平成31年、令和元年 > 知事記者会見テキスト版 令和元年7月9日
ページ番号:154653
掲載日:2019年7月10日
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生産年齢人口の減少への対応 -女性とシニアの活躍について-(PDF:984KB)
知事
今日は日本の生産年齢人口が減少する中、どんなかたちで豊かな生活を維持したりすることが可能なのかということについて、それには女性の社会参画とシニアの活躍に係る部分が大きいということを図表を使いながら御案内し、なおかつ県の施策のこれまでの取りまとめを御報告したいと思います。
こちらの人口構成を見ていただければ分かりますように、いわゆる15歳から64歳までを生産年齢人口と申し上げています。世界各国同じ基準です。日本の場合は1995年がピークでそれ以降どんどんどんどん生産年齢人口が少なくなってくる。子供がやや少なくなって、高齢者が多くなるという、こういう傾向が出ております。ただし、よくよく考えれば、15歳といっても日本の場合働いていないではないか。常識的に見て短大卒、つまり20歳ぐらいから働いていると見た方がいいでしょう。なおかつ、女性の平均健康寿命が74歳で、男性の健康寿命が72歳。74歳ぐらいまでを生産年齢人口に入れることは可能ではないか。こういう枠組みを考えていくと、実はこの生産年齢人口の幅が増えていくということがはっきりしまして、例えば働き手の増加に関していえば62万人、令和17年の段階でも増える。それから30代女性の希望者がすべて就業した場合、378,800人増えて(後に「になり」に訂正)、現在の就業率の69.6パーセントが88.5パーセントになる。極めてパワフルな社会ができる。
(主要国の生産年齢人口推移のパネルを見せながら)これは実線でやっているのが主要国の生産年齢人口の推移です。日本は先ほど申し上げました1995年がピークでした。2040年には、日本はここにきて、世界の主要国、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、こういった国々、韓国と比べて一番生産年齢人口の少ない国になります。ところが、先ほど申し上げました20歳から74歳までを生産年齢人口に置き換えると、これが点線のグラフでありますけれども、逆に2040年の段階で世界トップに躍り出る。割合です、人口ではなくて。割合が世界トップに躍り出て、アメリカとトップ争いをする。逆に今の基準でいくと韓国と最下位争いをする。こういう構図ができています。また同時に、比較的19世紀の間は、大体50歳過ぎて間もない頃にお亡くなりになったりする方が多いということで、生産年齢人口が圧倒的に多くて高齢者はほとんどいなかった。戦後になってどんどんどんどん高齢者が増えてきて、現在この生産年齢人口が少なくなり、なおかつ、いわゆる14歳以下の人口が少なくなっているのですが、大体2040年ぐらいから落ち着いて、65歳以上の割合も、15歳から64歳までの割合も、14歳以下の割合も落ち着く。要は2040年ぐらいまで、どうしたら社会をうまくまわすことができるのかということが問われていて、この2040年過ぎたところから大体また落ち着く。21世紀型で安定する。それ以前は19世紀型で安定。20世紀が非常に不安定な労働形態になるんだということで、今、様々なことを展開しているというのが基本的な認識になっているところです。
そこで埼玉県は、まずは女性の社会参画ということで、埼玉版ウーマノミクスプロジェクトの展開をさせていただきました。具体的な成果としては、まさにこの企業でしっかりと働きやすい環境を作っていただく。これが一番のポイントだということで、認定企業をどんどん増やして2,800からの企業がこの認定企業になり、また、女性キャリアセンターを通じて、就業支援を行っていくということでやってきましたところ、このように、仕事と育児の両立を支援することができる県内企業をどんどん育成する、あるいは要請する、あるいは支援するというかたちで、極めて高いレベルで仕事と育児などを同時に満たすことが可能な仕事場を作っていただいてきた。そうしたことが結果として、女性の就業の場がどんどん増えてきて、とりわけここにきて急速にその伸びしろが増えてきているという、こういう結果が出ているところでございます。
