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掲載日:2022年2月9日

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知事記者会見テキスト版 平成31年2月13日

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平成31年2月13日(水曜日)

平成31年2月定例会付議予定議案について
平成31年4月1日付け組織・定数改正について

平成31年2月定例会付議予定議案について(PDF:4,973KB)

平成31年4月1日付け組織・定数改正について(PDF:242KB)

知事

今日は(平成)31年2月定例会の付議予定議案について、御説明並びに御報告をいたします。招集日は2月20日水曜日。議案に関しては47件、予算が21件、条例19件、財産の取得1件、事件議決が6件であります。主な内容は後程御説明いたしますが、31年度一般会計予算そして30年度の一般会計補正予算。国の補正予算に伴う補正がございます。

当初予算案でありますが、名付けて新時代へのチャレンジ予算と呼んでおります。いわゆる平成という年が改まって新しい年号が始まる年でもあります。そして、かつては人生80年時代と言われておりましたが、今や人生が100年時代、というものを迎える。そういう時代に入りつつあるということで、輝け100年の人生。そして、昨年、スマート社会への入口という言葉を使わせていただきましたが、まさにこれからより賢く生きるという意味で、単にAIやIoTを使う、そういう技術的な課題だけではなく、まさに賢く生きるというスマート社会を実現していきましょうという意味を込めております。そして、魅力的で持続可能な埼玉。国連が持続可能な社会ということで、SDGsを言っておりますが、まさしくこの持続可能な埼玉というのは、新しい時代のチャレンジの目標でもありますし、そのこと自体がまたスマート社会ということにもなります。そうしたことを実現するということは、逆にまさに100年という人生が輝けるものになる。こういう三つの意味を込めて予算を組み立てました。一般会計は1兆8,884億6,000万円、対前年度比で、1.2パーセント増えております。特別会計等含めた全会計では3兆4,789億882万9千円、対前年度比で2.5パーセント(増)。また、同時に提案いたします平成30年度の2月補正を含めて、結果的に13か月予算による切れ目のない公共事業の実施という形で一般会計の中で、99億2,454万円の2月補正を組んでいます。

特に細かく御報告していけば、子供の居場所づくりと貧困の連鎖の解消。これは先ほど申し上げましたスマート社会、あるいは人生100年の時代ということで、スタート時につまずかない、つまずいた人たちを立ち直らせる。チャンスの多い社会にしていくという意味で、子ども食堂など多様な子供の居場所の拡大に努めていきます。現在164か所の子ども食堂を800か所作っていきましょうという話であります。もう一つは、埼玉県がアスポート事業を全国に展開し、それが国の法律にもなりましたけど、中学・高校生だけではなく、小学生にまでしっかりサポートしていきましょうということで、ジュニア・アスポートのモデル事業をこれまで展開してきました。生活支援、体験活動、食育・居場所プラス学習支援というかたちで、今後、市町村への支援等を全面的に展開していくというかたちで、市に事業費の一部を補助し、市町村にコーディネーターを派遣し、そして県が町村教室を設置して全市町村への展開ができるようにしていくというかたちを取ります。また、体験活動による子供の生きる力の育成などにも力を入れていきます。プロによる職業体験、あるいはげんきプラザでの自然探検などが含まれています。

最近でも大きな話題になっていました児童虐待への対応と保育士の確保対策でありますが、とりわけ、児童虐待防止対策の充実に関して、格段とバージョンアップさせていただきました。これまで、埼玉県以外でも8府県が県警本部と児童相談所との連携のための連絡調整ができるような仕掛けを作っております。埼玉県はそれを各警察署がすべて児童相談所と、直接リアルタイムで案件をつなぐことができる新しいシステムをスタートさせます。もちろん、これは全国で初めてであります。これまで児童相談所は、様々な警察の情報は県警本部を通じてしか取ることができなかった。最寄りの警察署は取ろうとすると、最寄りの警察署は県警本部に連絡を取って、情報を取るという形で手間がかかっていたわけです。それをリアルタイムで情報を共有することができるという新しいシステムであります。したがって、いわゆる手遅れとか、あるいはスタートアップに関して十分な情報がないままに手当をしていくとか、そういうことがなくなって、児童相談所が持っている情報は警察署も持っている。警察署が持っている情報は児童相談所も持っているという。リアルタイムの情報共有ができるようなシステムにしました。また、市町村における相談体制の強化として、児童福祉司、児童心理司などの経験者を市町村に派遣し、また民間との協働による泣き声通告などへの対応についても、児童の安全確認のうちにリスクの低い案件を協議して対応するように、民間との協働もより拡充をいたしました。さらに保育需要に対応した保育士の確保対策の推進。(新卒)保育士向けの就職準備金の貸付事業の創設。あるいは、保育士宿舎借上補助事業の人数制限の廃止など、しっかり保育士の確保対策を行うようにしました。さらに里親委託の推進強化。児童養護施設等における受入体制の支援など、まさに子供の成長を何らかのかたちで阻害するような状況を徐々に外していくという、まさにチャンスの拡大を図っております。

