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掲載日:2017年1月17日

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知事記者会見テキスト版 平成29年1月17日

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平成29年1月17日(火曜日)

知事発表
先端産業創造プロジェクトの成果

先端産業創造プロジェクトの成果について(PDF:1,581KB)

知事

今日は先端産業創造プロジェクトの成果について中間発表をさせていただきます。御案内のとおり、将来の産業を育てるということで、埼玉県は、医療イノベーション、ナノカーボン、ロボット、新エネルギー、航空・宇宙産業を重点分野として、とにかく情報や人財や技術を結集しましょうということで、研究会・交流会を展開しているところです。また、産学連携研究開発のために、大学や研究機関とシーズの実用化を図って、連携を進めております。埼玉県にもサイテックを始め、様々な目利きをする人たちが沢山いますが、しかしそれ以上のところも沢山あることから、理化学研究所、埼玉大学、あるいは産総研等々と連携して、取組を進めています。企業そのものがいろいろをやっているわけですが、その背中を押させていただくという役割を果たしているところであります。研究開発や事業化支援による製品化の見込みの件数なども、県の支援した66件に関して、45件が現在のところ出てきております。その主なものについて少し御紹介したいと思います。

これは、世界初の実用化に目途をつけたマグネシウム蓄電池、以前発表したこともございます。リチウムイオン電池の2倍を超える大容量が可能です。リチウムイオン電池と比べて発火の可能性がほぼないという状況です。現在原料のマグネシウムは安価で豊富です。値段で言えば、大体リチウムの25分の1。しかもリチウムは希少鉱物でありますので、何かのときにはリスクがあるという状態です。マグネシウム蓄電池研究会の発足をして、第57回電池討論会での成果発表が11月に行われたところでもございます。このマグネシウム蓄電池が商品化されたらどんなところに使われるかということでは、ウエアラブル機器、スマートフォン、タブレットなどで、まさしく皆様が使っていただいているスマートフォンなんか今の容量で言えば2倍時間が使える。もし小型化をすることが更に可能になれば4倍ということが更に可能になります。(後に削除)それからもう一つ大ヒットしそうなかたちになりかかっているのが、医療イノベーションの分野で多視点裸眼3D内視鏡システムでございます。従来であれば内視鏡手術の際には、臓器内の3D映像を、複数のスタッフが専用のメガネをかけて、リアルタイムで見なくてはいけないのです。その場合、非常に見にくいとか、御自身が酔った状態になってしまうとかそういった課題があったわけですが、この内視鏡システムでは全く専用のメガネを必要としない、自分の裸眼で見ることができる。また、リアルタイムかつ鮮明に見えるように表示ができていますので、医師の負担が非常に軽減される。専用メガネが不要ですので、スタッフ全員で情報を共有できる。時間差のない映像ですので、非常に手術に適用ができる。こういう極めて効果の高いところがありますので、今、世界中から引き合いが来ているところでもございます。

最新の開発製品では、一般的にカイロは使い捨てですけど、使い捨てない電子カイロが、ナノカーボンの活用によって、大体1分以内に温かくなって、発熱シートが量産されることで、極めて低価格で提供ができることが可能です。(製品を持ちながら)これはもうスイッチが入っておりますが、例えば、こういうものを背中にあてて、電気を通しておけばずっと温まる。もちろん、これから電気毛布だとか利用範囲が広がると思います。(記者に渡しながら)一旦スイッチを切ってから1分程度で温まるということを確認していただければいいかと思います。ナノカーボンの印刷発熱シート、ナノカーボンを埋めることで、発熱シートがどんどん作れる。非常に量産体制が可能になったということになります。防寒チョッキに活用すれば1日中温かい。ナノカーボンのカイロを入れておいて、そして、電池を内ポケットに入れておけば、1日中温かい。使い捨てないカイロはもう既に開発されております。開発者が樫の木製作所とナノサミット株式会社が使い捨てないカイロ。スピードウォーマー・ベストに関しては、武蔵野ユニフォーム株式会社とナノサミット株式会社です。行田市の従来からの産業を生かしたかたちで開発されているところでございます。想定価格は1着1万円くらいです。渓流釣りの方にはいいかもしれません。動かないので寒いと思いますので。

更にロボットでありますが、自律移動買い物カートというロボットが開発されております。買い物カートの特徴ですが、予め買いたいものを入力をしておきます。カートが自律走行して買い物客を案内して、きちんと、たまねぎ、ニンジン、キャベツと入力しておけば、売り場のそのところにきちんと立ち寄って、どんどんお客さんがカートの中に入れていくことが可能となる。障害物も自動で回避することができます。例えば、歩行がちょっと大変だという方であるとか、あるいはやや物事を忘れっぽくなっている方だとか、メモを持っていく方法もありますが、そのメモの中身を打ち込むことによって確実に忘れないで済むと。やや認知症のきらいがある方についても、こうしたことがカバーができるというかたちで、高齢者を支援することができる。