そして同時に、先ほども申し上げました。女性だけではなくてシニアの活躍も極めて重要だということで、シニアが活躍できるような仕組みづくり。これもまた同じでありますけども、やはり企業でしっかりシニアの皆さんたちに働いていただくような仕組みづくりをやっていただくということで、認定企業2,500社(後に「1,787社」に訂正)作らせていただきました。とにかくシニアの人たちが、心置きなくしっかりと就業の機会、あるいは拡大ができるような仕組みづくりをさせていただいたところでございます。そしてシニアの就業拡大のために、セカンドキャリアセンター、あるいはまた就業確認者数も60歳以上でどんどん増えていくというかたちで、このとおり当初(約)1,700人だったものが(約)5,300人というようなかたちで増えてきておりますし、従来のシルバー人材センターの呼称も愛称もちょっと違うねということで募集しましたところ、シニアパワーステーションという、シルバー人材センター登録をして、そこに登録すること自体が何となく、何て言うのでしょうか、俗に言うオジン臭くなってしまうというような、そういうイメージも無きにしもあらずだったもので、名称を募集しましたところ、愛称がシニアパワーステーション。シニアのパワフルな人たちが集まって、そしてそこを拠点にしながら、いろいろな仕事をするんだということで、職域も広がりました。いわゆる庭のお手伝いだとか自転車の修理だとか、極めて特定的な仕事だったのですけれども、事務もやりますよと。あるいは様々な人手不足の分野についても、介護あるいは保育等々もやりますよというかたちで、派遣契約をどんどん行ってきたところ、もうすでに平成28年で、中位どころだったのですけれど9位に上がり、とうとう平成30年度は全国2位までこの派遣ができる、しかも派遣契約ができるレベルまで上がってきたところでございます。このように日本の大きな課題であります生産年齢人口の減少というこの課題、この課題を解消するには、基本的には女性のキャリアアップや就業機会、そういったものを働きやすい環境づくりを作った上で、しっかり希望と意欲のある方には働いていただく。同じように、シニアの皆さんたちにも意欲と能力に応じて働いてもらうことができるような環境を整備していく。このことで、生産年齢人口の減少という日本の課題、もちろん外国人技能労働者の受け入れは、しかし5年間で35万というこの数字でありますけども、極端なことを言うと、島根県と同じような女性の就業率であれば、47都道府県が、370万人たちどころに女性の就業者が増えるという統計などもあります。国内でまだまだ眠っている人的資源。こういったものを丁寧に活かしていくという考え方も、実は外国人の技能労働者の受け入れ以上に実は大事なんだということを、埼玉県はしっかりと打ち込んでいきたいと考えているところでございます。以上、御報告終わります。
朝日
知事の持論を改めてお聞かせいただいたような感じなんですが、埼玉県の特徴から見てどう取り組むかっていう辺りも教えていただけますか。
知事
埼玉県は、例えば今、例にしました島根県、あるいは福井県、そういったところの家族構成が3世代同居だとか、近居ということで、子育て支援が公的なものではなくて家族間等々でカバーできやすいというところが特色です。しかし、埼玉県あるいは奈良県のように核家族が1位、2位みたいなところでは、まさに子育て支援が公でやっていかなければならない。私的な部分でなかなかしにくいところでありますので、この部分が、まさに待機児童などの問題に象徴されるように、子育て支援のための様々な保育所の整備、あるいは子どもの児童クラブ等々のカバー、そして何よりも子育て支援、あるいはその前の結婚・育児、あるいは妊娠・出産。このプロセスの中で企業が、やはりその期間しっかり女性のキャリアを守ってあげる。いわゆるポイ捨てしないという、この姿勢が極めて重要だと思っています。