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掲載日:2018年3月30日
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公立大学法人とは何か、法人化によって大学はどう変わるのか、法人化のメリットは何か、などといった皆さんの疑問にお答えします。
「地方独立行政法人」は、県や市町村などの地方公共団体が法律(地方独立行政法人法)に基づいて設立することのできる、地方公共団体と民間企業の中間的な性格を持つ法人です。
これまで県や市町村が行ってきた次のような事業を、新たに設立する法人が民間的な手法も取り入れながら、これまで以上に効率的・効果的に進めていくことがこの地方独立行政法人制度のねらいになっています。
地方独立行政法人が行うことのできる事業
「公立大学法人」とは、地方独立行政法人のうち、特に公立大学を設置及び運営するために設立される法人です。法律で「公立大学法人」という名称を用いることとされています。
公立大学法人の場合は、大学における教育研究の特性に配慮することが法律にも明記されており、その考え方に沿って、いくつかの特例が設けられています。
設立団体の長が定め、地方独立行政法人に指示する中期目標の期間について、通則規程においては、3年以上5年以下としているところ、公立大学法人では6年間としています。
また、公立大学法人は他の公営企業的な事業とは違い、独立採算の事業ではないと整理されています。
社会が成熟する中で、大学には高等教育機関として、また、新たな知識や技術の発信源として、地域社会や産業界からますます大きな期待が寄せられています。
一方、急速な少子化によって大学進学者も年々減少していくと見込まれており、大学同士の競争も激しくなっていくと予想されます。
このような中、県立大学はその特色を生かし、教育研究を一層発展させ、その存在価値を高めていく必要がありますが、運営面では、県の一機関であるため、予算や組織に関して一定の制約がありました。
県立大学の法人化は、こうした予算や組織上の制約を緩和して大学が自主性を発揮できるようにし、その上で、県が設立した大学として県民の皆さんの期待に応える魅力ある大学を作っていくことを目的としています。
なお、大学は法人化によって今まで以上に自主的・自立的な運営が可能になりますが、財政的には今後も県民の皆さんの税金によって支えられていきますので、積極的な情報公開により説明責任を果たしていくほか、大学運営に学外者にも参加していただいたり、外部機関による評価を受けるなど、公正、透明な運営を確保していくこととしています。
県立大学の法人化は、県民の皆さんの期待に応える、より魅力的な大学を作っていくことを目的としていますから、大学本来の役割である教育研究の充実向上を図ることと併せて、今まで以上に県民の皆さんや地域社会に貢献する活動を展開していきます。
具体的には、公開講座の充実や自治体・企業との包括協定締結の拡充などが挙げられます。
公立大学法人化による自主性・自律性を発揮できる仕組みや第三者機関による評価システムを生かして地域貢献活動の充実を図り、大学の有する知識や技術を積極的に地域に還元していきます。
法人化によって、大学は予算や組織面での自由度が大きくなりますから、大学の判断で、学生のニーズを踏まえながら、履修方法の工夫などを行うことができるようになります。
また、法人化後は第三者機関から定期的な評価を受けることになるため、大学での教育・研究が客観的に評価され、授業の改善に反映されていくことになります。
法人化を契機に、大学が学生サービスの重要性を改めて認識して、これまで以上に学生の視点に立って大学運営を行っていくことになると考えています。
保健医療福祉分野を志望する県内の学生に、経済状況に左右されない進学機会を提供するという県立大学の役割は、法人化後も変わらず重要なことと考えます。
一方で、法人化の目的の一つは、大学の自主性・自律性を高めていこうとするものですから、例えば、「特色ある教育サービスを提供しよう」という判断をすれば、それが実現できるようにすることも必要です。
このため、あらかじめ授業料等の上限を定めておき、その範囲内であれば法人が授業料等を自主的に決定できるようにしています。授業料の上限額については、知事が県議会の議決を経て認可します。
つまり、授業料の額については、法人にある程度の権限が与えられますが、県が認可した範囲内で決定することとされており、大幅な値上げなどが起きないような歯止めがなされています。
法人化によって入学試験方法が変わることはありません。
なお、法人化とは関わりなく、大学では入試制度の改善に努めていますので、今後その入試制度改善の一環として変わることはあります。
法人化によって授与される学位や取得できる資格が変わることはありません。
県立大学はこれまでも、保健医療福祉の分野における人材育成や学術研究の向上、さらには産学連携、公開講座の実施など、県民生活に直接的、間接的に貢献してきました。
県立大学は、今後もこうした役割を十分に果たしていく(あるいはさらに充実していく)必要があり、そのために必要な経費は引き続き県が財政措置していくことになります。
法人化の目的は、大学が自主性を発揮して県民の皆さんの期待に応える、より魅力的な大学を作っていくことであり、県の支出削減を目的とした「民営化」とは異なるものです。
県立大学の法人化は、大学の運営上の裁量を拡大するなど民間的な手法も取り入れながら改革を進めていこうとするものであって、「利益を追求するために」民間的な組織にしようというものではありません。また、大学がこれまでどおり学問の基礎となる研究分野においても貢献を続けていくことは、きわめて重要な使命の一つであると考えています。
県が法人の方向性を定める中期目標や法人が計画的な運営のために定める中期計画の中に、基礎研究の分野も明確に位置づけた上で、それらに対する評価も行っていきたいと考えます。
県立大学は、保健医療福祉学部のみの大学であり、国立や私立の総合大学に比べれば小規模な大学といえます。
しかし、小規模な大学は、規模が小さいゆえにその目的を明確化させることができますし、組織的にも小回りがきくという利点があります。
また、県が設立する大学として、地域のニーズや社会情勢の変化にスピーディに対応して、特色ある大学運営を行っていくことも可能と考えます。
法人化は大学の個性を明確にし、さらに発展していくための手段であると考えます。
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