これは極めて現実的なものになってきておりますが、一般的に幼児をお母さんなんかが前のほうにも、これはたまたまそういう自転車ではありませんが、後ろに一人、前に一人の長めのアシスト付の自転車などがよく使われております。幼児2人を乗せて、お母さんなどが、幼稚園・保育園の送り迎えなどもやっておられますけども、そういうものはほとんどアシストが付いて電池があるわけですが、一般的にバッテリーを外して、マンションだとか一戸建ての自宅のほうに、外から内側に入れて充電して、出かける時はめて出かけるということですが、自転車置き場の電気を使って、そのまま装着ができますと。従いまして、出かけるたびに取り外ししなくて済むと。そういうかたちで、防水性も高いので、駐輪場のところに雨が降り込んできても大丈夫だと。で、自動充電で、スマートなサービスが可能ですので、レンタサイクル、あるいはシェアサイクルなどにも使えることができる。マンションなどの自転車置き場で、この充電モジュールを入れれば、そのまま取り外しをせずに、ソケットを注入すればOKと、充電ができるというかたちになっております。

また、医療機器等試作品コンテストを昨年の11月に行いまして、グランプリを決めました。表彰式は2月10日に行います。また、2月1日、2日に開催する彩の国ビジネスアリーナ2017で展示を行いまして、今後の製品化を支援したいと考えております。グランプリはMakeWay合同会社の消化器内視鏡用鉗子操作支援ロボットです。消化器内視鏡に取り付けて、鉗子の操作をいろいろ、例えば、医師が2本の鉗子を操作して、3本目を使いたいときに、(後に削除)足元のスイッチで様々な鉗子の出具合の調節をできるということで、より様々なタイプの手術が簡単にできるようになるという。この彩の国ビジネスアリーナ2017で私も見てみたいと思っております。準グランプリとして、腹腔鏡下鎖肛手術向け筋刺激装置、長いタイトルでございます。肛門に先天的な疾患がある場合、その肛門の手術を助ける機器だそうです。これはアイデア賞ですが、有限会社宇賀神溶接工業所でリハビリ用の三輪自転車ハンドバイク、手で操作して自転車を動かす下半身の不自由な方々が乗ることができる三輪自転車で、非常に安定しているということであります。また、同じくアイデア賞で寿技研のこんにゃくを活用した、こんにゃくを素材にした臓器モデルを作って、実習生、研修生などの手術などの訓練に使うことができる本物のタイプにほぼ近いかたちでのものであります。こうしたものをどんどん県として推奨しながら、新しい製品の開発に努力しているところでもございます。

もう一つだけ、ロボットの実証フィールドを提供します。旧県立毛呂山高校の跡地を活用してドローンの実証実験に活用させていただいております。利用者の数、16団体数でありますが、延べ155日。また、ビルメンのロボット実証フィールドも、埼スタであるとかウェスタ川越などを提供しております。例えば、御存知の掃除をするロボット、それから窓の掃除をするロボットなど、こうしたフィールドを提供することで製品開発の舞台を広げてあげることで、埼玉により高度な先端産業の関わりを持つ企業、関係機関に来ていただくための準備をしているところでございます。以上でございます。

 

朝日

県の役割としては、研究機関とか企業の橋渡し役というところかなと思うんですけれども、今製品化の見込みとかが立っている中で、県が具体的にどういうところでお手伝いしたのかとのをもうちょっと具体的に教えていただきたいのと、あと製品化の見込みが製品化されれば、開発企業とかが稼ぐことになると思うんですけれども、それを県が助けることで県の稼ぐ力にはどこら辺で具体的に数字として表れるのか教えてください。