さらに、様々な環境にある人やシニアの支援として、シングルマザーの支援。人口減少が著しい地域への移住等の支援。就職氷河期世代、この当時なかなか良い就職ができなかった方々にもう一回、正規雇用に向けたマッチングなどを徹底的に支援していくというやり方であります。また、人生100年時代を楽しむ推進事業として、セカンドライフの充実支援を行ってまいります。

健康長寿社会に向けた取組として、これまでどおり様々な展開をしているところですが、今回新たに健康づくり安心基金関連事業という形で、いわゆるタバコを吸ってる方、少し隣近所に迷惑かなという思いを持っておられます。そういう方々のたばこ20本につき1本分を積み立てて基金にして、それを財源にして、受動喫煙防止対策の推進や、健康関連施策の推進に使っていきましょう。がん検診に使うとか、そうしたことを展開して、みどりの基金と同じ方式です。みどりの基金は、自動車税からワンコイン分だけを別の基金に入れて、それでCO2を出す車にかかる自動車税から緑を増やして、緑がCO2を吸収していく。そういう考え方と同じようなかたちで、健康づくり安心基金を作ります。また、県立病院の機能拡充を進めてまいります。循環器・呼吸器病センター内に脳神経センターを設置いたします。がんセンターにも総合診療体制を構築させていただきます。さらに、これまで4人家族とか、あるいは4人家族でない多子世帯向けの住宅の推進をしてきたところですが、単身高齢者が多くなってきたということを踏まえて、高齢者の単身者モデル住宅の供給をスタートさせることにしました。どのような形で新たに高齢者単身者モデル住宅を作っていけばいいのか。そうしたものについての検討を進めることにいたしました。

また、安心・安全を守る取組として、犯罪被害者支援の強化。あるいは運転免許更新時の高齢者講習受け入れ枠の拡大。災害時の情報収集の強化など、改めて安心・安全を守る取組を進めているところでございます。これまで予約の一元化システムの構築が十分でなかったところから、お待たせする時間が多かったところですが、これを予約を効率的に行う、そういう仕組みづくりをさせていただきます。

AIやIoT、ロボット等の導入によるスマート化であります。スマート社会の実現に向けて、本県が行っております小・中学校の学力・学習状況調査結果にAIを導入することで、よりきめ細かな個々人の環境状況に応じて指導ができるという体制づくりをさせていただきます。またビッグデータを活用した医療体制の検討を行ってまいります。さらに、農業のスマート化ということで、AIを活用した茶の生産技術の開発、AIやドローンの活用を通じて、より米麦の栽培の省力化や安定生産技術の開発を行ってまいります。そして、AI導入による犯罪捜査の効率化も図ってまいります。

AIによる県民サービスの向上と業務効率化もさらに進めてまいります。具体的に、県民向け問合せAIの構築を進めてまいります。これまでも進めているところですが、さらに相談にAI自動応答システムを導入して、すぐ回答が出るようにいたします。24時間365日利用可能です。また、災害対策アプリの提供を行ってまいります。防災ハンドブックをスマホアプリ化。アプリとして提供いたします。今まで小さなハンディな防災の一種の虎の巻を持ってたのですが、その虎の巻は持たなくても、スマートフォンの中でしっかりとカバーができるようにいたします。さらに県庁のスマート化を進めてまいります。新技術の導入によって業務の自動化を図ります。RPA、あるいはOCRによるさらにRPAの適用事務の拡大を行ってまいります。紙を見せるだけでしっかり資料が電子化されていく。8割程度の作業時間の削減を目指してまいります。市町村情報システムの共同クラウド化。県のクラウドシステムを市町村と共同して利用していきましょうということで提案をしてまいります。順次、参加していただければありがたいと思っております。

いよいよラグビーワールドカップが本年始まりますし、来年にはオリンピック・パラリンピックがございます。気運醸成と円滑な大会運営を目指して、100日前イベント。公認チームキャンプ地等の整備。あるいはテストイベント、日本代表と南アフリカとの壮行試合を行います。そして大会運営のために、様々な丁寧な作業を進めてまいります。大会後のレガシーの創出のために、大規模大会に向けたラグビーグラウンド等の整備を行っていきます。ちなみに、日本代表対南アフリカの壮行試合、そして9月24日にはロシア対サモア。9月29日にはジョージア対ウルグアイ。10月9日にはアルゼンチン対アメリカと。世界の強豪チームが熊谷ラグビー場で試合を行います。また、2020オリンピック・パラリンピックもいよいよ来年になってまいりました。さいたまスーパーアリーナではバスケットボール。そしてまた、埼スタではサッカー。霞ヶ関カンツリー倶楽部ではゴルフ。朝霞駐屯地では射撃。とりわけ、県の施設で行います、さいたまスーパーアリーナあるいはまた、埼スタにおいては多くの方々に来ていただくために様々な準備をしているところでございます。また、ホームステイなどの受入体制も準備をいたします。