やはり移ることによってキャリアがダウンしたりしますし、キャリアがダウンするだけではなくて、給料までダウンというようなことになってしまいますので、やはりそこはきちっと育児休暇の制度、あるいはまた、育児で困難な時には、少し前衛ではなくて後衛の方に回っているとか、バレーボールでは前衛がアタッカーで、後衛がいわば受け取るというのでしょうか、レシーブというような役割。そういう職場でも、より活発な部門と、いくらか精神的にも肉体的にも、楽とかという話ではなくて、負担の軽い、そういったものを組み合わせながら、しっかり職場チームとしての戦力を落とさない。そういう働き方を意識しているところは、結局人材が集まってくるし、人材が伸びていくという、この考え方を趣旨徹底することで、都市部においても、私たちは可能だと。その可能な方法を埼玉県としては実践してきているつもりでございます。今後も、県の施策というよりは、企業に協力してもらうという、協力していただく代わりに、県としてもそうした企業を表彰したり、紹介したり、県がブランドをつけることによって逆に人材確保に有利になるという、そういうことを丁寧に仕掛けているところでもあります。
朝日
あと、やっぱりどうしても東京に働きに行く人が多くて、そういう通勤時間にかなり取られちゃうってことがあるんじゃないかと思うんですけども、やっぱりその県内で近場で職場を作るっていうことも大事なんじゃないかなと思うんですが。
知事
若干、保育などでも東京の方が待遇がいいということで、一旦は行かれるんですが、戻ってこられます。その事例も決して少なくありません。結果、トータルで考えていくと、東京で住宅手当がたくさん出ても、それ以上に現実には、家賃が高いとか、物価が高いとか、そういった点で損得も考えていくと、意外に埼玉の場合、特に保育だとか、こういった看護とかの職。忙しい、あるいは早くから出勤しなくてはいけないということで、多少家族の応援とかがあった方が楽な部分もありますので、東京都内の一人暮らしよりも、自宅がある方なら自宅から通ったりすると随分楽だということで、戻られる方も結構多いのです。だから、埼玉県は保育士の確保に関しては、直近の5年間見ても全国で3位なのです。やはり普通にいけば、人口からすれば5番目でいいわけですけれど、あえて3位なのです。保育士の確保なども。そういったところも、やはり一見、そういうところに憧れながらも、意外にまた戻ってきて、近場で勤められるというメリットも考えていただく、そういう時代になってきていると思っています。
朝日
望む人が働くっていうのは非常に望ましいことだと思うんですけど、あまり働きたくないっていう人もいるでしょうし、年をとったら早くリタイアしたいっていう人もいると思うんですけども、何となくプレッシャーが強いかなっていう気が。
知事
この就業も、「まるまる働くぞ」という話は、意外に少ないのですね。アンケートを取ると「3日程度でいいよ」という話が、圧倒的に多い。自分の好きなこともやりたいと。しかし、体がなまるのも嫌だと。だから、半分ぐらい働きたいというのが、一番希望(が多い)です。毎日の場合だったら半日が望ましいとか、そういうパターンが現実には多いと思いますので、2人とか3人で1人分という、そういう就業の仕方になっていくのではないかなと思っています。
朝日
知事は今度、選挙に出られないということで一区切りなんですが、御自身で率先垂範していただきたいなと思うんですが、どのようなことをお考えになっていますか。
知事
まだまだ、全然。今日も含めて52日(後に「53日」に訂正)、知事職がありますので、今のことに目一杯、今日の記者会見も目一杯です。
朝日
参院選、知事も応援に立たれたりしていますけども、どんな感触を今お持ちですか。
知事
それが一番つらい。参院選の何がというような(聞きたい項目を)、いくつか決めていただければお答えがしやすいんですけれど、漠と参議院選についてと言われるとなかなか辛いのですが、参院選のどの部分とかという…。
朝日
例えば今、年金のことがですね、ちょっと争点というか注目されているようにみえるんですが、そのあたりどんな手ごたえを感じていますか。
