平成31年、令和元年 > 知事記者会見テキスト版 平成31年1月8日

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掲載日:2022年1月26日

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知事記者会見テキスト版 平成31年1月8日

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平成31年1月8日(火曜日)

知事発表
平成31年知事年頭あいさつ

知事

新年ということですので、県民の皆様、あけましておめでとうございます。元旦から日和も良くて健やかにお過ごしのことと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年は埼玉勢、スポーツで大活躍がありました。何と言っても平昌パラリンピックで村岡桃佳選手が5つのメダルを取りました。そして、16年ぶりに設楽悠太選手がマラソン界の記録を塗り替えました。そして、最後にはレッズの天皇杯の優勝。あるいは、西武ライオンズが10年ぶりに優勝というかたちで、大変スポーツに勢いがありました。また、埼玉県も全体として勢いがありました。人口増加率なども、沖縄県を抜いて東京に次いで2番目になりました。そして、企業の本社などは入超、つまり純増で全国1位を直近の10年間起こっているところです。まさに、選ばれる県として埼玉県は着実に発展している、このように理解しております。こうした中、本年は「平成」という元号の最後の年になっております。5月から新しい天皇のもと、新しい元号がスタートいたします。改めて、平成30年間を振り返ってみます。1989年が平成元年ですが、御案内のとおりベルリンの壁の崩壊という、東西冷戦のまさに解消があった、平和の配当があるのではないかと思われたのですが、逆に民族や宗教の対立による局地戦、局地的な紛争が多くなりましたし、2001年のアメリカの同時多発テロが印象的です。日本においては、同じ1989年(後に「1991年」に訂正)にバブルが崩壊し、100兆円からの不良債権を生じ、それを解決するのに約10年近くかかりました。2008年にはリーマンショックがあって、世界中がとても困難な経済危機を乗り越えるために相当なエネルギーを使いました。2011年には、日本にとっては大変悲しい出来事がありました。東日本大震災です。その後も日本列島は災害列島化しておりますし、世界全体を見ても気候変動という大きな枠組みがあるように思います。そして、1989年のベルリンの壁崩壊以来、今まさに世界を安定的にリードするという国がなくなりつつあるような気がいたします。欧州にあっては、イギリス、フランス、ドイツが大方をまとめておったんですが、それぞれが揺らいでいます。中東の動乱は、今に始まったことではありません。アメリカと中国の対立は、まさに竜と虎がそれぞれ尻尾を噛みついている、今更離せないというような、非常に大迷惑な状況が世界に起こっています。ロシアも野心を決して隠そうとはしません。インド、アセアン地域においては、経済は発展しておりますが、どこかの国が盟主として全体をリードするというような国もございません。日本においても、まだまだ北朝鮮情勢をはじめ周辺国との整理、関係も十分ではありません。そのような中にあっても、経済はいざなぎ景気(後に「いざなみ景気」に訂正)以来の順調さだと言われています。確かに企業収益は順調です。困難な様々な危機を乗り越えながらも、低空飛行ながら大きく崩れないという状況はあると思っています。ただ、残念ですけれども、必ずしも企業の収益が国民に正しく分配されているという感じは、なかなかいたしません。その証拠に消費が芳しくありません。