平成30年 > 知事記者会見テキスト版 平成30年8月21日
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掲載日:2021年8月17日
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埼玉県・蓮田市総合防災訓練(第39回九都県市合同防災訓練 埼玉県会場)の実施について(PDF:962KB)
知事
今日は第39回九都県市合同防災訓練 埼玉県会場、今回は蓮田市の総合防災訓練を行います。会場が蓮田市になります。この内容について、県民の皆様にお知らせをし、防災訓練の中身を見ていただき、また場合によっては実際、体験をしていただいて、これからの様々な災害に備えていただく一つの契機にしていただければありがたいと思います。それでは改めて申し上げますが、防災関係機関相互の顔の見える関係の強化。自衛隊、警察、そしてまた行政、あるいは病院、消防等々の色々なかたちでの関係機関の皆さんたちがより密接に顔の見える関係を強化していきましょう。そして、何よりも自助・共助が大事ですということで、そのためには知識の向上も必要ですということで、こうしたものを目的にしています。8月26日、日曜日9時から12時まで。メイン会場は蓮田市総合市民体育館パルシー周辺。また、他に市内9か所の会場がございますが、メイン会場が蓮田市総合市民体育館パルシーの周辺になります。主催は埼玉県と蓮田市。参加機関は消防、警察、自衛隊、DMAT、医療機関、自主防災組織、民間企業、ボランティア団体など157の機関・団体で、大方の参加人数は約8,000人と見込んでいるところでございます。ラグビーワールドカップが来年行われますが、事前ポスターには災害に負けないチームワークということで、このようにラグビーの選手たちをモデルにしたポスター・チラシができています。
今年度の主な訓練内容でございますが、深谷断層帯、綾瀬川断層を震源として、蓮田市内で震度6強の地震が発生したということを前提にしております。救出救助エリアにおいては、家屋が倒壊したと。初期の救出救助に関しては、地域住民と地元企業の協力体制の中での共助を強調した救出救護のエリアがございます。また、いわゆる多重事故、車のですね。この際、救出救助訓練ですが、これはなかなか簡単ではありません。車の中に閉じ込められた人などを引っ張り出すには機械が必要だったりしますので、まさに民間のレベルではなかなか難しい。消防、自衛隊、警察部隊の連携によって車内に閉じ込められた人であるとか、下敷きになった人などを速やかに救助する。そうした公助の部分。そして、ライフライン。例えば、電気が停電になった。そういうライフラインの復旧などをしなければならない。これは事業者が中心になって行うことでありますが、その事業者の迅速な活動の現場を見ていただく。こういうものになります。
そして、まさに先ほど申し上げました体験コーナーがあります。例えば集中豪雨で川の水が溢れて、あるいは用水路等の水が溢れて玄関先まで来たときに、水はピークがあって、あっという間に増えて、あっという間に少なくなったりします。そのあっという間の間だけでもブロックする方法が色々あります。プランターを使うとか、あるいは土嚢を使う。土嚢などは普通の家にはございませんが、ポリバケツと言うのでしょうか、ポリタンクなどがあったりします。それを使う方法とかですね。あるいはゴミ袋を2枚重ねて、その中に水を入れて縛って、それを玄関先に置くとか、そういう様々な手法があることですので、是非ここでは住民の皆様に体験をしていただきたい。それから、火事に巻き込ませた時に、どのようにしてその火事のエリアから煙が出てきた時に、煙の中をうまく突破する方法などについても体験ができます。一度でも体験をしたりし、あるいは見たりすることで、何かの時に思い出して、よりリスクを低くすることが可能になります。また、給水活動などをやっている部隊がありますので、そうした所にも参加していただいて色々な体験をしていただきたいと思います。さらに、帰宅困難者の対応訓練なども行っておりますので、様々なかたちで訓練に参加することで、必ずしも全部が全部覚えられるわけではありませんが、何か1つ2つ身に付けておくと、非常に何か災害時においては直感力、あるいは反射能力、そういったものを高めることになります。