知事
一般的に言えば、争点の薄い選挙みたいに見られているような嫌いも無きにしもあらずなんですが、私は結構あると思っています。やはり話題になりました、老後の不安の解消には2,000万必要だという金融庁の報告、これをまずいということで政府は蹴り飛ばして、見たくない触れたくない、受け取りたくないというような逃げの姿勢ですけども、もっと明確に現在の年金制度の中でどの程度生活レベルが安定するのだという、いろいろなケースをお示しされる。そうしたことによって、どういうことが起こるのかということなどを、やはり与野党とも明らかにしながら、それ以上を、今の制度以上のものが提起できるのかできないのか。そうしたことも、負担も含めて議論するには非常にいいチャンスだったのですけど、蓋をしていると。一方では、ただ蓋をするなと言っているだけですから。そうではなくて、どうすれば本当に持続可能な社会保障制度ができるんだということを、きちっと提案して、それを打ち込んでいけば、相当評価されると私は思うのです。知事会でも今それを一生懸命やってるところなんですけれども。2番目、総理は憲法改正を言っておられるんですけど、それが全然、与党でも熱心でもあまりない。野党に至っては、これも何か受け取り拒否みたいな感じの状況になってきている。これもなんか情けない話だなと。堂々とした論戦ができない。何か、受け取り拒否が多いなという感じですけども。もう一つは消費税。本当は10パーセントに上がるわけですから、この消費税についても良し悪しについて、良い悪い、同じ良いにしてもどういうかたちで、この消費税が持続可能な社会保障制度に繋がっていくのかとか。軽減税率をすることによって、どれだけマイナスが起こるんだとかそういう議論をすべきだと思いますし、あるいは延期するとか凍結するにしても、なぜそれが可能なのか、そのようなことも議論が深まっているという感じがしないのですよね。これも、モヤーっとしてしまっているのですよね。それは一つは、今の財政の中で、一定程度消費税の引き上げがないとすれば困るだろうと内心思ってる人たちも多い。ただ、「なければそれに越したことはないね」という国民的な心理を踏まえると、何が何でも反対ばかりは言えない。だけど、なかなか実感のない景気回復ですから、何が何でも消費税を引き上げろということについても言いにくい。何かこう、それぞれが羽交い絞めになってるような、何か政策論争が起こりづらい環境が、偶然起こっているなと私は思っています。珍しいなと。もっと絞り込みばよかったのかもしれませんね。野党は野党で、年金なら年金だけにとか。ちょっとこう、バラバラになってという感じでしょうかね。
朝日
今、ある程度お答えいただいた感じがするんですけど、年金も結局おっしゃるように中身の議論と、結局その報告書の扱いの議論とあると思うんですけども、ウエイト的に今の議論って、どっちが多くなってるように受け止められますか。
知事
まず、受け取り拒否というのは非常に姑息ですね。自分たちから頼んだ話ですから。ちゃんと受け取って、この意味をきちっと議論をすると。これが大事だと思います。
朝日
ということは、世論の厳しい反応っていうのは、どちらかっていうと、政府の姿勢の問題という…。
知事
そうですね。多分、それはないだろうと。場合によっては、老後の資金として2,000万必要なのかもしれないねということを何となく感じられてる人たちもいるのかもしれませんが、その根拠は本当にどうなってるんだということを、お示ししてもらえれば、それはそれで。それが可能な人と不可能な人、それでは不可能の人にはどういう社会政策があるんだとか、そういったことが分かってきますよね。そういうことが、やはり議論ではないかな。可能な人たちは、よろしくお願いしますと。可能ではない人たちは、「政府として社会政策の中できちっとカバーしますから安心してください」とか、その根拠はこうですとか、そういうことをやはり言うべきではないですか。現実に、今の生活保護政策なども、本当に立ち行かなくなった人たちに対しては、最後のセーフティネットになっているわけですから。そういう部門と重なるのか、重ならないのかとかも含めて、きちっと議論をしていただければ、日本の社会保障制度についても、もっと活発な議論ができるのではないかなと思いますね。
