トップページ > 県政情報・統計 > 広報 > 広報紙・テレビ・ラジオ・ソーシャルメディア > 広報紙「彩の国だより」 > 「彩の国だより」令和6年6月号 > 知事コラム「ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現」
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掲載日:2024年6月1日
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最近、「ネイチャーポジティブ」という言葉を、耳にすることが多くなりました。日本語で自然再興と訳されるこの概念は、生物多様性の損失を止め、好転させようとするものです。私たちの生活に必要な衣・食・住を提供する生物多様性は、特定外来生物の定着や都市化の進展による緑の減少などにより、その損失が懸念されています。
本県は首都圏に位置しながら、利根川や荒川をはじめとした多くの河川、原生林を残す奥秩父の山々や武蔵野の雑木林、低地に広がる水田など変化に富んだ地形と多様な自然環境に恵まれています。
ネイチャーポジティブの実現には、長い時間をかけて形成されたこれら多様な生態系を保全することが必要であり、動植物をただ保護するだけでなく、これらの生息地である森林や川などを保全していくことが欠かせません。
このような認識の下、県では、令和6年3月に埼玉県生物多様性保全戦略(令和6~13年度)を策定し、さまざまな取り組みを進めているところです。例えば、豊かな川を育む自発的な活動が持続して行われるよう、県民・団体・企業の連携を県が支援していく「SAITAMAリバーサポーターズプロジェクト」を推進しています。また、水源のかん養や二酸化炭素の吸収・貯蔵など多様な働きを十分に発揮させるため、間伐などの適切な手入れを推進することにより、生態系の基盤である森林を守り育てています。
さて、本県での開催としては66年ぶりとなる「第75回全国植樹祭」が令和7年春、秩父ミューズパークを主会場として開催されます。川でつながる埼玉県の山村と都市が、森林資源の循環利用を推進しながら、豊かな森林・緑を県民全体で次の世代に引き継ぐ機運を高める大会にするべく準備を進めています。
生物多様性を保全し、ネイチャーポジティブを実現するためには、県民一人一人のご理解とご協力が必要です。緑に触れ、自然を体感すること、そこに生息する動植物を観察することも生物多様性の保全に向けた行動の一つです。県でも、緑の保全への取り組みとしてさいたま緑のトラスト運動を推進しています。できることから行動を起こし、みんなでネイチャーポジティブを実現していきましょう。
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