さらに、埼玉の魅力を発信するために、お酒に着目した産業・観光振興。県内で唯一5種類のお酒を生産する秩父地域。要するにお酒(日本酒)にワインに焼酎にウイスキーにビール。5つとも秩父エリアでは、その製造元を持っているということで、「ちちぶ乾杯共和国」という名を打ち込みながら、まさに産業と観光振興をセットでアピールしながら、他の(後に削除)酒どころ埼玉をアピールしていくというかたちをとります。「陸王」や「のぼうの城」で有名になりました行田は足袋蔵のまち並みを今も残しております。そういうまち並みを3年間で一定のエリアにおいて、モデル地区(後に「区間」に訂正)をしっかり作って、昔のまち並みを復元させていくような整備を行ってまいります。また、こども動物自然公園では、キリン舎をリニューアルいたします。(キリン舎の写真を指しながら)イメージ図ですが、高いところからキリンにえさをやる。キリンは背が高いですから、そういう場面設定などを行って、まさに身近な動物園ということを改めて知っていただきます。さらに外国人旅行者の滞在強化とおもてなし向上のために、救急病院等に電話通訳サービス提供を行ったり、外国人に埼玉ならではの体験を提案をしていきます。具体的には海外旅行サイトを活用した体験型旅行の商品のPRと販売を行ってまいります。

さらに、魅力的で持続可能な埼玉の実現のためには、まさしく災害の備えと環境への配慮が重要になってまいります。災害に強い埼玉の構築のために、地震や水害への備えをさらにしっかりやっていきます。橋りょうの耐震補強の推進。県市連携による浸水対策。相当の費用をかけてやってまいります。また猛暑に対する備えも行ってまいります。さらに、環境に優しい埼玉の構築のために、環境科学国際センターの情報発信力を強化してまいります。大変、日本国内でも屈指の環境に係る分析を行う研究所でありますが、その力を県民のものにするために、地域や民間との連携を強化してしっかりと地域気候変動の適応センターを運営しながら、しっかりと気候変動に備えた情報提供を行ってまいります。併せて、環境科学国際センターの売りをしっかり県民の皆様に見てもらうために施設のリニューアルも行ってまいります。さらに、EUや国連でも話題になっておりますマイクロプラスチックの削減のために、先行モデル地区でのプラごみ削減活動を行い、河川水中でのマイクロプラスチックの調査・発生源対策。さらに、環境対応プラスチックへの転換に取り組む県内製造業者に対する技術支援や製品開発等の補助を行ってまいります。特定の場所でどんなプラスチックが流れているのか。川をせき止めながら様々な廃プラを収集し、分析をし、そしてこうした廃プラがいたずらに川に流れ込まないような仕掛けを行って、川の国埼玉を守ってまいります。

さらに、防災・減災対策や基盤整備の充実を行ってまいります。補正予算を活用した13か月予算をやってまいります。公共事業を総額で1,029億1,167万円というかたちになってまいります。公共事業が切れ目なく展開されて、まさに重要インフラの点検を踏まえた防災・減災緊急対策をしっかりと積み上げてまいります。そして、いよいよ春日部駅周辺の連続立体交差事業が始まります。県内ワーストワンの開かずの踏切を解消するために、最短で12年ほどかけて立体交差を行って、10か所の踏切がゼロになります。そして三郷流山橋の有料道路の建設を三郷市と流山市の境目に立てて、これを平成35年(度開通)予定で、道路公社が中心になって行ってまいります。そのため、道路公社への出資金を計上いたします。