訓練会場一覧は、蓮田市のホームページや、また、蓮田市の広報紙などでアピールされているところでございますが、同じ蓮田市内の小学校、公民館等々で用意をされています。
この機会に、また改めて命を守る3つの自助についてお願いをしたいと思います。家具を本当に固定していますか。大きな揺れの時には高い家具はひっくり返ったり、中身が飛び出したりしますので、しっかり家具を固定していただきたいと思っております。そして、最低3日分以上の水・食料の備蓄をやっておきましょう。1日に1人3リットル必要だと言われております。こうした3日分以上の水・食料を備蓄していただき、半年に1回ぐらいは総入れ替えをしていただくことをお願いをしたいと思います。また、災害用の伝言サービス体験も是非お願いをしたいと思います。ダイヤル171の災害用伝言板。こうしたものをしっかり体験していただきたいと思っています。家族がどんなかたちで今無事なのかどうかというのが大変気になるところであります。無事であることが分かっていれば、無理をして帰宅する必要もなくなったりします。家族が安否が分からなければ、無理をしてでも自宅に戻るお父さん、あるいはお兄さんなどがいて、まさにその方々が安全な場所から危険な場所に移る可能性がありますので、そうしたことが起こらないように、お互いに連絡が取れるようにしておこう。埼玉県イツモ防災で、こうしたことについてのヒントが色々な形で提供されていますので御理解を賜りたいと思っています。また、この九都県市の時期の各地区の防災に関しても、さいたま市の総合防災訓練、熊谷市の防災訓練、あるいは東松山市の防災訓練は8月25日。8月26日には日高市役所。9月1日には深谷市役所。あるいは9月2日には坂戸、9月9日には本庄というかたちで、それぞれの市町村においても最小限度の防災訓練が行われていますので、市民の皆様には是非、参加しなくてもちょっと眺めると。場合によってはお昼ぐらいに行けば、お昼に行ったらもう終わるかもしれませんが、11時ぐらいに行けば、早めの昼飯にカレーライスがいただけるかもしれません。以上、報告を申し上げます。
朝日
基本的なところですが、この想定どおりの地震が仮に起こったとして、指示系統というのはどのようになっているのでしょうか。首長が各自治体にもいるわけですけれども、指示系統というのは一本化されているのでしょうか。
知事
基本的には市町村長がそのエリアに関しては中心になっていきますが、当然、私どもにも救助の要請等があります。例えば自衛隊の派遣の要請であるとかですね。それからDMATなどは市町村にございませんので。あるいは防災航空隊の組織も県でございますので、当然、我々の方により大きな枠組みを持っている埼玉県の方に話が入ってきます。そして、我々のエリアを超えるような自衛隊の派遣等が必要である場合には、もちろん現場の判断も尊重しなければいけませんが、我々も即時に判断をして自衛隊の要請などを行ってまいります。そのようなかたちできちっとした体系立ったかたちでの災害の救助体制等々を行っていきます。
朝日
そうすると一義的には、起こった場所の自治体の首長が…
知事
当然そうですね、そのエリアにおいては。ただ、全体的には県でやっていきますし、また、大規模災害になってくると一部、場合によっては国、また大きな枠組みの中での支援体制等々が出てきます。基本的には都道府県単位で行ってまいります。
朝日
最近、水害が目立つのですけれども、県内の水害に対する対策については十分だとお考えでしょうか。
知事
今まで起きた部分に関しては、基本的には常にクリアできるようにしております。ただ、これから起きることに関して、それを超えることに関しては、なかなか難しい話になってきます。過去に起きたこと、例えば去年、一昨年の越谷の新方川での氾濫がありました。あのレベルだったら、もう1年後に改修をして嵩上をしておりますけれども、防ぐことができる。昨年の富士見、川越エリアでの水害。まだ整備の途中でありますが、この整備が完成すれば、あのレベルにおいては災害が起こらないブロックができる状態にしていきます。常に我々の中身というのは、過去に起きたものについては絶対にブロックできるという、そういう仕組みづくりだけはしています。ただ、ひょっとしたら1時間に300ミリの雨が降るかもしれない。その時の想定雨量は、想定の全体の水の量はこうだから、ここまで嵩上をしなければならない。住民の皆さんたちに床を1メートル上げてくれとか、これはなかなかできない話ですので、過去に起きた部分だけはきっちりブロックしようという、これが防災の基本の備えであります。