こういう状況でも、埼玉県は比較的地の利も恵まれて順調だということで、引き続き県政全般にわたって、大事なことを実践していきたいというふうに考えております。一つは、まさにこの地の利を生かして、緩やかな埼玉の経済を順調に育てていくことであります。企業誘致大作戦を引き続き行い、先端産業(創造)プロジェクトをしっかりと定着させ、一方残念なことは、富の分配という歪みの部分が子供の貧困というかたちで、様々なかたちで顕在化しております。こうした歪みを、これまでもアスポート事業などで全国に先駆けて展開してきたところですが、さらに深堀りをしてジュニア・アスポート事業、あるいはまたこども食堂などの多方面にわたる展開もしっかりと打ち込んでいきたいと思っております。さらに、今年はラグビーワールドカップです。明るい話題をしっかり打ち込んでいきたいなと思っています。開幕試合はもちろん埼玉でないことくらい分かっておりましたが、壮行試合がどこかであるということを聞いておりましたので、せめて壮行試合を取りたいなと思っていたところ、まさに運良く埼玉県熊谷ラグビー場で壮行試合を開催することができるようになりました。相手は、あの南アフリカです。オール日本対オール南アフリカ。奇跡の逆転劇と言われた、あの素晴らしい熱戦を再現できるかもしれない。大変ありがたいビッグプレゼントです。そして来年には、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックです。埼玉県は御案内のとおり、サッカー、バスケット、ゴルフ、射撃、非常に人気のある種目を会場にしているところです。これもまたスポーツの祭典ではありますが、一方で文化の発信のチャンスだとも言われています。文化の祭典とも言われています。埼玉県は日本の様々な文化をこの機会に発信していきたい、そういう要素が埼玉県にもあります。盆栽は埼玉県が世界のメッカです。これもしっかりしたアピールもしていきたいと思いますし、埼玉県には世界に誇るユネスコの無形文化遺産なども多くあります。そうしたものをしっかりアピールしながら、国際的に認められる日本にしていきたい、そしてまた埼玉県にしていきたいというふうに思っています。幸い、楽天トラベルによると、昨年の宿泊者数の上位、上昇中というのでしょうか、一昨年と比べての上昇率の順位が発表されたところですけれども、1位が沖縄県で、2位が千葉県で、3位が埼玉県に入りました。宿泊に弱い埼玉県と言われておりましたけれども、何と上昇率が3位まで食い込んでいるという、こうしたことも幸先のいいニュースだと思っています。人口減少という、少し寂しくなるような世界もないわけではありません。働き手が減る時代、日本のパワーが落ちるのではないかというようなことも言われています。しかし、物事は考えようです。働き手が減れば、その働き手をカバーするテクノロジーを発達させるAI、ITやロボットがその役割を果たす可能性があります。一番人口が減少する日本だからこそ、それをカバーする力が大いに発展していく可能性もあります。また、働き手が少なくなる時代だからこそ、比較的シニアの方や女性の方など大事にされる。つまりどちらかといえば買い手市場だった、資本と労働の関係でいえば買い手市場だった資本が逆に売り手市場になった労働ですので、働く人たちの価値というのがより大きくなるということですので、より人間らしく選択肢の広い働き方もできるかもしれません。そうしたことを念頭に置きながら、是非埼玉こそ、まさしく平成を超えるポスト平成の新しい時代をリードできるような様々な政策を展開していきたいと、年頭に思ったところであります。各市町村の首長の皆様方、県議会の皆様方、また本県選出の国会議員の皆様方並びに各種団体の皆様方とともに力を合わせて埼玉県を大いに盛り上げていきたいと思っておりますので、改めて今年もどうぞよろしくお願いをいたします。どうぞよろしくお願いします。以上、年頭の御挨拶をさせていただきました。