さらに、地域経済活性化と企業誘致の推進を行ってまいります。御案内のとおり、農大跡地等への先端産業への集積でございますが、IHIが既に工場を造るために今作業をやってるところでありますが、その周辺地域に、まさに未来産業をここに集積させていこうというかたちで、整備を今行ってるところであります。さらに、ジェトロ埼玉の誘致を行ってまいります。埼玉県そのものは、現在、アセアン地域への進出希望が多い埼玉県の企業のニーズを捉えて、ベトナム、タイ、インドネシア(後に「中国」に訂正)の3か国に拠点を設けて、県内企業の支援を行っているところでありますが、件数そのものはヨーロッパでもアメリカでもいろんなところで、ないわけでありません。1件でも2件でもそうした企業がある限り、そうした対応もするということで、全世界に拠点を持つジェトロと組んで、しっかりと海外進出、あるいはまた海外から埼玉への投資などを呼び込むために、ジェトロ埼玉を誘致することに決めました。幅広い国や新たな分野での力を、埼玉県としてもさらにつけていきたいと思っています。そして、旺盛な企業立地需要に応えるための新たな産業団地の整備についても、エントリー&オーダーメードで企業ニーズを取り込んだかたちで、しっかりと整備を進めてまいります。今年度の部分では、(後に削除)富士見、寄居、鴻巣、羽生において56ヘクタールが今、(後に「の」に訂正)早期整備を進めているところでござい(後に「まいり」に訂正)ます。

また、農業の競争力も大変重要であります。農地の集約化によって埼玉野菜の生産力をさらに拡大しようというかたちで、産地の核になる農業法人への機械化一貫体系の導入支援も行ってまいります。また、優良種子生産体制の確立のために、支援もしっかりと行ってまいります。さらに、新たな流通システムの構築も行ってまいります。農業法人から量販店の県内物流センターへの農産物を、直接納品する流通体制の構築を支援いたします。一般的にいえば、農業法人も何か中間体を通じて農産物を納めておったわけですが、量販店の県内物流センターに直に納めることで、その間接的な市場の部分を省略して、より早く、より新鮮なものを消費者に届けるというかたちをとるために、新たな流通システムを構築してまいります。以上が予算事業でございます。

そして(平成)31年度の組織・定数改正の部分ですが、100課121所が99課122所になります。草加児童相談所を設置いたします。いわゆる児童虐待の案件等々、より丁寧に対応していくために、草加児童相談所を設置いたします。また文書課へ県の県政情報センターを統合させていただきます。定数を46人増やします。その中身ですが、主に児童虐待防止対策への強化で、増員を行ってまいります。また、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックの開催の準備のための要員を拡大させていただきます。企業局の方でも、さらに企業誘致をはじめ企業団地の整備のために、増員を認めました。病院局においては、循環器・呼吸器病センターの脳卒中等の救急患者の受入体制の強化と地方独立行政法人化の準備の体制のための増員を認めたところです。さらに下水道局においても、公共下水道事務の知事部局からの移管を行うこともあり、知事部局からのメンバーを下水道局に移すかたちになりました。以上、平成31年度の組織・定数改正でございます。以上で、定例会付議議案の内容を御報告、御説明させていただきました。

毎日

今回の予算、「新時代へのチャレンジ予算」ということで「輝け100年人生」「スマート社会の実現」「魅力的で持続可能な埼玉」の三つの柱を掲げられたわけです。様々な施策を展開していこうという予算ですが、その中で知事として最も力を入れられたというか思い入れがあるというか、その施策が何か…

知事

基本的に毎年考え方が変わるわけではないんですが、若い頃自分なりの政治的な信条を固めたのは、ドイツの社会学者のダーレンドルフという方がチャンスオブライフ、いわゆる生活の機会というのが直訳なんですが、いわばチャンスを拡大していく社会を作らなければならないと。権利とか、あるいは自由という、こういう憲法で保障されたものも含めた様々な制度というのは、基本的にはプログラム規定だと。こういう権利があります、こういう自由がありますといって本当に自由か、本当にその権利が使われているかとか、あるいはその権利どおり生活がなってるかどうかというのはまた別問題ですと。したがって、そのプログラム規定をより本物にしていくには、ありとあらゆる生活の中に色んなチャンスが増える。全部皆さんを平等にしろなんていうつもりはないけれども、どんな人にもチャンスがある、どんな時にもチャンスがあるという、そういう社会を作るというのが私の政治信条に基本的には、その当時若い時から自分自身が固めてきた考え方に立っていて、残念ながらアベノミクスで、特に株高で円安に引っ張ることで輸出関連企業中心に非常に景気が拡大気味だと。しかし既に御案内のとおり、安倍政権になってからも成長率は1パーセント程度と。可処分所得は逆に減っていると。そして、ある意味では格差が拡大しているなど、色々課題が出てきていると。そういう課題の象徴的なものが、昨今のまさに児童虐待に象徴されるようなことではないかということですので、だから私とすれば、まさに最も思い入れがあるということでいえば、そういうチャンスを拡大するために何をすればいいんだということを常に視点の中に入れていくという。したがって、最初の三つのところの中にも、100年時代だと言われても、それは困る世界もいっぱいあるんですね。80年しか設定してなかったと。その後の年金はどうなるんだろうかとか。あるいは自分の健康は本当に100年持つのかとか。そうした部分というのは、まさに目標が100年になっているけれども、それを担保できるようなものがあるのかどうかとか。医療体制はどうなんですかとか。介護の体制はどうなんですかとか。そういうものは常にあるわけですから、そこを挑戦していかなくてはいけないと。あるいは、スマート社会と別にAIだけではないですよと。賢い生き方ができるんでしょうかできないんでしょうかと、その賢い生き方のモデルは、まさに持続可能な社会だと。そういうものを埼玉が実現できるんですかと。それで、実現しなくてはいけないでしょうと。そのために何をすればいいんですかということでの考え方を、それぞれのところに入れ込んできたつもりです。したがって、それぞれの方々にチャンスがある。そういう取組を随所随所に制度として入れ込んできたつもりであります。

