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掲載日:2022年6月16日
「サボテンの花」
白田直紀 / HAKUTA Naoki
社会福祉法人みぬま福祉会 アトリエ輪所属
夢、記憶、錯覚。
この絵を見たとき、この言葉が浮かんだ。
誰かの頭の中でつくられた、終わりのない映像が頭の中にどろどろと流れ込んでくるような感覚に陥った。
野菜や花などの写真を見ながら描いたというのに、紙面に現れたのはリズミカルに並ぶ色の群衆。
多彩であるがどこか不気味で、ずっと観ていると、作者により組み直された野菜や花の色の世界に飲み込まれてしまいそうになる。
関わってしまったら最後、鑑賞者の無意識をじわじわ浸食していく、まるで生きているような作品だ。
なかなか、こうは描けない。
取材中、作者は終始穏やかに笑っていたが、一体彼の目には何が映っているのだろうか。
武蔵野美術大学油絵学科版画専攻2年 森 ゆい