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掲載日:2026年1月27日



「Hug」
ビクター タン / VICTOR Tan
本庄市在住
上を見上げて両手を空に向けているポーズ。
太陽や雨に手をかざしているようにも見えるし、自身より背丈の大きな誰かに“Hug” を求めているようにも見える。
この小さな人と向き合っていると、思わず“Hug” したくなってしまう。
針金の線で描かれた曲線には静かなリアリティーがあり、心の目が合っているような気さえする。
ビクタータンさんは針金での表現を、鉛筆でのドローイングのようだと話してくれた。
針金の太さの違いは線の濃淡を代行し、線の重なりが立体を生む。
空気の中に絵を描いている。
私たちはその空間ごと“Hug” して、初めて作品と本当に出会うことができる。
作品には重さがあり、作者の痕跡があり、まとった空気がある。
私たちはそれに触れて、確かめることができる。
情報や言葉では決して補うことができない、その人自身の体験になる。
作者はそれを誰より理解し、私たちに教えてくれるアーティストなのだ。
武蔵野美術大学 造形学部 空間演出デザイン学科 2年
増田 陽月 / MASUDA Haruru