毎日

あともう1点。新時代と平成最後ということもあるんですが、知事の4期目としても今任期で最後の予算編成ということになられるんですが、知事4期目の公約として、2025年問題のへの対応、いわゆる少子高齢化対策だったり、人材の育成だったり、3点ほどいろいろ公約を掲げてこられて、対応されたと思うんですが、今回の総まとめともいえる予算編成だと思うんですけども…

知事

4期を貫く1つの考え方もありますが、1期1期を勝負してるつもりです、基本的には。連続してる部分もありますが、考え方としては公約は常に1期1期を片付ける。予算そのものは連続している部分が5か年計画の中で明らかになっております。例えば、地域包括ケアシステムなども2025年までに完成させなければならないと。これは基本的には市町村の事業です。しかし、市町村には何のモデルもないからということで、県にしっかりリードしてくれというような意見も多くありました。その枠組みの中でモデル事業を展開させていただきましたし、とりわけ医療と福祉の拠点整備を30郡市医師会の中にすべて一昨年の4月までにでき上がりました。これは47都道府県で埼玉県が一番最初にでき上がったということで、今、その4つのモデルをそれぞれの市町村が自分たちに合うモデルはどれかということをピックアップしていただいて、あるいは1つピックアップするだけではなくて2つかもしれませんし、自分たちなりの味つけをしていくというかたちで、市町村が具体的にその取組をやっていくわけですが、その基礎固めの支援は十分させていただいたので、そういう意味では一番重く、私が捉えてた部分に関しては、十分、ある意味ではもう昨年レベルで大体片づいていたと言っても決して過言ではないと思っています。問題は市町村がどう味つけていくかということで、今後、市町村からこういった部分を支援してくれとかこういった部分をもっとカバーしてくれとか、そういうお話があった時に対応していくかたちになるのかなと思っております。

毎日

今回の編成でほぼお考えになってるものは達成できる…

知事

そうですね。この部分(「輝け100年人生」)はもうまだまだこれからも課題がたくさんあります。もちろん、AIなどを中心としたスマート社会、こういうもの(「魅力的で持続可能な埼玉」)も最終的にはまさに目標であって、いつできるとかできたっていう話にはなかなかならない。気候変動に対する対応なんかどこまでできるんだろうかという、そういう課題は常にあります。ただ、言えることはやはり新しい元号が作られ、新しいスタートが始まりますと。チャレンジしなければならないのはこういうことでしょうと。これだけは、はっきりしてますねと。そういうものの、大事な部分を私たちは手がけましょうということで、今年すべて完成するなどということは全くない。今までも続いてきたものがありますと。新たに付け加えたものもありますと。しかし、流れはこういうことになりますねということが、今回の予算で明らかにしたことではないかと思っています。

日経

今の幹事社さんの質問と関連するんですけれども、その公約で掲げたこの2025年、稼ぐ力とか、あとその人財、財産の方の財、この文言がこの今回のキャッチフレーズの中では何となくちょっと薄れてる感じがするんですけれども、これはもうほぼほぼ大所、ムーブメント的なものは達成できたのでより細かいところに打ち込んでるとかそういう…