朝日
知事選の関係で金曜日にですね、大野さんの応援団長になられるということをおっしゃったんですけども、これは、この間の「次に立候補しない」っていう会見をされたときに、大野さんと約束したことがあるって、ちょっと思わせぶりにおっしゃったかなと思ったんですけど。
知事
それは、ポスターですね。「ポスターで2ショットはどうですか」という、そのポスターの件でした。
朝日
それを約束して。
知事
はい、約束していました。
朝日
それをこの時期まで、あの時点でおっしゃられなかったっていうのは…。
知事
もう、ポスターが貼られたりしましたので、もう隠すことはなくなったので。あの時は「ご勘弁を」と言ったような記憶がありますけども、その中身はそれです。
朝日
やっぱり、あの時点ではまだ明かせなかった話。
知事
はい。
朝日
それは、何に対する配慮なんですか。
知事
(ポスターの)制作過程でもありましたし。
朝日
あと、この間もですね、議会が終わったところで応援団長の話が出てきたんですが、それはやっぱり議会を意識され…。
知事
そうですね、やはり議会中は、議会に専念したいという気持ちがありましたので、選挙上のことに関しては最小限度の電話などのアドバイスはさせていただきますけども、具体的な行動等々は避けたいと思ってましたから。
埼玉
改めて応援団長としての、なった思いですとか、抱負ですとか、今後どのように活動を展開していきたいなどの考えがありましたらお聞かせください。
知事
非常に大野参議院議員は、プロフェッショナルとしての能力の高い方ですので。やはり、せっかく国民民主党も離党されて、無所属で幅広く戦線を構築したいと言ってらっしゃるので、幸い、非常に幅広な人たちから、お声もかかりました。私もそういう幅広な人たちをどれだけ戦線に加えるか。選挙戦としても非常に重要なのですが、それ以上に重要なのは、選挙戦を通じてコミュニケーションがいろんなかたちで、いわば意見のキャッチボールですね。意見のキャッチボールをする中で政策能力も高まるし、現実のものになってくるのですね、中身が。それで、その人たちが動くことによって、仮に選挙後に関してもその人たちが、応援団の人たちが多ければ多いほど、タガをはめることができますね。知事が、いわば埼玉県庁という役所の中のメンバーではなくて、埼玉県民の代表者の皆さんたちのメンバーでもあるという。いわば、統治機構としての埼玉県庁の代表者だけではない。むしろ、そちらは何かを実現するための一つのツール、その実現する中身を教えていただいたり、ヒントをいただくのは、やはり一般の県民だと。そういう姿勢がおのずから、最初の段階で決まってくると思います。特定の集団、特定の団体・党に支えられた人は、所詮そこで終わり。私はそんなふうに理解しています。
朝日
そうすると、結構具体的な政策を大野さん陣営から出していこうっていう考えがあるっていうことですか。
知事
いや、これはもう、御本人が責任をもって政策を出していくわけですし、これからも仮にというか、是非当選してもらいたいわけですけれども、知事になられてからも政策を打ち込んでいく、その過程でプロ集団としてのこういうメンバーがいます。しかし、プロ集団に見えない斬新な政策が、県民各層の中にあるのですね。それを引っ張り抜くのは、やはり知事の仕事なのですね。そういうものを、最初から形成している人としていない人では、全然違ってくると思います。そういう意味で、非常にいい形で応援団の皆さんたちが集まってきているので、選挙対策本部長だとかそのようなものは、大それたとんでもない話ですけれども、そういうかたちだったら、自分も応援団の1人になってもいいかなと。まあ、たまたまこういう仕事というか、こういう立場ですから、団長というようなことになるんでしょうか。それはそれでやむを得ないのかなと思っています。
日経
