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掲載日:2021年4月27日
「新幹線」
伊藤裕 / ITO Yutaka
社会福祉法人みぬま福祉会 川口太陽の家所属
この作品は、幼い頃から電車やプラレールが好きだった作者が、新幹線をイメージして作った作品である。
彼は新幹線を多くの人を運ぶための箱としてとらえ、車体を四角い形で表している。
ガラス1枚1枚が丁寧につなぎ合わされ、そこには20年以上ステンドグラスを作り続けている作者の技術力の高さが見て取れる。
ひとつとして同じ形のないガラス片は、各面であらゆる表情を見せ、鑑賞者を楽しませてくれる。
この作品は、作者の「内」にある思いをステンドグラスという方法を使って「外」に出し、形にしたものである。そこには、電車を好きになったきっかけ、電車で出かけた時の思い出、そのような電車に関する思いがたくさん込められている。
作品を構築するガラスの1枚1枚が、まるで作者の記憶のかけらを表しているようだ。
伊藤さんの、好きなものに対する、ひたむきな愛を感じずにはいられない。
武蔵野美術大学芸術文化学科3年 皆月 優良