知事

それだけではないんですが、より包括的なものになったということだと思っています。人材の活用というのは、いわゆるチャンスの拡大ということで、例えば、今回特に打ち込んでるのは、漏らさないというんですか、取り残される人たちがたくさんいるという、最近の課題ですね。人材の活用だとか人材の育成というのは、幅広じゃないですか。それよりもより重点化したということです、弱い人たちに。取り残されかかっている人たちを底上げしようという、そちらの方に重点をシフトしてると。同じ人材の活用だとか育成にしても、自分たちでやっていく部分、例えばなくしたわけでも何でもないんです。例えば海外への留学生の派遣事業なんか、よりまたバージョンアップして冠付き奨学金だとか、企業の資金なんかを入れた奨学金なんかをどんどんやってるわけです。これは比較的強い人たちですね。自分で手を挙げて自分で勉強して自分で戻ってくる。しかし、それでも県はインターンシップを用意して、県内の海外に拠点を持ってるような企業とマッチングをさせて、また改めてインターンシップで海外に行ったり、あるいは国内だけども、国内で海外の人たちとお付き合いをさせたりとか、そういうことは今も続いてるわけです。今回の部分は、ある意味では平成に入って、バブルが崩壊して、それ以降、課題がずーっとなかなか解消されないまま、逆に、弱い人たちが増えてきているという、そういう認識です。そこをしっかり居場所を作っていこうと。こう言っては大変失礼かもしれませんが、社会的な戦力になっていただきましょうと。そういう考え方が出てるので、今までの人材の活用というようなかたちで包括的なものにはあまりしてないというかたちです。

埼玉

ちょっと関連するんですけど、そういった中で、次代を担う子供の支援というところに、やはり力を入れていこうという考えでよろしいでしょうか。

知事

もちろんそうです。

埼玉

今回やはり子供の支援にちょっとすごい力を入れてるなと見受けられたものですから…

知事

特に黙ってると取り残されてしまうという可能性が高くなる。そういう局面が多く出てきてると。まさに(十分な)食事をしてない子供がいる。なかなか信じがたい世界が決して少なくないという、この現況もありますと。あるいは、児童虐待に関しても、実の親が自分の子供、本当にいじめるのかと。一体何なんだろうと。なかなかこう想像できない人達がいるんですけど、現に起こっていると。悲惨な事態が起こっていると。とうとう、もう県警と児童相談所とうまく連携する程度じゃ間に合わないと。だから、瞬時にリアルに連絡が取れる、情報交換ができるという体制までしないと命が守れないと。そこまできてしまったという。そんなことが、やはり過去にはなかった。しかし、現にそれが出てきているということですので、これはしっかりやはり守りましょうと。子供たちを守りましょうと。守るだけではなくて、やはりはつらつした社会の中に溶け込んでいけるような環境づくりをしていこうと。それがやはりジュニア・アスポート事業でもありますし、子ども食堂などの支援にもありますし、とにかく、きちっと育成されておられる方々は、それはそれで大変ありがたいことなんですけれども、取り残されている人たちがおられる。これはやはり救っていくと。これはやはり断固、埼玉県、生活保護の子供が4人に1人また生活保護になるというこの実態に着目してアスポート事業展開したわけですけれども、もうこの流れはやはり埼玉県が全国を引っ張るぐらいの気持ちでやっていきたいなと思っていますね。

東京

関連で100年人生ということで、一見年配の方よりの政策が多いのかなと思ってみると、今おっしゃったように子供に関するものが非常に多いんですけれども、この100年という人生を見る中でもこの幼少期というのが非常に大切だという知事の…。

知事

そうです。はい。幼少期の体験というのはですね、後年に響くというのが一般的に三つ子の魂百までということわざがあるように、いじめられた人は人をいじめやすくなると、人に可愛がられた人は人を愛するようになると、こういうことはよく言われることです。輪廻と言うのでしょうか、思いがめぐってくるというんでしょうか。たまたま無視されたり、のけものにされている人たちも温かく迎えてくれるドームがあれば、その人たちは温かい心を持って育つ可能性がありますから。そういう人達はまた温かい人間に育っていくと。冷たいところでずーっと育ったら、やはりその方も冷たくなってしまうということがありますので、長い時間を生きるわけですから、できれば温かい空間で育って、温かい社会をつくる、そういう気持ちを持った大人に育っていくと。それがまたいい循環をつくっていくと。そういう考え方を持っております。長くなればなるほど、そういう意味では、基礎がより重要になってくると。

NHK

AIへの取組を今年度から始めて新年度は庁内だけでなくて外部にも広げていってますけれども、そのあたりのことをどのようにですね意識して予算を組まれたのかというところを教えてください。

知事

比較的県庁のスマート化は別にしても、それ以外のところでは、それぞれ使う人たちを支援するというかたちになってきますので。例えば、ビッグデータを活用した医療体制の検討についても、例えば国保のデーターベースをどんなかたちで関係機関の皆さんたちが使っていくかということで、例えば課題の見える化。このずーっと切れ目のないかたちで医療や介護のサービスが提供できるようにするために、何がボトルネックになってるかということを、逆にこうした国保のデーターベースでチェックができると。それに合わせた結果として、医療提供体制というのを見ることができると。したがって、県は、もちろん県にも医療機関はあるわけですけれども、全体としてデータベースを提供しながら、それを活用する人たちに提供をどんどん行うことで広めていくと。ものによっては、県のを使う方々もいれば、県のをベースにしながら自分たちで作っていく人たちもいると思います。そういう形で広がる端緒を県が先導するというのが、基本の役目ではないかなと思っています。