朝日
生後8カ月の長女に凍傷を負わせたとして、草加市の24歳の母親が保護責任者遺棄致傷の疑いで逮捕されました。今回の事案について、関係する機関の連携についての知事の所見と、どのような課題があると考えているのか、お聞かせください。
知事
時系列的に追いかけていくと、この事案は医療機関から昨年の7月10日の時点で母親の挙動に関して難点ありというような通告が児童相談所に入っています。一般論で言うと、赤ちゃんを抱えたお母さんはマリア様みたいな顔になる。そのような慈愛に満ちた母親になるのが一般的にでありますが、何か他人空をしていたと。おやっと。んっというような調子の印象を受けられたので、医師から関係の児童相談所に連絡があって、要注意だというような判断を児童相談所と市が常に毎月1回訪問する仕組みにした背景があったそうであります。その中で、訪問をする中で様子を見ておって、その時点での状態では、いわゆる虐待的なものが外傷的には見られなかった。そういう状況が続いて、一番直近の受診においても、医療機関で定期受診も月に1回やって、母親もそれは守って来ていただいていて、12月20日まで続いておったと。その間は何もなかったと。事案は1月13日から14日にかけて母親が幼子を自宅のトイレに放置したと。それで15日に医療機関に見ていただいたら、凍傷や若干の傷、痩せていたとか、そういう実態が分かって児童相談所に通告があったと。そこで同日に女子を一時保護して医療機関に入院させて、児童相談所から警察に通報して、これは明らかに虐待事案だということで、それで1月から警察で丁寧に捜査をされて、8月13日に逮捕と。このような事態になったわけであります。この間、何とか防げなかったのかというのは常にございます。後知恵的にも何か方法がなかったのかというかたちで、色々、児童相談所や担当課のメンバーもあらゆる角度から検討はいたします。例えば、この毎月の訪問の中で、そういう可能性について見抜ける眼力がもしあったならばとか、仮にあったとしても、踏み込むので子供を引き離すまでのことができるような状況があったのかというと、そこまではなかったと。例えば、近所の通報でしばしば泣いているとか、外傷があってこれは明らかに虐待事案であるとか、そういったところまで至らないので、そういう意味では、やはり24時間見張っているわけではないので、たまたまの事案で一時の感情でぶん殴って死亡させた事例もございますけれども、やはり今回に関しても、結果としては身内の方から「これはひどいではないか」というかたちで、病院に行くことで分かったと。本当に13日の次の次の日に病院に行ったということで、本当に危ないところだったと、こんなふうに思っています。課題はもう既に警察や、今回の事案でも分かりますように病院の医師が変だなと思ったら、念のために児童相談所に連絡をし、児童相談所と当該市役所のメンバーが毎月1回訪問し、念には念を入れてチェックはしていると。その上でも24時間一緒に暮らしているわけではありませんので、事態が起こったりして、その事態の後もまた病院から通告があって早速保護をしたということ。それからまた警察との連携の中で、最終的には逮捕に至ったと。一連の中で着実に児童相談所、それから市町村の担当課、そしてまた警察との連携、あるいは医療機関との連携というのは少しずつ緊密になって、連絡がいい体制にはなってきていると。まあ課題は、定石どおりきちっとやるのが、まず一番だと思っています。これはそれなりにできていると思います。問題はやはり、眼力と言うのでしょうか、直感力。医療機関の先生が「何か変だな」と「このお母さん変だな」と、やはり見抜く力ですね。こういうのが大事なので児童相談所の職員、あるいはまた各市町村の担当職員などは、より磨かれる人材として経験あるいは研修、そしてまた一定の年月を現場に入って蓄積されて、その上でこの直感力だとか眼力というのは身に付くのではないかと思いますので、こういうものを身に付けていただくと。定石というかルールはそこそこでき上がっていますので、やはり眼力とか直感力みたいなものが、これからの人材育成の課題なのかなと思っています。
朝日
連携はある程度うまくいったというふうに…
知事
