やツール活用のポイント、成功事例を掲載しています。職員が自身の業務に合った事例を参考にすることで、成功体験を積み、さらにTXの実践を進める狙いがあります。

TXに関する情報をまとめた庁内ポータル「TXガイド」
次回予告
次回は、いよいよDX第3ステップである「デジタル連携による新たな価値創造」についてご紹介します。
本県のDX推進に関する情報