NHK

背景には、平成を終えてですね、新しい元号が変わる、新しい時代へのチャレンジという意味思いも含まれているんでしょうか。

知事

当然ですね。全く新しい分野です。AIやIoTとかこういった分野、特に自前で用意できるところはいいんですけども、そうではないところがたくさんありますので、そうしたところは、県が先行してやってる部分をある意味では援用していただくというのが大事ではないかなと思っています。

産経

今年いよいよラグビーのワールドカップの本番になりますけども、この大会を通じて、熊谷ひいては埼玉県を世界にアピールするために重要なことと、大会が終わった後もこの盛り上がりを活かして発展していくために、必要なことはどんなことがあるか知事のお考えをお聞かせください。

知事

ラグビーのファンというのは比較的長期滞在型が多いと聞いております。したがって、東京だけで帰ってしまうという人達ではない可能性が高いと。黄金ルートで京都奈良だとか、大阪とかというのもあるかもしれませんが、それにしても、まだ時間的に余裕がある可能性があるので、東京近郊で見どころのあるところはという、そういう切り口を埼玉へというかたちをとっていきたいと思っています。そのやりようによっては、改めて埼玉、今、実はここに来て、川越なんかも外国人の数が増えてきております。ひとたびこの流れができると、口コミでどんどん増えてきますので、少なくともラグビーワールドカップというのは、富裕層が長期滞在されると。この部分をしっかり捉えて、いわばローカルの良さというのを感じていただきたいなと思っています。いくつかのポイントはあります。例えば、長瀞のライン下りなんかもあまり世界に例のないものであります。あるいは川越の江戸時代のまち並み、また雄大な秩父の全体の風景等々、非常に見どころ満載だし、また、何よりも盆栽の世界の聖地もありますし、鉄道博物館も魅力的、いろんなものが埼玉にありますので、そうしたものをしっかりアプリなどでアピールできるような、そういう仕掛けをしていきたいと思っています。それからレガシーに関しては、やはり一番ラグビー場としての熊谷の優れたところは、全体が大きいということです。現時点においても日本のラグビー場の中では最も優れた(ラグビー)場だということですが、それに加えて、練習場が3つもあって、同時並行して選手の皆さんたちがそれぞれの練習場で練習もできるとか、あるいは全国大会なんかの予選とかをずっとやりながら本番で本戦になっていくとか、全体としてのキャパがでかいというのが熊谷スポーツ文化公園の特色ですので、この部分を最大限に生かすために何を本当にしたらいいのか、今もう研究中ですけども、しっかり研究してレガシーづくりに残したいなと思っています。

読売

今の質問と関連して、パナソニックが先日熊谷スポーツ文化公園を本拠地として使わせて欲しいという申し出がありまして、新年度予算でもラグビータウン熊谷という、ワールドカップが終わった後も閑古鳥が鳴かないようなラグビー場の周辺を盛り上げていくためにっていうこともいろいろ頭を悩ませられると思うんですけども、その中でパナソニックが来てくれるという見込みになったっていうのはどういう…。

知事

パナソニックワイルドナイツが、本拠地にするということは、日本を代表する強豪チームでありますので、非常に熊谷ラグビー場にとっては非常に大きなものだと思っています。元々太田市ですから、川挟んで、熊谷の皆さんたちも太田にも行っておられる。お互いに太田からも熊谷に来れるし。熊谷のラグビー場にも前橋や、あるいは高崎からも至近距離にもあるということで、ある意味では群馬県、埼玉県の共有の財産ともいえるものでありますし、熊谷の方々もなじみの深いチームでありますので、ストンと入っちゃうと言うのでしょうか。何か特別にどこからか来られたということではなくて、日常生活の中に元々入っておられるようなところがありましたので、それがきちっと陣地を構えられるということですので、今までだったら、いわばここ仮陣地みたいなかたちで時々来ておられたものが本陣地になるという、こういう位置付けになってきますし、また、このワイルドナイツがあることによって、他のチームなどを呼び込むことが非常にやりやすくなってくる。さらに秩父宮ラグビー場が一旦壊されるとオリンピックに向かって。そうした時期に代替機能として、味の素(スタジアム)もあるかもしれませんし、あるいは他のところもあるかもしれませんが、熊谷だってやはり代替機能を果たす可能性もありますので、そういう部分では熊谷の県営ラグビー場は、今後しばらくの間は存在価値が非常に高い可能性があると思っていますので、そういう存在価値の高い時に本物にしていくと。そういうことで、仮に新しく秩父宮ラグビー場ができても、全国から愛されるラグビー場として存在感を発揮できるようにしていくのが、一番いいのではないかなと考えております。