埼玉

今年はラグビーワールドカップというのもありますが、統一地方選、参院選、知事選と大型選挙が相次ぐ選挙イヤーでもあります。それに加えて今おっしゃったように、平成から新しい元号に変わるということで、まさに変化の大きい節目の年ということになると思いますが、例年とは違う特別な思いですとか何かキーワードのようなものがありましたらお聞かせください。

知事

例えば経済というのは、政府や地方自治体が大きく引っ張るものではないんですね。その証拠に埼玉県の予算1兆8,000億の中でいわゆる投資的経費というのは1,600億にしか過ぎない。しかし、埼玉県のGDPは22兆円。誰が稼いでいるんだという話になってくるわけですね。1,600億の投資的経費で稼げるわけはない。やはり民が主導する経済なんですね。では官は何をするのか。官は税収を通じて富の再分配をしていく、公正公平な社会をつくるべく多くの方にチャンスがあるように、どうかすると経済というのは富める人が富んでいって、貧乏な人はずっと貧乏なまま、チャンスのない人はずっとチャンスがない。それをよりチャンスが多い社会をつくるために、私は政治があり地方自治体があると思っています。そこをやはり基本のポイントにしていかなければならないと思っています。そこをポイントにしながら様々な分野を見ていけば、問題は全て解決していくんですね。それを私は時々「正道」なんていう、正しい道なんていう言葉を使っています。これは渋沢栄一翁が使っていらっしゃるんです。渋沢栄一翁も言っていらっしゃるんですね。しっかり経済で稼がなくてはいけないと。しかし残念だけれども、富は増せば増すほど貧乏な人たちが増えると。これは社会的実験の結果だと言っているんですよ。諸外国見ても、彼も悩んだと思うんです。ロンドン、パリの川の汚れ。大久保も伊藤も悩んだんです。煙突から吐き出る煙の汚さ。近代産業国家にするには、そういうものかと、嫌だなと。嫌だなと思ったんだけれども、植民地になるよりはいいということで近代産業国家の道に舵を切ったわけですね、当時明治維新の頃。それで富を創っていった。だけど貧乏人は山ほど増えた。それをきちっとチャンスが与えられるような社会をつくるのが正道だと渋沢栄一翁は言われていたんですね。同じことを、今の時代は起こっているんですね。日本は最も世界の中で富の再配分に成功した国だということを、1990年の頃のOECDの報告では言われていたんですね。でも何と子供の貧困率、何とOECDの加盟国の中で最低になっていると。(後に「平均を上回っている。」に訂正)一番いい国だったのがそうでもなくなったということですので、やはりこういったところに焦点を当てながら富を創造していくことが大事かなと思っています。

埼玉

あともう1点お伺いしたいのですけれども、新年と言えばテレビ埼玉さんの恒例の埼玉政財界人チャリティ歌謡祭が挙げられると思いますが、人気番組ですので、知事は大トリを務められて、「われ出陣に憂いなし」ということで武田節を熱唱されて、盛り上げてらっしゃいましたけれども、この歌をどのような思いで歌われたのでしょうか。

知事

大体、追い込まれて10月ぐらいになると何にしようかということで、時々カラオケの席なんかがあったりして、私がカラオケのメンバーでなくても他の方々が歌ってらっしゃって、歌ってらっしゃる方の中で、「あ、あれがいいな」と思ったものをいつも選んでいます。ここ3~4年ぐらい。なかなか思い悩んで、秋口ぐらいから「うーん」と思いながらも出てこなくて、たまたま歌っている人がいて、「うん、これなら自分でも歌えるのではないかな」と思って歌ってみたら歌えたので、「よし、これだ」と思っただけです。あまり難しいことは考えておりません。たまたま戦に備えるような歌ですから。テンポもいいのですよね、「おのおの京を目指しつつ」なんてね。替え歌にしたかったくらいです。武蔵節とかね。でもそうするといけないらしくて。私的には「武蔵節」と言いたかったのですけれども。できなかったです。その程度です。違う歌があったらそれになっていたかもしれません。

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幹事社質問
今年1年の抱負と優先的に取り組むべき課題について

