「<シリーズ居場所探し> 真夜中のこども部屋」 ユキウサギ

TITLE

「<シリーズ居場所探し> 真夜中のこども部屋」

ARTIST

ユキウサギ / YUKIUSAGI
新座市在住

Review

この作品はユキウサギさんの連作「居場所づくり」シリーズの作品のひとつだ。

彼女が昔遊んでいた空き地がモチーフとなっている。
そこにあった土管と、上京後に街を散策しているなかでレストランの窓越しに見かけた高く積み上げられた椅子のイメージが合わさってできた作品である。

空き地は一面が麦畑となっており、彼女の分身である少女たちが遊び疲れ、これから家路に着く場面が描かれている。
空には不思議な丸椅子が浮かび、積み上げられた椅子を三日月が照らしている。

ラジカセを左腕に抱えた少女の姿に、僕はとても心惹かれた。
なぜなら、僕にもこの少女たちのようにラジカセを持って秘密基地ごっこをした懐かしい思い出があるからだ。

幼い頃の記憶や感覚を幻想的に思い出させる不思議な魅力を持った一枚だ。

武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻1年 寺岡 大統