読売

他のチームを呼び込むことがやりやすくなると、今おっしゃいましたが…

知事

これは私もそれは詳しくわかりませんが、日本を代表するチームであることだけはよく知ってますので、当然本拠地であったり、アウェーであったり、お互いにやりあいっこをするわけですから。当然呼び込むと決まれば、アウェーで行ったりする時もあると。本拠地でやる時には当然相手側が来るわけですから。それだけ対戦も増えると。こんな理解をできるのかなと思っています。

朝日

今年の夏には選挙が、知事選があるわけで、もしかするとこれ最後の予算編成になるかもしれないっていうふうに可能性があると思うんですけども。なんていうか、やりきったっていうのは感想はお持ちですか。

知事

いやいやいや、毎回毎回、その都度その都度、全力を尽くしてやってますから。やりきったとか、やり足りないとかっていうのはありません。常にやりきっています。

読売

今回で多分16回目の予算編成になりますけども、点数をつけると今回何点ぐらい自己評価されますでしょうか。

知事

いつも85点と言ってるんです。90点と言うにはね、ちょっと自己評価が高過ぎるのかなと思いますし、80点以下にするとなんか寂しいので。私だけで作ってるわけでありませんし、みんなでやってますから。皆さんの気持ちも代弁すると、大体85点ぐらいが一番いいのかなと、いつも思ってます。

毎日

ちょっと予算編成ということで、歳入歳出のところでですね、歳入については県税収入の増加、緩やかな景気の回復で見込まれて、交付税の質も改善しているということで一見県債残高もちょっと止まるかなみたいなところがあるんですけども、一方でやっぱり社会保障の関連経費っていうのはどうしても高齢化によって増え続けていて、入りのプラスを上回るようなかたちになっていて、ここしばらくちょっと基金がですね、減少傾向みたいなところがあるんですけども、今後を見据えていったときにですね、どういうような、色々もちろん省くっていうことはされてらっしゃると思うんですが、財政健全化についてのお考えっていうのは、お聞かせていただけるでしょうか。

知事

国対地方というかたちでの地方財政計画の中では、全国知事会長として交渉の窓口の実質上のトップとして、国に対して様々な提案をして、地方財政計画の中では6,000億の増だとか、あるいは臨時財政対策債を大幅に減らすとか、そこそこの成果を得ることができました。ただ一旦、埼玉県というかたちに戻ってくると、いかんせん人口の多い県であります。それから、高度成長期にたくさんの団塊の世代の皆さんたちが流入した県でもあります。こうした人たちが高齢化の中で、どうしても医療費、あるいは社会保障費関連の支出が増えると。とりわけ、介護関係なんかの施設をつくるプロセスが多く、これには県の補助金なんかが出ております。一旦そういう建設需要が終わると、そうした支出が一旦減る。もちろん、その後にはまたある時期には、リニューアルだとか、あるいはまた再度また費用がかかったりする時が来るかもしれませんが、当面そういう福祉関連の社会保障関連の費用が出ていく時期なので、これはある程度やむを得ないのかなと思っています。そういう中で健全財政を維持しているわけであります。県がコントロールする県債は年々減らしている。その上で、社会保障費が増えていると。幸い税収が若干ずつでも増えているということと、それと不要不急のものをどんどん整理しながら、新しいものにどんどんお金を使っているということで、公共事業一般的に減らせば少しお金が出てくるということですけども、しかし、それもやはりこれだけ災害多い時代に、災害対応の公共事業と言うのでしょうか。これも非常に大事だということですので、これも一定程度の水準は保ってると。こと財政支出に関しては、非常にバランスよくやってるんじゃないかなと私自身は自負してるところです。できるだけ、まさに将来稼ぐ部分に関してはしっかり投資をして、そしてそうでないところは、できるだけ減らしていくとか、そういうことをとりながらバランスを取っていきたいと思っているし、教育の部門とか、あるいは先ほど話も出ました。児童虐待とか、負の連鎖みたいなところはやはり断ち切っていかないと将来負担が増えてきますので、やはり、しっかりとした青少年の健全育成が行われれば、それはまさに健全な社会への投資になっていきますので、そこはやはり惜しみなく、しっかりとやっていくべきではないかなと思っています。そこができていれば、ちょっと今苦しくても後は楽になると、こんなふうに思っています。

毎日

現状それほど楽じゃないけども、必ずや将来的には…

知事

そうですね。ここ4、5年ぐらいはどうしても介護施設なんかがどんどんできますので、それに対する補助金とか出してますので、そうしたものでどうしても需要が増える。やむを得ないのかなと思ってます。

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