知事

基本的には、県はある意味では結び付ける役割と実証実験などを評価するところを紹介してあげる、これに尽きます。それから、実験レベルで金銭的な支援を行って、少しでもより飛ぶ力というのでしょうか、例えば自力の資金だけではなくて県からも支援の補助金が出ている、国の機関からも出ている、こういう支援があることで、自分たちの資金プラスアルファのものが加わることで、例えば金融機関なんかの信用も更に付いて金融機関の支援まで得ることができて、それで研究開発の費用が膨らんで、結果としてものになりやすいとかですね。こういう繋ぎの機能と、そして実際、物が出来上がってきたときに、それが本物なのかどうなのかということを関係機関に紹介したり研究者に見てもらうことで、結果的にその精度を高めて失敗のリスクを減らしていくという。基本的には、やはり開発行為というのはリスクを伴いますので、そうしたリスクを分散させる。そして研究段階から開発段階におけるリスクを、またそこで減らすことで成功の確率を高めていく、その役割を県が基本的に果たしていくと。そしてまた完成したら完成したで、ある意味では埼玉県が保証する製品ですよということを世にアピールして、一定程度の社会的評価を、まあ社会的評価は関係のところがするんですが、評価をする土俵に乗せることができると言ったら正しい表現でしょうか。やはり、例えば県でこうして発表します、そして今日いらっしゃるメディアの皆様たちが新聞に書かれる、あるいはテレビのニュースに流れるということで、そうした評価がまた高まっていきます。そうすると土俵が広くなって、いろんなところからの問い掛けが始まって、実際それが本格的に使えるものか使えないものかということもまさに市場が評価してくれる、関係者が評価してくると、そういう循環を私たちが作るのが仕事だと思っております。

埼玉

先端産業創造プロジェクトは、当初100億円の基金を投じてというプロジェクトだったと思うんですけれども、ここまでに至るまでに基金を使われて、ここの製品化の見込みの45件というのは知事の中での評価というのは、どのような位置付けなのかお伺いします。

知事

66件に、1件につき基本的には2,000万円という金額ですので、ざくっと言えば13億というようなお金が使われている。またそれ以外にも、ちまちまとありますのでたぶんそれ以上だと思いますが、そういう金額を使って一応100億という枠だけは用意していると。研究開発が基本ですけれども、製品化のプロセスの中でも時と場合によっては県が必要な支援をする場合だってあり得ると。ただ、そこまで来ると一般的にはスポンサーが付きやすくなってきますので県が出張る必要もない、こんなふうに思っております。

埼玉

当初この計画では、先端産業の集積ということも一つ目標としてあったと思うんですけれども、鶴ヶ島の旧農業大学校跡地も一つその候補だったと思うんですけど、知事の中でのそのお考えというのは変わらず…。

知事

もちろん、せっかくの空間ですので、商業用の大きな話などはもう山ほど来ますが、それは外させていただいて先端産業を代表するような、そういうものをあそこに集積させて、それはもう変わらないものであります。こういうものも、土地の集積のイメージも多少ありますが、クラスターなんていうのもありますが、少し距離は結構離れているんですよね、シリコンバレーにしても。その一定の区間の中にどんどんどんとあるかというとそうではなくて、総称としてのシリコンバレーで結構距離感はあったりするんですね。だから、例えばこの先端的な医療のイノベーションの関係のものがいくつかさいたま市あたりに集積してくると、その関連がまた集積してきますから、それは必ずしもさいたま市ではなくても川口市であろうとあるいはまた熊谷であろうと、企業がそれなりに立地しなくてはいけない部分でありますから、少し離れていても全体として集積していく分には構わないと思っております。時々イメージとして、なんか一定のエリアにみんなそこに集まるというイメージがあるんですが、そうではないと思っております。埼玉県全体の中に集積していけばいいという、こういう考え方です。

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幹事社質問
今後の訪日外国人誘致の取組について

朝日

昨年の訪日外国人の数が2,400万人を超え、4年連続で過去最多を更新しました。一方で、伸び率は2015年の47%から22%に縮小しています。政府は「2020年までに年間4,000万人」を目標にしていますけれども、埼玉県の今後の訪日外国人誘致の取り組みについて、知事のお考えをお聞かせください。