昨日、気象庁から日照不足と低温に関する発表がありまして、埼玉県では熊谷が6月28日から7月7日まで平年比5パーセントの1.8時間しか日照時間がなくて、今後も2週間程度はこういった状況が続くということなんですけれども、県内における農作物の現状とかですね、今後の影響と、県の対応策など何かお考えがあったら教えてください。
知事
私も専門家ではないのでわかりませんが、農林部などが今、現状を調べている限りでは、今のところは問題は起こっておりません。ただ、やはり長雨が続くと、当然いろいろな部分で影響が出てきます。当然、そうした影響を受けて夏野菜に悪い影響を与える、場合によっては米にも悪い影響を与えるとか、そういったものが出てきます。最初の梅雨の始まったばかりの時には、意外と晴れるなと。3日に一遍ぐらいは晴れてくれるので、「洗濯には都合がいいな」なんて喜んでいました、うちの奥さんなども。ここのところ、3日に一遍ぐらい晴れてくれればいいのですけれども、なんかちょっと晴れてくれないので、困っているところですが、天気ばかりはなかなか、思うようにはいきませんから。今、注意をしながら、今後、そうした被害が出そうな時には、被害も最小限度に抑えられる方法もないわけでありませんので、そうした被害を最小限度に抑えられるようなことについては、関係の皆さんたちにしっかりアピールしていかなければと思っています。
朝日
県庁舎の建て替えの件なんですけど、率直に知事御自身は、建て替えるべきだと思いますか。
知事
一番短いやつで12年、一番長いやつで17年は万全だと。こういう評価を受けて、我々は理解していますので、「真ん中をとって7、8年前ぐらいに調査をすればいいのかな」と、こういう理解でありましたが、せっかちな人たちみたいで。早々と、何か、建て替えを前提としたような見直しの特別委員会になっていますので、それはそれで。執行部側としては、資料提供等々はしっかりさせていただきたいと思っています。ただ、よく調べたら17年、12年どころか、あと20年も30年ももちますよというような話が出てきたら、県民はどちらを選択されるかなと。私たちはやはり、自分たちの職場は最後だと思っています。やはり、(以前、建て替えに)430億(後に「約421億」に訂正)使わずに(耐震改修をすることで、約)50億で済ませたので、がんセンターの新築や小児医療センターの新築が、ささっとできたわけですね。県の借入金を増やすことなく。だから、そういうことがやはり大事じゃないかなと思います。やはり順位というのは我々が最後です。狭いとかそういう話はあるでしょう。狭いは狭いなりにメリットもあります。すぐ隣と話ができるとか、あまり広いといちいち集まらなくてはいけないですけれど、後ろを振り向けばすぐ話ができるとか、なんとなくコミュニケ―ションがいいとか、それはもうよく整理整頓して仕事に支障がないようにすればいいわけで、狭いからといって埼玉県の仕事ぶりが落ちたという話は一つもありません。ここ十年来全部良くしていますので。そういう事について心配は御無用と言ってあげたいところなのですけど、まあ御心配いただいていますので、それはそれとして受け止めていきたいと思います。
埼玉
13日からSKIPシティで国際Dシネマ映画祭が始まると思いますが、昨年この映画祭で発掘された(上田慎一郎監督の)作品の「カメラを止めるな!」がヒットしましたが、ヒットして今年改めてこの映画祭が注目されると思いますが、映画祭に対する知事の期待などをお聞かせいただけますか。
知事
こんなにSKIPで賞を取った監督たちが、日本であるいは世界で活躍されるなんて夢にも思っていませんでした。大活躍だと思っています。今年のSKIPの目玉の映画も、昨年の「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督と、やはりSKIP出身の浅沼直也監督、それから昨年のオープニング作品を作っていただいた中泉裕矢監督、この3人の合作で「イソップの思うツボ」というものを作っていただきました。最近ではまたまた、「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督が、また山崎努さんとか「長いお別れ」という認知症などを取り扱った映画の監督に就任されるとか、もう次から次に、SKIP出身の若手の監督が活躍されていますので、本当に嬉しい限りです。今後、さらにこうした監督たちが、もっと高いレベルで世界の賞を取っていただければ、SKIPの出身の監督たちということで映画祭をずっと川口と一緒にやってきたことが非常によかったなということになりますし、今後NHKの川口での新しい企画もございますし、さらに映像産業の集積、並びにその展開をあちらの方で当初企画したことが少し時間はかかってますけど、間違いなく広がる可能性が出てきているなと非常に喜んでいるところです。是非、観ていただきたいと思います。
