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掲載日:2024年5月2日
「お弁当、おいしい!」
小林一緒 / KOBAYASHIItsuo
三郷市在住
皆さんは毎日の食事の内容を詳しく覚えているだろうか。
お弁当の名前や味だったり、ソースのパッケージであったり…。この作品には、普段特に気にかけて見ることの無い些細なところまで、緻密に表現されている。
ペンと鉛筆だけで描かれた新・BIG のり弁当からは、フライのサクサク感や目玉焼きのツヤツヤ感など、お弁当の魅力が余すことなく伝わってくる。
この作品にはさらに素敵な仕掛けが隠されている。お分かりだろうか。
白身魚のフライはめくることができるようになっており、その下には海苔とご飯が描かれている。しかも、海苔やご飯も別々のパーツに描かれて何層にも重ねられており、本物のお弁当のように仕上げられている。
平面の絵では、お弁当の下層の部分の表現が難しいことから、小林さんは広告の裏紙を使って、ご飯、海苔、おかずなどをひとつひとつ描き、それらを重ねて本物のお弁当も顔負けのリアリティ溢れる作品に仕上げた。
さらに、周りの黒枠も作品を引き立たせるひとつのこだわりである。この魅力的で美味しそうな作品、見ているだけで食欲が湧いてくる。
埼玉学園大学子ども発達学科3年 大塚 聖