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掲載日:2023年10月5日
「飛行機 フランス」
渡邉あや / WATANABE Aya
社会福祉法人みぬま福祉会 工房集
渡邉さんは、色鉛筆を巧みに使い分け、画用紙いっぱいに作品を描く。
作品制作は、まず雑誌やパンフレット等から題材にする物を決めるところから始まり、下書きをして、それを黒いペン等でなぞってから、色を塗っていく。
制作過程において、下書きが一番難しいという。また、作品の構図や色合いなどは、作品を制作しているときの気分によって決まり、また、進行具合も変わるそうだ。
作品の完成までには3~4か月ほど掛かるという。
作品を鑑賞する際には、まずその色合いに注目してほしい。渡邉さんがその国に合うと思った色を選び、色の濃さや配色など、色鉛筆を使ってとても丁寧に描かれている。
さらに、『飛行機 フランス』という作品タイトルのとおり、フランスを連想させる様々な物が作品内に散りばめられていることにも注目してほしい。飛行機、エッフェル塔、サッカーボール、マカロン、ケーキ、電車、橋、城、他にも翼の生えた人などが描かれ、飛行機にはフランス語で文字が書かれている。
そして、渡邉さんは自身の誕生日の日付を作品に加えたそうだ。ぜひ探してみてほしい。
渡邉さんの作品はユーモアに溢れ、自分好みのアレンジがなされた個性的で魅力的な作品である。8~9年ほど、様々なテーマや描き方を試行錯誤し、模索し続ける中で、飛行機に魅力を感じて現在の表現に至った。
他の作品にも、必ず飛行機が描かれている。この作品も細部まで丁寧に描かれ、見る者の想像力をかき立ててくれる。
渡邉さんがどれ程までに飛行機と絵が好きなのかを、感じることができる作品でもある。
埼玉学園大学子ども発達学科3年 山崎 慎人