埼玉

改めまして、今年1年の抱負と優先的に取り組むべきとお考えの課題についてお聞かせください。

知事

実はこれは国の課題なのですけれども、これからの大きな課題はまさに人口減少、今の社会保障制度や医療制度というのは、どちらかというと高度成長時代に作られた制度なのです。つじつまが合うわけないのです。だから、永続的に持続可能な社会保障制度に切り替えなければいけないのです。まだやっていないのです。そのために社会保障と税の一体改革というかたちで、民主党政権時代の野田内閣の時に3党合意、自民党、公明党、民主党で、それをやることできちんと国民に信を問いましょうということで解散の約束をしたわけです。これはまさに喫緊の課題なのです。制度の多くが国の制度になっていますので、我々も限界があるのです。限界があるのですが、少なくとも国民健康保険の部分は県と市町村に任されています。この部分に関しては、私たちは当事者として頑張っていかなければいけない。例えば、糖尿病一つにしても、普通の糖尿病だったら年間50万円ぐらいの治療費です。でも透析患者になったら週に2日か3日は4~5時間透析を受けなければいけない。おまけに年間5~600万円の費用がかかる。もちろん本人にかかるわけではありません。保険がありますから。しかし、総体としてそれがかかっていることは事実ですので、それは全ての方の負担になるわけですから、できれば50万円程度で収めていただきたい。では、重症にならないような仕組みにするにはどうしたらいいのですか。糖尿病の人のレセプトがありますから、そのレセプトを見て一人ひとりに「危ないですから、こういうことに気を付けてください」ということを連絡したり、あるいは診察を受ける時に「こういうプログラムをやってください」とか色々なことをやることによって、透析患者にならないようにする。まさに重症化対策。これは埼玉県が一番最初に大掛かりにやっていますので、政府の骨太方針の中にもわざわざ埼玉県の糖尿病重症化対策というかたちで、例として入れていただいたということです。それで日本医師会と埼玉県医師会と埼玉県がお互いにデータを交換しましょうということで協定も結んでおります。埼玉県医師会だけではなくて日本医師会ともです。そういうことを地道にやっていって健康長寿な国家にしていく。そして、少なくても医療に関して我々ができる国民健康保険分野、この部分ではより安定的な運営をして、医療費を減らして、健康になっていただく。そういうことが持続可能な社会保障制度だし、もちろん年金制度などにもメスも入れなければいけないと思っています。これは国のやることですけれども、我々はその部分は全く関与できない部分ですので、我々にできる部分はどんどんやっていこうと思います。それを実際、全国知事会でも横展開しようということで現在進めているところでもあります。いずれにしても、大きな流れとして、やはりグローバル化という大きな流れはもう避けがたい。保護主義などはナンセンスな話だと私は思っております。デジタル化も大きな流れ。これもやはり厳粛に受け止めながら、このデジタル化に関わる様々な機器やソフトウェアを私たちはしっかり開発したり、場合によってはうまく活用しなくてはいけない。その上で、持続可能な社会保障制度、あるいは持続可能な社会経済政策をやっていかなければいけない。これは気候変動などにも繋がっている話です。こういったことを地方自治体という一つの中では限界がありますけれども、一つ一つこなしていきたいなと思っています。それはできるだけ趣旨を徹底して、やったふりではなくて答えを出していきたいと思っています。

埼玉

今の段階で、この点を予算編成で特に力を入れていきたいとか、そういったお考えというのは何かありますでしょうか。

知事

アスポート事業の流れは埼玉県が開発した、まさに生活困窮者にどんなチャンスが与えられるのか。私たちは支える側であって、何か強制的に引き上げるとかそういうものではなくて、どんな人にもチャンスはありますと。どうしても生活保護世帯で高校に進学もしていない。卒業もしていない。故に将来の就職戦線において不利を被っている。場合によっては就職が十分でないままに、そのまま社会生活に入って、またもや生活保護になっていくというような、こんな負の連鎖なんていうのはとんでもない世界だということでアスポート事業を展開しました。これは国も非常に評価されて法律にもなりました。オール日本で今、展開していただいております。でも、それは中学・高校は私たち支援していましたけれども、小学校にも課題があったということですから、今ジュニアもやろうということでやり始めました。そんなことをやっているうちにこども食堂の展開が出てきました。これも人為的に誰かがやり始めたというよりも、自然発生的に出てきたような話です。やむにやまれぬ思いみたいなものがどこかで生まれてきて、多様なものが生まれていますので、これも側面的に支援したいなと思います。例えば、大手の食品会社。埼玉県は食品加工では全国2位の県でもありますので、いわゆる余った食品等があればこども食堂にまわすとか、そういうのはこども食堂にはできないけれど、県にはできます。そういうことのお手伝いをしたい。そうすることでチャンスがみんなに生まれてくる。そういことはしっかりやっていきたいと思っています。もちろん、予算全体ですので、公共事業もあれば福祉事業もありますし、諸々あります。ただ、たまたま埼玉県で始まったアスポート事業なんか、この発生的なものはしっかり、「さすが埼玉県ですね」という感じで、しっかりとモノにしていきたいという感じにしたいなと思います。