そうですね。今後またより深い情報の共有も可能になりますので、さらに緊密な連携が取れる、このように思っております。
毎日
先程の質問の中で、今回本当かどうか分からないんですけれども、お母さんは取り調べの中で従前から暴力を振るっていたやに供述していると報道では出ているんですけれども、気付くことがなかなか難しかったというところはあろうかと思うんですけど、一方でお母さんがそういう話もされていて、先ほど知事も今後情報の共有、県警とのことだと思うんですが、いろいろ今も研究されていらっしゃると思うんですけれども、そこで情報の共有の対象について今回の件がどこまで共有するかということで影響するということがあるんですか。さらに踏み込んだ、どこまで共有するかということを考えるにあたって、今回の事例が今後の検討に影響を与えるということもあるんでしょうか。
知事
基本的には全部、情報がある部分に関しては全部出すと。ただ、どの程度共有するかというのは、一旦全部出すと。それを全部出すことで重なる部分が多くなればなるほど、それはより真実に近い可能性が高いだろうと。重なっていなくても、警察が見た風景と違う風景を児童相談所が見て、警察の思うところの勘が働いたりする場合があると思います。それで、警察では大したことないという場面の情報があっても児童相談所のメンバーに関しては、実はピンとくるものがあるとか。したがって、実は真ん中の共有するところはたぶん厚い、より課題になっている部分だと思いますが、その周辺でも見る人が見るとまた違う課題があるかもしれないということで、疎かにはできないと。そういう意味で、まさに全部出し合って見るという作業が、今後きちっとやっていくということに、システムを変えていくわけです。この部分は重なれば重なるほどもちろんいいのですけれども、重ならないからそこは捨象するかというとそうでもない。まさに病院の先生から見る目線と警察の見る目線というのは違ってくると、見る角度が。そういうことで発見できないものを発見したりすると。惜しむらくは、1月11日の訪問で幼児が見れなかったことなんかがちょっと残念ですね。これ近いですから、13、14と。この時に様子が見れていたら、場合によってはその時に外傷が見えていたかもしれませんし。ただし、この時にはシャッターを降ろされていたと。では泣き声か何かが隣近所から通報がいっぱいあったとすれば踏み込むことも可能だったんですが、それはなかったということですので、踏み込んでいないと。通常のルール的には、そういうのがない限りは、一般的には踏み込んだりしませんので、俗にいう立入調査というのでしょうか、そこまではしませんので、玄関口で会話をする程度で終わりますので、奥で今寝たばかりですからと言われると、そうですかというかたちでですね。でも、少し会話をして何か変だなという部分を見る力などというのは、やはりより経験則と言うのでしょうか、経験が必要だと思いますので、そういう意味で先ほどちょっと課題として申し上げました人材育成はやはり現場力をたくさん持った人、研修もまた必要なんですが、何度もやっているうちにそういうのが見えてくる。たぶん、医師の先生からの通告も、やはり普通のお母さんとはちょっと違うなと、変だなと。その通告があったので、ある意味では訪問したり、きちっとしたルールに基づいて母親の方も対応していただいたという経過があります。したがって、そういう意味ではすごい眼力だなと。私も事後報告で聞いているレベルですけど、医師の方がやはり「変だな」と思ったと。それはどういう「変だな」というのは、一口では説明できないけど普通の母親とはちょっと違うなと。これは危ないなということで、念のためにということで通告があったと。もし、念のための通告がなかったとすれば、ひょっとしたらもっと早い時期にこのような事件が起きていれば、8か月よりももっと2か月、3か月というところであれば、もっと被害が甚大になっている可能性もあると。こんなふうに思います。
東京
今の関連で、今の話を聞いていて虐待がおそらく本人は以前からやっていたと供述しているようですけれども、それに気付くことができなかったというのは、体制なり対応に問題があったというよりも、その眼力というか、そこが少し足りなかったという知事の認識になるのでしょうか。
知事