知事

これは日本政府と連動するところがあります。例えば、フランスなど6,600万の人口で8,000万を超える観光客が来ております。日本はその2倍の人口があるにも関わらず1,000万単位であったので、やはり伸びしろがあるということを前提に政府も観光客を集めようと。とりわけ、高齢化社会になってきますので交流人口も増やそうという、そういう考え方の中で外国人の訪日を積極的に受け入れる態勢を政府も考えております。また埼玉県でもそういう考え方で、基本的には首都東京に近いということがあって潜在的には一日観光というのでしょうか、日帰り観光においては極めてレベルの高いものを持っております。それは例えば川越の660万ないし70万の年間の観光客、あるいは長瀞の260万(後に「270万」に訂正)からの観光客、ここ5年ほどで秩父などは300万から500万までくらい増えているとか、こういう潜在的な要素はあるんですが、日帰り旅行が比較的多いことから地元に俗にいうお金が落ちるという感覚がちょっと弱い、宿泊されないということですので、どうしても一人あたりの単位の額が小さいことですので、積極的に1泊2日あるいは2泊3日などのコースなどを地元の観光協会、あるいは観光公社等々と連動しながら、今SAITAMAプラチナルートというのを考えているところです。プラチナルートでありますが、川越、長瀞、秩父という埼玉県の中では最も観光客の多いこのラインを、例えば川越で半日いろいろ見ていただけて長瀞へ行けば、もう泊まるしかないと。次の日、長瀞の川下りを午前中やって秩父に入れば、もう夕方に近付いて秩父で泊まるしかないとか。パワースポットの三峰まで行けば、もう本当に移動でやっぱり泊まるしかないと。こういうことで、1泊2日や2泊3日のパターンを埼玉県で実際につくることが可能なんだと。それには、連動するルートにしておかないと、単体で川越、単体で秩父、単体で長瀞という話になってくると、朝早く出かけて夜帰れば日帰りが可能ということになりますので、それではなかなかゆっくりできないということで、それぞれの持ち味を楽しんでいただくというプラチナルートを提供して、一気に改めて埼玉の観光の良さをまた確認していただきたい。もちろん、この三つの主要エリアだけではなく、潜在的には行田であるとか、諸々ございます。さいたま市そのものも巨大な観光地だというふうに理解できると思っています。いろんなかたちでありますが、先行モデルをやっていくというのも極めて重要だと思っておりますので、SAITAMAプラチナルートというかたちで、積極的に外国人の誘致につながるように。

ただ、やはり外国人向けのPRだとかこうしたものが成功事例などをしっかり研究して、今まで日本人の首都圏の人たちを引っ張り込んだ力を外国人に変えるにはどうすれば良いかということについては、もちろんいろいろ秘策を考えております。台湾人のいわゆる海外修学旅行、教育旅行と言ってますけれども、こういったものも埼玉県に来ていただいているところですけれども、この枠を増やすことで、将来の台湾からの日本、日本のまた埼玉ということなども可能になってきます。それ以外にもそれぞれニセコの成功事例だとか海外の誘客の成功事例などをしっかり勉強させていただいて、今後しっかり展開したいと思っています。

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その他の質問
蕨駅で発生した視覚障害者の転落死亡事故について

朝日

先週末JRの蕨駅の方で視覚障害者の方がホームから転落されて死亡するという事故がありましたけれども、昨日団体の方が視察に参られて、ホームの危険なところをチェックされて、ホームドアの設置が望ましいとおっしゃっていましたけれども、先週も同じような質問をしましたけれども、この事故に対する知事の受け止めと、県として今後どういった対策が考えられるのか伺います。

知事

大変痛ましい事故で残念でなりません。関係の方々には心からお悔やみを申し上げたいと思います。ホームドアが全てのホームにあれば、このようなことが起こらない可能性は高いわけであります。つい先ほどJRを始め首都近郊の鉄道事業者の皆さんたちが、ホームドアの設置の年次の発表などを行った矢先にこのようなことが起きるという皮肉な結果にただ残念だと思っています。困難な技術が相当あることは、よく分かりますが、そうした困難な技術的な課題を鉄道事業者の皆さんたちも早く克服されて、一日も早く、主要駅、できれば全ての駅にホームドアを設置していただきたい、このように思っております。これはまず第1点と思います。

第2点は、その間何もしないというわけにはいかないと思いますので、やはりその間介添えが必要な人たちに対する呼び掛けなどは行っておられますが、当然各駅ごとにサポーターというんでしょうか、これもサポーターにとっても危険なことでもありますので、しっかりとした研修とか実習というんでしょうか、そういうものが必要と思いますが、サポートなどを早く養成されてボランティアとしてそうしたサポーターが各駅に配置されて、まさにお互い様で助け合う心が駅のホームから始まっていくような、そういう光景ができることを期待したいと思います。県はそうしたことに対するPRの部分をしっかり受け持ちたいと思います。例えば鉄道事業者が募集される場合、県は県が持っているPRできる機能の全てを使ってそうしたことをお手伝いしたい、こんなふうに思います。また、それ以外にも鉄道事業者の皆さんから近く鉄道バス交通事業者の皆さんたちと年に1回、2時間ほど懇談会を開いてしっかりいろんな議論をさせていただきますが、そうした席を通じて御要望があればその御要望を承るようなかたちで、できるだけホームドア設置に向けての作業、第1点の。そして第2点の、ホームドアがあろうと無かろうと私はやはり高齢化時代というのはサポーターの存在が必要だと思います。駅員で全てをやるというのはなかなか困難だと思います。そういう人件費をまた使うんであれば、ホームドアの設置によりお金を使っていただきたい、安全基準のためにもっとお金を使っていただきたいと思いますので、そういうサポーターの養成などは鉄道事業者がやるにしても、働きかけなどについては「市町村と埼玉県一緒になって、養成に向かってお手伝いしたい」こんな思いをもっております。