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その他の質問
全国知事会長として取り組みたいことについて(1)

朝日

今の質問につながるかもしれませんが、2019年に全国知事会長として特に発信したり、力を入れて取り組んでいきたいことはどのようなことでしょうか。

知事

幸い、年末の予算編成時における地方財政計画関係全て、色んな意味で地方側が望んでいること、全部クリアできる交渉が政府との間でできました。例えば臨財債。7,000億円減らすことができました。地財計画において、確か前年比で相当増やすことができました。また、幼児教育・高等教育の無償化問題でも六団体と協力して様々な交渉の結果、結果的には私どもが要望していることを政府が認めてくれるというかたちになりました。課題はいっぱいあります、もちろん。課題はいっぱいありますが、大方認めていただきました。実は全国知事会、7月の段階で少なくても知事会の会長として自分の方針を皆様に提案して了承していただいた案の中で、非常に具体的なことでは、健康立国を掲げております。先ほどもちょっと一部触れておりますが、47都道府県それぞれ良いものを持っておられるのですが、真似っこはするのです、お互いに。いいとこ取りみたいな。しかし、全部心を合わせて一緒になってやったことはほとんどないのです。今度は真似っこではなくて、ピックアップをして、集約して、良いものをきちんと全体でやりましょうと。そうすると、ぐーんと日本の底上げになるではないですかということの中の一つには、先ほど申し上げた糖尿病の重症化対策もビッグ3の中の一つに入っています。あと薬品なんか(後に「医薬品」に訂正)の使用についての適正化も一つ入っています。薬の飲み過ぎ、買い過ぎはやめましょうという話であります。どうすればそれが適正化できるかということについても、今プロジェクトチームでやっています。こういうことを全国47都道府県でやっていることの中で、良いものを全部ピックアップして、展開しやすいものを整理して、まずはビッグ3を決めて、そのビッグ3からスタートしますが、それ以外にも、その次の難解なものを今、整理しております。高知県の尾崎知事の下でその整理を行っているところですけれども、今までは「埼玉県で良いことやったね。ではこれを少し真似っこしようか」とか、「どこかで良いことやっているね。ではちょっと真似っこしようか」とかいうことでお互いに情報交換したりしながら、良いものを学び合ったりしておりました。でもそれだけでは間に合わない部分がありますねということで、今度は一緒になってやりましょうと。いくつか決めて。その体制は過去になかったことですので、全国知事会の会長として自分の役割は、そうした横展開の結果をきちんと示して、政府にお示ししながら、そして政府に協力もお願いして一緒になってやっていこうという、それを私は国と地方の責任の共有という言葉を使わせていただいています。今まで我々は要望ばかりしてました。でも、責任も共有しようではないかということを言っております。それでもう一つ、何とか半年ぐらいかけて、今年の7月に全国知事会の夏の大会をやる予定ですけれども、それまでに、もちろん、それまでにということはそれ以前にということにもなるわけですけれども、いわゆる防災事業。どうしても政府的にはハード事業が多くなってくるのですけれども、景気対策も兼ねて公共事業にかかる防災事業が多くなってくるのですけれども、我々は復旧・復興というものがいかに困難かということを、東日本大震災一つ見ても見ております。あるいは熊本地震でもそうです。だから、より早く復旧・復興ができるようにとか、より正確に原状に回復させることが可能になるようなことを意識した事前復興・事前復旧。このソフトとハードを作り上げてしまおうと。それで我々だけでは知見が足りませんので、国の力や国を通じて関係者の力を借りてその枠組みを作ってしまおうと考えております。以前、話したかもしれませんが、東京ガスの配管は、かつてはアルミ管(後に「鉄管」に訂正)とかそういうものだったのです。だから、ボキッと折れればもうそれで終わりという感じだったのですが、今は全部、よく材質は知りませんが、折れない、それから壊れないというか、割れないというのでしょうか、非常にぐにゃっとしたもので、要するに色んな圧力に強い機材を使ったパイプ管にして、本管が全部出来上がっているんですね。関東一円。(後に削除)それがまさに事前復興なんですね。元栓さえ止めておけば、もう本管はきちっと残ってるから。あと支管の方をきちっと見ていけば、OKが出ればどんどんガスは使えるわけです。復旧のスピードは早いわけです。復興のスピードが早くなるわけです。これもハードの部分です。そういうハード、ソフトをもう少し丁寧にいくつかピックアップしてやっていけば、もっと早くできるのではないかと。津波が来てしまった後に一生懸命高台を整備して復興住宅を造ってる。最初から、もしこの場所が高波で全滅した時にはどこを使おうということを決めていれば、さっとできるわけですね。そういうことなんかが事前復興の考え方なんですけども、そういうことを少し整理してやろうと。大きな枠組みの中でですね。これもしできれば、画期的なことになると思います。もちろん半年でできるとは思っていません。ただ大きな枠組みは作れるのではないかなと思っています。それをどんどん肉付けしていって、もうたぶんその辺からは全国知事会の枠を超えて政府の力だとかを借りながら、専門家グループなんかできちっとやっていかなければいけないと思いますけど、でも、土台作りには我々全面的に、現場を持っているのは我々ですので、現場の声をしっかりそこに反映させてやっていこうかなと思っていますので、こんなところが知事会の会長としての私自身のリーダーシップというんですか、ところでしょうか。皆さんと一緒にやっていくことですので、何か株主総会で選ばれた社長とはちょっと違うので、互助会的なところの会長ですから、皆さんの了解を得ないとできませんのでね。