これ以前からあったかどうかというのも分かりません。少なくとも児童相談所のメンバーが訪ねている段階においては、外傷が見えなかったと。ただ、見えなかったということですので、1月11日に、この時には何か姿を見ることができなかった、あるいはこの時に何らかのかたちで外傷があったのかもしれませんが、それ以前に関してはなかったということですので、一般でいう母親らしさの欠ける部分はあったにしても、特別に虐待事案は見受けられなかったと。しかも毎月1回病院にも定期健診に行っていて、そこでも何もなかったという判断をいただいていますので、以前からやっていたということにはならないのかなと思います。
東京
知事としては今回児童相談所の対応には問題はなかったという認識…
知事
そうですね。俗にいう定石から外れている、ルールから外れているような動きはない。丁寧に、それはそれなりにやっていると。ただ、先程申し上げましたように、例えば1月11日に子供には会えなくても、お母さんと会話をする中で、お母さんの変化などを読み取る、そういう能力。あるいは、会話まで引っ張り込む能力。そういうのには、若干の手腕が必要なのかなと思います。たぶん新米の刑事さんと古参の刑事さんでは容疑者に対するいろんな話し方で、よりヒントを得る人と得られない人といると思いますので、そういうのでは我々は全部上手くやりましたと言うつもりはありません。常に課題があると思っています。より深い経験を積むこととによって感性を磨いたり、直感力を磨いたり、判断力を磨くという、こういうことは必要だと思っていますので、ではすぐにできるかというとできるものでもありませんので、より多くの人たちがデスクワークだけではなくて、実際デスクワークやっている人はいないわけで、どんどん行ったり来たりしているわけですので、より多くの人たちが経験を積んで、仮に子供と会えなくても親と会話をする中で、何か変だなというものを見つけ出すとか、あるいは大丈夫だねとかいうものを判断できるとか、そういうところまでを、やはりレベルを要求されているのではないかと担当者レベルでは考えています。私もそうあってほしいなと思っています。
NHK
今回の事案でケースワーカーの人手が不足していることも背景の一つにあるのではないかと思うんですが、今回の事案を受けて県としてケースワーカーの採用人数を増やすとか、そういったことを考えていらっしゃるのかということと、またその眼力を磨くという面で、例えば緊急的な研修会とか、そういった具体的な対策を今検討されているかどうか、お考えをお伺いしたいです。
知事
県の児童相談所並びにそうした関係のスタッフ、職員の増員は、本当に年々増やしているところであります。また、市町村においてもケースワーカーをはじめ関係の職員が急速に増えていることは間違いのない事実だと思います。ちょっと数字は把握していません。たぶん埼玉県下においては、ここ10年で2倍までいかなくても、それに近いくらいのメンバーが増えているはずです、人員的にはですね。ただ、この部分も先ほどちょっと触れておりますけど、経験の部分が非常に重要になってきますので、増員したから急に戦力が強化されたかというところまでなかなかならないので、時間の経過が必要だと思っています。(資料を確認する。)6割くらい増えているんですかね。児童福祉司は6割くらい増えていて、児童心理司も平成15年を起点にすると2倍以上増えているんですね。児童相談所の職員の数も平成15年を起点にすると、15年間で約6割くらい、やはり増えていますか。こんな感じで、それぞれみんなが、県ももちろんやっていますが、市町村もこうした関係の職員の増員を図っているところです。ただ、増加した部分が全部戦力になるかというと、時間が少しずつかかっていくというかたちですので、6割増えたら6割戦力になったというふうには、なかなか難しい。例えば、1割分くらいは常にまだ十分な戦力になっていないとか、増えた部分の1割とはですね。まだ1年目とか2年目とかで、そうではないということもあると思いますので、やはりこういうのは判断力、経験力というのがものをいう世界ですので、そこそこ時間をかけながら体制づくりを強化していくということになるかと思います。
埼玉
障害者雇用の水増し問題についてお伺いしたいんですけれども、中央省庁のみではなくて都道府県レベルでも水増ししている県が出てきたりなどしていますが、埼玉県の現状と何か対策を取っていることがあれば教えてください。
知事
