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掲載日:2021年4月27日
「夢」
相田大希 / AIDA Hiroki
鴻巣市在住
この作品は相田さんの原点に近い作品である。
相田さんが絵を描き始めたのは中学3年生の頃だそうだ。
初めは植物を写実的にスケッチして色を塗ったものばかりだった。そして高校生になって描いたこの作品あたりから現在の作風に変わった。描かれているのは想像上の鳥で、サインペンで丁寧に塗られている。
相田さんは描くとき、迷いなく筆を運ぶことが多いという。
感じたままに、彼が心で見た世界がこの作品に広がっている。
相田さんの母は語る。「この絵を見たとき、この子はこんな絵が描けるんだと感動し、長いトンネルの先に光が見えた気がしました」と。この作品をきっかけに、彼は今まで考えもしなかった絵の道を歩むことになった。これは彼の将来への挑戦なのだ。
母がつけた「夢」というタイトルには、アーティスト人生の始まりとも言える作品であること、ピンクを多用した明るい色合い、そして何より息子の成長への期待という母の愛情が込められている。この作品は希望に満ち溢れていて、私たちに元気を与えてくれる。
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科1年 大野 彩夏