朝日

その枠組み作りがこれから取り組んで…

知事

もう既に(検討は)やっています。

朝日

既にやっていて、いつまでに…

知事

秋までではなくて、7月の知事会で発表したいと思ってますので、多分6月までぐらいに大枠では完成しなくてはいけないのかなというふうなスケジュールかなと思っています。これはもうこれからの防災は一般的にね、防災・減災という言葉を使ってましたけど、事前復興・事前復旧なんて言葉は初めての言葉だと思いますし、しかしこれが主流になると思います。

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新年度予算について

産経

年も明けて新年度の予算を詰めていく時期だと思うんですけども、その予算の中ではどんなことが中心になってきますか。

知事

今年度の?

産経

新しい年度の予算については、どういったところが中心になってくる…

知事

昨日から実は内部的に始めたところです。これからきちっとやっていかなければいけないのですが、大きな方針はもう既に立てておりますので、その方針に従って各部各課で出してきているルーティーン的なものがあるし、ルーティーン的以外のところでは以前御説明をしましたように、大きな枠組みの中では、1つは賢く省くというものがあります。これは1番最後ですけども…2つ目か。3つ目は財政規律。1つ目は1番大事なことですが、スマート社会という大きな枠組みをやっていく。先ほど申し上げた、グローバルな時代、デジタルな時代、こうした大きな枠組みを踏まえてまさに賢く県民生活を行っていくために、どういう賢い例えば道路づくりがあるのか。どういう賢い橋梁のやり方があるのか。どういう賢い福祉政策があるのか。やはりそういう新しい目でどんどんどんどん見てもらいたいというのがあります。その中にまさに省くと。つまり、省くということはより重点化するということでもありますから、何を残すんだという本質を見ていかなければいけないと。また改めて、元々本質は何だったんだろうと。こういうことがありました。食育の(後に「食をめぐる」に訂正)作文コンクールというのがありました。うっかりしてると、うちのお母さんの料理はおいしいねという作文だったんですね、優秀賞が。でも、考えてみると小学生に食育(後に「食の安全」に訂正)という枠組みで作文を募集すること自体もいかがなものだったんだろうと。本質的にね。だからついついお母さんの料理のおいしさの話になったり、おばあちゃんの弁当の話になったりして、ちょっと食育(後に「食の安全」に訂正)とは関係のない話になっていたと。でも作文としては中々非常に優れた作文ですからいつの間にかそれが表彰の対象になってくる。でも食育(後に「食の安全」に訂正)じゃないねって。あれ?と。いつの間にか食育(後に「食の安全」に訂正)が家庭の食事という親子の触れ合いみたいな形になってたりするので、これは違うねということでよくよく考えたらやはり違ってたと。じゃあ、これは省こうねという話になってくるわけですね。小学生向けじゃないねと。もしやるとすれば小学生以上の話で、場合によっては社会人かなと。少なくとも高校生以上かなという感じになってくるかもしれません。そういうことが見えてきますね。案外そんなのが平気で気づかないままスタートしてるんです。