まず、この障害者雇用の水増しのニュースを聞いた時に、私は結構ショックで、ある意味では民間企業には義務化させて、きちっとできない場合には罰則まであてて、納付金を支払わせるというような一種の強制的なものをしているわけでありまして、その旗振り役が実は水増ししたというようなかたちになれば、これはもう話にならないことで、まさに共生社会を実現しようという大きな目的に対して背信行為だと、そんなふうに思っております。また一方で、同じようなことは我が埼玉県でも起こっている可能性はやはりあるのではないかと思って心配して指示したところ、もう既に調査を始めておりました。知事部局、下水道局、企業局、これに関しては一切厚生労働省のガイドラインに沿ってやっておりますので、まさに全く問題はないということが判明しました。教育委員会においては、どうもそうではないガイドライン以外の、つまり障害者手帳を持っていなくても、実際の障害者をカウントしているきらいがあるということが一部見えているようです。ただ、御案内のとおり、大半が市町村の教育委員会に教師や教育事務のメンバーがいるわけで、県立高校の数はたかが知れていますので、市町村のカウントを今確認をしておりますので、これが判明次第、御報告をし、きちっと正確に答えを出したい、こんなふうに教育局の方から私は報告を受けています。速やかに市町村と連絡を取り合って、実態を解明して、厚労省のガイドラインではない部分があるとすればどの部分がどうなっているのかと、ガイドラインで行っている部分はどの部分で、そうでない部分はどうなのか、こういったところを正確に把握して報告すべきだということをお願いをしました。
朝日
そうすると教育局では水増しの疑いがあるということなんですか。
知事
そうですね。
朝日
それは規模としてはどれぐらい…
知事
全然まだ分かりません。
朝日
いつまでに…あの、報告するように求めて…
知事
まだそれも聞いておりません。市町村との事がありますので、場合によっては今日の夕方にでも教育局の方でその見通しを発表する可能性があります。ちょっと私の方も基本的には、私の指示命令ができないところでございますので。独立行政委員会ですので。基本的にはきちっと早めに正確に。早めにと言うと、正確でなくなる可能性があります。あんまり正確にと言うと、遅くなる可能性があります。したがって、両方兼ねて早めに正確にと言いましたけれども、早く正確に出すようにと。もし、早めに出すことができなければ中間報告するとか、そういった事が必要だと思っています。
朝日
仮定の話で申し訳ないんですけど、ある場合に、学校の先生じゃなくて事務職員とかってことになるんですかね。学校の先生も含む…
知事
そこはもう全然聞いておりません。そこまで聞いておりません。いわゆる手帳が無くても障害者の方おられるんですね。逆に、障害者扱いされるのを嫌だと言うことで、敢えて手帳を求めない方もおられます。そういうのは、基本的には厚労省の立場だとカウントするなということになっています。手帳を持っている人のみと。しかし、実際、障害者であることには間違いないと。級数においては、手帳を持っている人よりも重い人もいます。でも敢えてそれは自分自身が強調しないでみんなと同じことができるという事を自分の信条にしていらっしゃる方もおられますので、そういう方は、障害者であることがはっきりしてるので、カウントを現場でしている可能性があるんですね。それも市町村ごとでまた色々基準があるかもしれませんので、どの辺できちっとした基準にしてるのか。完全な厚労省のガイドラインでやってるのか、それとも、それをはみ出した基準を使っているのか。それもはっきり、市町村ごとですので、63市町村ありますので、確認する作業を若干必要なのかなと思ってはいます。いずれにしても、時間がかかるようであれば、今の時点での進行状況などを掌握して、何らかのかたちで中間報告をすることなどは必要だと思います。
テレ玉
今の件に関してですね、県の教育局で一部水増しの疑いがあるという事に関して、知事ご自身は率直にどのようにお感じですか、今。
知事