埼玉
フィリピンでは、ちょっと前なんですけど、北海道を舞台にした映画が撮られて、それが大ヒットしたことで、すごく観光客が北海道に行ったりとか、直行便ができたっていうような、すごいインバウンド効果があったんですけど、埼玉県ではそういった海外の映画を招致したりとか、撮影場所として提供することなどによって、インバウンドを進めていくというか引き込んでいくような計画はおありでしょうか。
知事
なかなか、県の担当者が監督にこういう企画で秩父を売り込んでくれませんかというようなこと言ったらいいかもしれませんね。あるいは、もっと行田を売り込めませんかねとか、何かいいかもしれませんね。寄居を舞台にした映画だとかいろいろあったりしていますけど、世界的なというか日本的なヒットまでいってませんので、そういうのが、今後提案できるのかどうか分かりません。余計な事を言うなと監督から怒られるのかもしれませんし、すごく独創的な人格の方々ばかりですので、そういうことが言えるのかどうか分かりませんが、ちょっと探ってみます。
産経
先日ですね、所沢市内で中学生による中学生に対する事件が起きたということで、それに対する知事の受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。
知事
中身がまだ分かってないんですよね。教育委員会の方でも十分まだ把握していないので、本当に気の毒な事件というか、残念な事件というのでしょうか。僕等が中学生などの時に喧嘩するとなったら、とりあえずは突き飛ばすとか、胸ぐら掴むとか、ちょっといきなりバシッと肩でも押すとか、そういうところからスタートして取っ組み合いになったりすることで、慌てて包丁探しに行くというようなパターンにはならなかった。なぜそうなのかというのは心理状況とかも丁寧にやはり分析して、そういったことが恒常化しないように、何かやはり解決方法があるんだったらやはり解決するための考え方を打ち立てていかないといけないのかなと思いますね。本当にまだ中身が分かっていないので、今の段階では、もう本当に感想程度で申し訳ありません。
時事
参議院選挙の争点については先ほどお話ありましたけれども、盛り上がりがあるのかないのかと言えば、参院ということもあって、全県ということもあり、盛り上がってないのかなと感じますけれども、知事選も夏に予定されていて、投票率の方が低下が懸念されるところですけども、何か具体的な一手についてお考えがあるのかということと、有権者については、年齢の引き下げということで、若い人達の参加の機会が増えたという意味では非常に意味があると思ってますけれども、関心を高めて実際に参加しなければですね、政治を動かすとかそういうとこまで行かないわけです。その点どうお考えでしょうか。
知事
選挙管理委員会で様々な御努力をいただいて、県も、また市町村の選挙管理委員会も御努力をいただいてますので、それを他としながらも、やはり一番有権者が期待するのは、何が争点だというところだと思いますので、そこをやはり候補者があるいは各責任ある政党の幹部の方々、応援される方々が、そこを打ち込んでいただく。そのことによって、有権者が強い関心を持っていくということですので、それを望みたいですね。私も全部テレビを見ているわけではありませんので、あまり、全部見た上で物を言えばもっと説得力あるのですけれども、一般論で恐縮ですけど、何かまだまだ燃えるような争点になってないのかなと思っています。
時事
