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掲載日:2024年6月6日
「さかな」
神谷一郎 / KAMIYA Ichiro
埼玉県社会福祉事業団 嵐山郷
神谷さんは、10年以上前から平面作品を中心に創作活動を続けている。
新たな画材と出会う度に、積極的に創作に取り入れ、表現の幅を広げてきた。
今では、色鉛筆で丁寧に色分けして描いた乗り物、 水彩でのびのびと描いた鳥など、様々な画材を駆使してバラエティに富んだ作品を創り上
げている 。
どの画材を用いても、キャンバスいっぱいに丹念に色を塗り込んでいく。神谷さんにとって、色を塗り重ね、拡げていく過程が、創作における悦びとなっているからだ 。
2年ほど前に油絵具に出会い、この「さかな」を創作した。図鑑を通じて得たイメージを膨らませながら 。海の浅いところから深いところに向かって、ゆったりと泳ぐ様子を描いたという。
パレットで色を混ぜ合わせ 、偶然できた様々な青色をペインティングナイフでキャンバスに載せていく 。多様な青色の連続は「さかな」に重厚な存在感を与え、水彩画とは異なる力強い印象を私達に伝えてくれる。
深海の青色をも連想させる大きな「さかな」の姿に、神谷さんはどんな想いを託したのか 。
愉しそうに色を塗り広げる神谷さんの姿を思い浮かべながら、皆さんも、作品に込められたメッセージを見つけてほしい。
東京家政大学 家政学部 造形表現学科4年 山田 和奏