水増しという言葉が非常につらい言葉ではあるのですけど、厚労省のガイドラインのあり方などにある意味では、注文を付ければよかったなというふうに思います。例えば先程申し上げたような話です。厚労省では手帳を持っている人のみという事に決めつけてる訳ですけども、手帳を持っている人以上に障害がある人でも、現場で仕事をしていらっしゃると。これも障害者雇用であることは間違いない事実だと。そういうのを、実態と合わないじゃないですかというようなかたちで取り上げてくれればよかったかなと思っています。むしろ各省庁でそういう事が分かっていたはずですから、なんでもう少し厚労省と各省庁で実態に合わせたガイドラインを作り直すことなんかを考えなかったのだろうかなと。やっぱりガイドラインがある意味ではもう古いものになってしまえば、実態に合ったようなものを作り易くなってしまったりするじゃないですか。それであれば、きちっとしたガイドラインを作ればいい。こういう話ですが、それがないと結果的には俗に言う水増しという、不埒なことになってしまっているわけですね。でも全て不埒かというところまで、本当に言えるのかという部分だってない訳ではないと。しかし、そういう決め方をした以上は、まさにこれは法は法と。ラインはラインという事できちっと、そういう意味では問題を明るみにして、こういう便宜的な方法を取って誠に申し訳なかったと。これは、きちっと謝るべき。その上で改正を、是正を申し入れていくべきだと思いますので、そのような認識に立つべきだと思いますね。
埼玉
今月オーストラリアで行われました車いすラグビーの世界選手権で初優勝した日本代表のメンバーの中に埼玉パラドリームアスリート事業の特別強化指定選手が2人いましたが、この件に関する知事の受け止め並びに2020年東京パラリンピックに向けた期待、そして今後のパラアスリートへの支援策などをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
知事
来年、車いすラグビーではありませんが、ラグビーワールドカップのある中で、車いすラグビーの優勝という、しかも日本の世界ランキング4位が、堂々と3位(後に「2位」に訂正)や1位を破って優勝されるというこの快挙は大変嬉しいに尽きる。しかも12名の選手のうち埼玉県勢が4名おられて、うち2名はいわゆる強化選手というかたちで県が指定している、応援している選手ということでもございますので、再来年のパラリンピックでは、有力な金メダル候補のグループ、チームであるなということで、これまた大変嬉しいニュースで期待をしております。益々精進していただいて、こういう結果を次のパラリンピックに結び付けていただきたいなというふうに思っています。
共同
先月の全国知事会議でまとめられて、先週要望活動されたと思いますが、日米地位協定の見直しについての提言に関してですけれども、改めてですけれども、埼玉県でもですね、知事が長年基地問題について活動されていて、今回提言というかたちでまとめて、かなり踏み込んだ内容だったかと思いますけれども、同意いただいたのかというのと、埼玉県内においてもですね、こういう状況を照らして、まあ今後地位協定というのがどのようにあるべきかっていうのを、改めて考えをお聞かせいただければと思います。
知事
日米関係が、ある意味では世界のどの国よりも重要な関係国であるということ。それから、良くも悪くも日米安全保障条約に基づく日米間の、ある意味では軍事同盟が一定の抑止力になっているということについて否定するものではありません。しかし、日米地位協定において、この基地の存在に関しては、ややルーズじゃないかと。日本政府の対応が。主権国家、独立国としてもっときちっと物を言った方がいいんじゃないかというのが、やはり47都道府県の知事の考え方です。それは、国と違ってやはり地方自治体の長は生活に密着している住民・市民・県民と密接に繋がっていますので、悲痛な叫びが聞こえるわけですね。極端な事例を申し上げます。例えば何らかのかたちで米軍機が墜落します。今、日本の係官がそこに踏み込む事が出来ないと。したがって原因も分からないと。そのうちバリケードが出来て、いつの間にか米軍の関係者がすべての証拠を持って去っていく。何事もなかったように。しかし周りの住民は不気味じゃないですか。何が起こったんだろうと。その説明も碌々聞かないと。後でわかると。説明を聞くまでは何も情報が入らないから不安じゃないですか。何だったんだろうと。大きな爆発音、大きな穴の跡、焦げた跡。何だったんだと。どうも米軍機が落ちたらしいとか。そういう話で終わってしまう。あるいは住宅地にかなりの大きな音でジェット機なんかが通る。すごかったねと。何だったあれはと。確認しても分からないと。我々も北関東防衛局に確認しても今の時点で判明しないとか、1日とか1日半経ってから米軍の飛行訓練でしたと。