環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究評価の取組 > 令和元年度第2回研究評価 > R01第2回審査会コメント1/研究課題(化学 H26-H29 県内における有機ハロゲン難燃剤)

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掲載日:2023年1月12日

環境科学国際センター研究課題(化学物質・環境放射能担当/H26~H29)

県内における有機ハロゲン難燃剤の汚染実態の把握

(化学物質・環境放射能担当:蓑毛、茂木、大塚、堀井、竹峰;大気環境担当:野尻/H26~H29)

 有機臭素系難燃剤であるヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)は、繊維製品等の難燃加工剤として使われていましたが、2013年のストックホルム条約会議でPOPs登録され、製造・使用等を禁止するための措置が講じられることになりました。一方、有機塩素系難燃剤であるデクロランプラス(DP)は、電線やケーブルの被覆樹脂などに添加され、現在も継続的に使用されています。DPは近年汚染物質として注目され始めており、その物性から将来POPs候補として取り上げられることも考えられます。HBCD、DPはどちらも難分解性物質であるため、環境残留性や生物蓄積性が指摘されていますが、環境分析に係る公定法は確立されていません。本研究では、将来の規制を視野に入れ、これら難燃剤による県内の大気、水、底質の環境汚染実態の把握を目的とし、環境動態解明の基礎資料とします。

《研究の概要》(PDF:240KB)

 

令和元年度第2回研究審査会コメント

研究課題

県内における有機ハロゲン難燃剤の汚染実態の把握

研究審査会コメント

  • 本研究は、二つの有機ハロゲン化難燃剤のHBCD、DPの汚染実態を把握することを目的に行われ、県内の多くの地域でのサンプルの分析がなされています。そうした中で、人口密度との相関が示され、また、県南地域や本庄に高い値がみられました。その結果、環境リスクはいずれも必ずしも高くはないことが示されています。また、発生源の特定も可能にするような内容も得られています。極めて重要な結果といえます。
  • 得られた成果からは、大気中、河川水中、河川底質中について、それぞれの汚染要因も含めて検討されています。国内初とされるデータもあり、きちんと調査された上での環境リスク評価がなされている点で、信頼できる安心情報を提示できています。
  • 取り組んでいる研究調査機関が少ないと思われるため、本研究により得られるデータや考察は、行政や県民にとって有用です。また、本研究によって、研究手法の確立や県内のサンプリング開始までが行われました。今後サンプリングポイントを増加する必要があると思われ、将来性が見込まれます。
  • 県内のHBCD・DPの観測に加え、その研究の過程で両難燃剤の効率的な分離法を確立したことが、成果概要には書かれています。県内・県外の他地域においても両難燃剤の測定を今後に行うニーズが生ずることが想定されることから、積極的に研究発表等を行い、手法改良的観点からの成果普及にも努めて欲しいです。
  • 分析法の検討から、環境レベルの把握まで、期間内に当初の目標を達成でき、十分な成果が得られたものと考えます。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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