話が戻って知事選のことを一点お伺いしたいです。昨年末に知事に出馬要請をした町村会が先週会合開いてどうも自主投票の方針を決められたようなんですが、まずこの町村会の決定についての知事の受け止めを一つと、今後ですね、知事御自身が町村長にですね、回って応援を呼びかけるというかたちになるのかというこの2点お伺いたいんですが。
知事
町村会が独自に決めておられることについて、良いとか悪いは申し上げることはできません。ただ、長い間同志的に仕事をしてきた仲間ですので、私は私の立場で大野氏のすぐれた部分などをお話しして、できるだけ御理解していただきたいなと思ったりはします。そういうチャンスがどんなかたちであるのかよく分かりませんが、できればやはりそういうチャンスを自分も作っていきたいと思います。
時事
積極的に呼びかけていきたいという…
知事
はい、そうですね。
朝日
県議会の話なんですけど、政務活動費の領収書をインターネットで公開するっていう話し合いがようやく始まったんですけど、これについては知事はどのように…
知事
やっとかっていう感じですね。やっと始まったかという。もう、なかなか埼玉遅れてますので、頑張ってほしいですね。
朝日
熊谷の農転の関連で、自民党がですね、告発をしましたけども、どのように受け止めていますか。
知事
我々が訴訟の対象になっていないもので、軽々に言えません。特に告発、とりわけ刑事告発ですのでなおさら、行政訴訟であれば関わりがあれば、コメントすることもあってもいいんですけど。我々と違うところ同士の訴訟。相手先不詳ですよね、まだ。しかも、刑事事件における告発ということですので、一般的にはこういうのは、私もノーコメントするの嫌いな人間ですからね、御承知のとおり。いつでもできるだけ答える努力をしていますけど、これは馴染まないですね。御勘弁してもらいたいと思います。御理解してもらいたいと思います。
時事
22日から知事会議がありますけれども、知事会長でもありますので、知事会長として最後の知事会議になると思いますが、臨む意気込み、また最後議長役として采配をされると思いますが、どういうことを期待されて臨むかということについては…
知事
今、各委員会が最後の取りまとめを、本会議で出すべき案文についての取りまとめをやっている最中で、今日など2つWeb会議、テレビ会議で私も2つの委員会に出ました。昨日も出たりしているのですが、精力的に各委員長さんが取りまとめをしてますので、私も同席して、最小限度のコメントをしたりして、本番で闊達な議論ができ、なおかついい意味での提言ができて、そして去年に引き続き健康立国も入ってますので、なかなか連続してテーマが入るのが難しいのですけれど、今年も入っていますので、やはり今後、持続可能な社会保障制度などについて、基本は国が一番責任を持っているのですが、なかなかしっかりと議論が進んでいない部分がありますので、むしろ全国知事会がそれをリードするぐらいの気持ちでしっかり打ち込みをして、その上で世に問いながら、地方と国は対立でもない。だからといって要望でもない。責任を共有して、しっかりやるんだということを、これからの全国知事会の生き方にしていただきたいなと思っています。国も地方創生等々と言って、そういう支援を考えている時に戦う知事会なんかとても言えません。しかし、やはり責任は共有しているから、私たちは私たちでぎしっとやろうと。しかしやはり国も責任を取ってもらおうという、そういう強い姿勢もしっかりやっていくことが、これからの国と地方との関係ではないかということを、私しかるべきところでよく言ってますので、大部分この件に関しては皆さん御了解というか御同意いただくような感じになっていますので、いい傾向が出てきてるのかなと思っています。そういういい傾向をしっかり、また富山でしっかり根付かせていただいて、今後の全国知事会が要望団体ではない、しかし対立のための団体でもない。しっかり責任を共有して、言うべきことをきちっと言っていく。その代わり自分達も責任をもってやるという、そういう立場になっていくことを強力に確立したいなと自分自身は思っています。
(終)
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