ちょっとルール違反じゃないですかと我々は言う訳です。住宅密集地は飛ばない事になってるじゃないですかと。ルール違反でしょと、厳重に抗議してくれたんですかと。その辺よく分からないと。そういう事がいくつもありますので。全国各地。もちろん沖縄なんかがなんと言っても沖縄県土の70パーセントが米軍基地(後に「沖縄県における米軍専用施設の基地面積割合は全国の70パーセント」に訂正)になってますので、頻繁に起こってる訳ですね。我々のところでも色々起こるくらいですから。したがって、基地の全くない県もありましたけども、やはり皆さん全員が一致してそのとおりだという事で、私たちはやはり地域に密着した住民との関係の中できちっと政府に物を言いたいというかたちで、防衛省それから外務省、そしてまたアメリカ大使館。アメリカ大使館では首席公使にお目にかかれました。はっきり言ってまいりました。今後より政府の関係においても、こうした問題についてやはりきちんと物を言っていただいて、全国の地方自治体の長たちが、やはりオープンにしてくれと、事前に通告してくれと。通告できない、時間がないような時には、速やかに事後報告してくれと。そういう事をする事で、本当に日米関係は良好なものになると信じてますので。逆にそういったところで不快感を積み重ねる事で、日米関係が危うくなったり、あるいはまた抑止力に弱さが出てきたりする事自体が問題になってきますので、私たちはきちっと情報を公開できるところは公開していただき、事前に公開できなければ事後にきちっと説明していただくというような事をお願いしたいと思っています。
共同
今回のその提言がですね、国家間の話にも関わることについて知事会として提言をされたという事で、これはまあ珍しいというか、そういうかたちの提言を知事会としてまとめられたということ、それを要望されたという事についての意義については知事として…
知事
渉外知事会という、基地のある都道府県が集まって同じような事はずっと言ってるんですね。今回は基地の無い県も、賛同いただいたという事で、画期的だったという事になるのかもしれません。基地のある都道府県に関しては、渉外知事会というかたちの中で、今現在神奈川県が会長県をやっておりますけども、そこを通じて毎年のように、やはり日米地位協定の見直しだとか、基地の縮小とか、あるいはまた返還とかの要請はしているところですけども、たまたま基地のない県も含めたかたちできちっと要請をしたというのは、やはり初めての事という事ですので、やはりある意味では、日本国民の集合体みたいなかたちでの全国知事会が出すということは、全国民がそういう事に関して比較的理解をしていただいてると。こういうふうな認識で、是非政府においても外交交渉と相手国もあることですから、難しい部分はあると思いますが、こういう思いが全国民にあるんだということを基地のない県も含めて、そういう考え方を持っているんだということを踏まえて、交渉してもらいたいなと思っています。
埼玉
政府が来年の夏までに、全国の全公立の小中学校にクーラーを導入するため、予算措置を取る方針を固められましたけれども、知事の受け止めをお願いします。
知事
当然予算措置等が必要になってきますが、政府において今回の災害とも言うべき高温に関して、そういう認識を、クーラーを設置するという認識を持たれたということにはありがたい、こんなふうに思います。あとは予算の措置と、速やかに来年の夏までに間に合うような工事の仕切りというのでしょうか、予算が出た頃ではもう間に合わないかもしれませんので、ある意味では予算が出ることを前提にしたような注文発注とか、そういう手続きなんかについて、少し工夫もしていただかなければいけないのかなと。あるいは、ある意味での保証というのでしょうか、実際の手続きは市町村ごとにやっていくと思いますので、業者も限られていると思いますので、そういう業者の人たちとのスケジュール感なんかもあると思いますので、そういうのも含めて調整しなくてはいけないと思いますね。例えば、もうほとんど終わった所の地区の業者がほとんど終わっていない所に助っ人というか、来るとか、そういう乗り入れをするとか、そういったことなんかも少し調整する必要があるのかもしれませんね。
(終)
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