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トランプ氏の大統領就任について

埼玉

今週末にアメリカのトランプ大統領が就任されますけれども、改めてトランプ大統領が就任されることの影響について知事はどのようにお考えになりますでしょうか。

知事

ツイッターで非常に激しくいろんなことをオブラートに全く包まずに発言されておられますので、選挙戦以上だなと。正直言って、世界のリーダー国であるアメリカの大統領としてはやや品が無いなと私は受け止めております。ただ、閣僚の皆様の上院での委員会などの発言を聞いていると、比較的まっとうなというか、穏当な発言になっている、役割分担をされているのか、どうなのかよく分かりませんが、いずれにしても何らかのかたちで20日以降はもう次期大統領ではなくて現大統領になられますので、一同いちいち閣僚と大統領の考え方が違うようでは、閣内不一致と言われるようなことにもなりかねませんし、アメリカがどこを向いているかということについて、世界も困る話でありますので、何らかのかたちで就任後は閣僚の意見と大統領の意見が基本的には一致していくようなかたちをとらないと、アメリカの国益にとっても、世界の調和にとっても不利益になっていくんじゃないかという印象を私は持っております。

埼玉

トランプ氏がTPPの離脱をしたいという考えを示していますけれども、日本は先の国会で関連法案が成立しました。知事としてはアメリカ抜きでもTPPを推進していくべきなのかということを確認させていただきたいんですけれども。

知事

基本的にはTPPの成立条件(後に「発効条件」に訂正)ができないんじゃないかと思います、アメリカ抜きでは。6カ国以上、85パーセント以上の市場ができない、アメリカだけで60パーセントですので、アメリカが参加しないことで、もう実質上TPPは破たんしている。他のことはいざ知らず、どうも次期トランプ大統領はTPPだけは破棄するような雰囲気ですよね。他は少し軌道修正するかもしれませんけど。そういう意味ではまだ決まったわけではありませんが、少なくとも交渉は成立しない状況に今あるというふうに私は判断しております。もし撤回されて、TPPが成立(後に「発効」に訂正)するようなことになれば、普段から言ってますように、良いこともあれば悪いこともありますんで、プラスの部分を極大化して、マイナス部分を極小化するしかないと。原材料などが安く入ったりしますので、農業従事者関係ではマイナス。一方で消費者にはプラスとか。いろいろプラスマイナスありますんで、TPPがあろうがあるまいが、基本的には我々は農業の生産性を高めて、常々言っていますように、九州程の面積のオランダが9兆円ほどの輸出をしている現実を学ぶべきだと思っています。日本はわずかにまだ7,000億ですので、やはりよく学んで強い農業をつくっていくと。こんなふうに思っております。

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霞ヶ関カンツリ―倶楽部について

読売

東京オリンピックの県内の東京オリンピックの会場の関連なんですけれども、東京都の小池知事が先週の会見で、霞ヶ関カンツリー倶楽部が男性しか正会員になれないという規則を取り上げて「21世紀のこの時代に違和感を感じる。」という発言をされまして、そういった規則を見直すべきでないかと考えを示されましたけれども、知事のこの点について受け止めがあればお願いします。

知事

今まで企業として霞ヶ関カンツリー倶楽部が女性の会員を入れなかったというのは何か変だなと思われる部分に疑問を呈されたことに関しては、そうですね、と思いたいと思います。

ただ一方、青少年などの極めて有力な子供たちのゴルフプレーヤーの養成とかに大変力を入れて支えてきたような良い社会活動というのでしょうか、そういうものも持っておられると。全部悪いわけではなくて、こっちの部分では確かにいかがかなという部分がありますが、こっちの部分では非常に立派な活動もなさっておられると。多分こっちの部分は見ておられないと思いますので、ぜひ東京都知事の方にもこっちの部分をお示ししてこっちの部分の評価もしていただくように、霞ヶ関カンツリー倶楽部の方でもやっていただきたいなと思っております。たぶん何らかのかたちで今までそういう話が一つの原則になっていたと思いますので、会社だけの方針では簡単に変えられないと思いますので、メンバーなんかとよく相談をされて新しい考え方などを導入されれば良いのではないかと私は思います。良いことをされている部分は目立たないですからね。この辺をアピールされると良いかと思います。

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(終)

お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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