それで年度で終わりますので4月から始まって3月までで終わるというのが日本の社会の構図ですから、みどりの作文コンクールを仮に4月に募集して、精査して9月か10月ぐらいに決めて、表彰するなら何か12月になってしまったりしてね。みどりの作文のコンクールの表彰式の時には枯葉しかないと。何かやはり緑に囲まれたような感じにできる方がいいねって感じがしますよね。でも、スケジュール的にはそうなっていると。年度をまたぐわけにもいかないと。そうすると何か一捻りまた必要だねということも出てくるし、色んな事がよくよく考えていくと、元々の本質は何かななどというのを丁寧にやっていくと、まさに賢くなって省くことができるようになってくるんですね。それで、本当のことができるようになると。そういう方針で各課がどんどん出してきていますので、それをしっかり精査してやっていきます。

産経

元号が変わるということがあると思うんですけども、それに関連して考えている何か施策とかは…。

知事

元号のことに関して何か新しくこの政策的なものは用意しているわけではありません。ただ、印刷ものだとかそういったものとかはどういったふうな形で整理するかとか、そういう手続き上のものについては、できるだけ県庁と関係している仕事関係の皆さんとの関係の中では、迷惑のかからないようにしなければいけないなとは思っています。

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東京2020パラリンピックの聖火リレーについて

埼玉

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会がパラリンピックの聖火リレーについて47都道府県で採火式の実施を目指すと方針を固め、なおかつ聖火リレーでは埼玉県を通るということですけれども、この件に関する知事の受け止めと、コンセプトなどどのようなものにしていきたいかということがありましたらお聞かせください。

知事

パラリンピックの組織委員会の中(後に削除)では、オリンピックと違って聖火リレーそのものは47都道府県回るのではなくて会場県の4都県だけに絞るということで、埼玉県も入っていることは大変ありがたい、名誉なことだと思います。では他の県は何もないかというとそうでもなくて、様々なイベントをやってくれということで、逆に聖火リレーがない分だけどうすればパラリンピックを盛り上げることができるかということに関して工夫のしどころが出てくる可能性がありますので、我々はそれに負けないように聖火リレーは聖火リレーできちっとやって、それ以外に何といっても平昌パラリンピックで村岡桃佳選手に代表されるような素晴らしい選手がいらっしゃるわけですから、なんとかオリンピックの熱気というんでしょうかね、その成果といいうか、それをさらに繋げて盛り上げるために、聖火リレーだけではなくて、今度はそれ以外のイベントをどうしたら盛り上がるかということに関しては色々やっていきたいなというふうに思います。逆にリレーのないところは相当色んな知恵を出すでしょうから、何とかその辺の情報を仕入れて埼玉県にふさわしい様々なイベントを、様々なのか少々なのか分かりませんがやっていきたいと思います。もちろん、関係団体ともよく相談しなければいけないかなと思います。

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全国知事会長として取り組みたいことについて(2)

