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掲載日:2022年12月1日
「ぼくはダメなクマだなぁ」
ユキウサギ / YUKIUSAGI
新座市在住
これはユキウサギさんが大事にしているクマの人形「クマゴロウ」を主人公にして作った絵本の1ページだ。
「狩りに行ったのに、狩ろうとした動物たちのそれぞれの事情を聞いて同情してしまうクマゴロウ。自分の力で何もできず『ぼくはダメなクマだなぁ』と気を落とすクマゴロウだったが、お月様に心の優しさをほめられ、少しずつ元気を取り戻す。」
読み手の心まで優しい気持ちにさせるストーリーに、安らぎを感じる絵がよく似合っている。
作品はシンプルな色遣いと独特な筆跡が特徴だ。日本画と水墨画が得意な彼女の絵は、繊細で穏やかな描写が印象的である。
最近は、今までの色合いから、より鮮やかな色づかいにも挑戦しているそうだ。コロナ禍で人との触れ合いが少なくなり、自分の精神
世界に深く集中しようとした彼女の心情の変化だといえる。このように、彼女はこれからもずっと進化していく。
私が出会ったユキウサギさんは、子供のような純粋な心を持っているとても優しい人だった。今でも彼女は自分のクマの人形を抱いて
散歩に行くという。
武蔵野美術大学芸術文化学科2年 チェ ソンウン