「心の休日」 斉藤進

TITLE

「心の休日」

ARTIST

斉藤進  / SAITO Susumu
医療法人社団双里会多機能型事業所わっくす所属

Review

「地球上にこんなところがあっても良いかなと思う」と斉藤さんは言った。紙飛行機を飛ばしたり、川で泳いだり、シャボン玉を吹いたり、花をプレゼントするロマンチックな場面も見られる。子供たちは夕方になっても時を忘れて夢中で遊ぶ、誰もの心にあるような、そんなイメージで作品世界は彩られている。

この作品で特に印象的なのは、画面右寄りに描かれた大きな木である。その下では、木の幹に身を任せ、それぞれの人物がゆったりと自分の時間を過ごしている。

心地の良い時が流れ、疲れた心を癒す憩いの場となっているのだろう。鑑賞者の瞳に魅力的に映り込んでいく。

この作品はてらいの無い素朴なタッチと童心を呼び覚ますイメージが見事に合致しており、鑑賞者にとっても「心の休日」となることだろう。

東京家政大学家政学部造形表現学科3年 伊藤 奈美