共同

先程、全国知事会として取り組みたいということの話の中でおっしゃられてた話で確認なんですけども、後半におっしゃられた事前復興・事前復旧に関してなんですけれども、これは知事会として今、何か作業部会みたいなものを作ってらっしゃるということなんですね。

知事

そうです。

共同

それを土台にしてある程度方向性を出すのが6月ぐらいになる…

知事

そうですね。概念をもっとしっかりさせたいなというふうに思っています。新しい概念ですので、事前復興とは何物だと、事前復旧とは何事かと、例えばの例だけ出させていただきました。これはやはりソフトもありますので、ハードとソフト、その考え方の整理をしっかりして、こういうことが事前復旧であり事前復興なんですと。ソフトではこうですねと、ハードではこうですねと。事例としてこんなことが考えられますと。実はその事例としてこんなことが考えられますけども、関係者を集めればもう山ほどあると思うんですよね。それをやはり詰めていく作業が多分出てくるのではないかなと思います。そうすると今までの防災・減災の様々な施策というものが、より密度が高くなってくると思います。精度が高くなって費用が安くつく可能性があります。当然、物を作るときに、もし被災を受けたときにはこうなるだろうということを予測して、こういう作り方をしてた方が被災が少なくて済みますねと、復旧が早く済みますねとか、復興が早くできますねということで。そうすると、もう物の作り方も変わっていく可能性がありますよね。これまでこうだったけどこれからはこうあるべきだとか、そういうところまでやっていけば、場合によっては総費用そのものが安くついて、復旧・復興にお金もかからなくなってくると、お金はかかるけども遥かに少なくても済むとか、そういうことも可能になってくるので、いわば常時災害がある可能性もある時代に突入しているということで、そうした考え方でやってた方がいいのかなということで、ひょっとしたらひょっとで大化けする可能性もあるかなと思っています。我々はそんなふうに今思っています。

共同

そういう防災・減災をより前に進めるような概念というのを、もうちょっとその概念自体も整理しながら、知事会の方でお話し合いをされた上で、国なり関係団体なりというのを巻き込むような形で…

知事

そうですね。国の知見と国の関係機関とでやはり精査してもらえば、もっと隙間を埋められると思いますね。

共同

というような形に今、今後なっていけばというような期待を持たれている…

知事

そうするとこれもう知事会の問題ではなくて日本国の問題として全部スマートにできるようになると。これもスマート社会といえばスマート社会なんですよね。賢く準備をするというか、同じように道路を造るのも、もし地震がマグニチュード8以上になった時にはどういう道路状況になるかと、多分こうなるだろうと。では、こうならないようにするにはどうしておけばいいのか。こうなった時でもこういうやり方だったら早いぞとか、そういうものを全部準備していくという、そういう考え方ですね。工事そのものも変わってくると思います、そのうち。一気にはできないかもしれませんが、新しく造る場合はそういう工事でやっていきましょうとかということでいけば。多分、今でもあるんですね。こういう工事をした時にはあまり崩れなかったけども、こういう工事をした時は崩れてるとか。あるんですね、橋梁なんかでも。橋梁のやり方、橋のやり方でも、より崩れた橋と崩れなかった橋というのももう実験されてるんです。だからできれば崩れない橋梁にするとか、そういうことをどんどんやっていけば、集積していってやっていけば、日本はまたそれを1つの安全対策・安心対策にもつながるし、場合によっては世界中にそれをまた広げる、そのこと自体がまたビジネスにもなるというチャンスが生まれる可能性があるかなと思いますね。

共同

それをじゃあ実際知事会としては実際に被災された自治体、都道府県とかからそういう事例とかを吸い上げて、もうちょっとその概念を詰めていくというような。

知事

はい。

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選挙への関わり方について

産経

選挙イヤーということなんですけども、年末年始様々な方々とお会いされたと思うんですけども、その中で統一地方選の関わり方だったりとか知事選について何か考えたことはありますか。

知事

まあ、様々ですので。まさに様々ですね。

産経

様々なことを考えて…

知事

むにゃむにゃ回答になります(笑)

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(終)

お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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