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発表日:2021年7月26日14時
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部局名:市町村支援部
課所名:文化資源課
担当名:指定文化財担当
担当者名:内田・北川
内線電話番号:6981
直通電話番号:048-830-6981
Email:a6910-04@pref.saitama.lg.jp
埼玉県教育委員会は、埼玉県文化財保護審議会(会長:根岸茂夫)からの答申を受け、7月26日(月曜日)開催の教育委員会において、次のとおり埼玉県指定文化財の新規指定2件(無形民俗文化財1件、天然記念物1件)及び指定解除1件(天然記念物1件)を審議のうえ、決定しました。7月30日(金曜日)の県報告示により、正式に指定及び指定解除となります。
これにより、県指定文化財のうち、無形民俗文化財は51件、天然記念物は86件となり、選択無形民俗文化財を含む県指定等文化財の件数は合計724件になります。
種別 |
種類 |
名称 |
員数 |
所在地 |
保護団体及び所有者 (管理者) |
民俗 |
無形民俗 |
(ちちぶかわせまつりのかわせとやたいのぎょうじ) 秩父川瀬祭の川瀬と屋台の行事 |
- |
秩父市 |
川瀬祭保存会 |
記念物 |
天然記念物 |
(ちちぶさわらこっかくかせき) チチブサワラ骨格化石 |
1括 |
秩父郡長瀞町長瀞1417-1 |
埼玉県 (埼玉県立自然の博物館) |
種別 |
種類 |
名称 |
員数 |
所在地 |
所有者 |
記念物 |
天然 記念物 |
(ばんしょうじのしい) 萬松寺のシイ |
1本 |
東松山市大字柏崎字名所342番地 |
宗教法人 萬松寺 |
秩父川瀬祭の川瀬と屋台の行事は、荒川上流から中流域にかけて、また荒川支流域でも行われている「川瀬祭り」や「川瀬行事」等と呼ばれる行事の一つ。秩父市番場町に鎮座する秩父神社の摂社である日御碕神社の例大祭であり、地元では「お祇園 」と呼ばれ、秩父神社の神輿が川入りする神輿洗い行事が行われ、付け祭として屋台・笠鉾の曳き回しが行われる。現在は、毎年7月19日頃に町会ごとに若衆が荒川で水を汲み、地域を清めるお水取り行事が行われる(左下写真)。20日午後には神輿の荒川への渡御が行われ、氏子の17町から選ばれた神輿担ぎに担がれた神輿が川に入って神輿をもみ、水を掛けて清める神輿洗いを行う。
19日、20日ともに付け祭として、屋台4基、笠鉾4基が市中を曳き回される。冬の秩父祭が大人の祭りとされるのに対して、子供の祭りと言われており、特に屋台囃子 ばやし や曳き子は、子供たちが中心的役割を担っている(右下写真)。
本件は、地域の災厄防除・悪疫退散を祈願する祇園系の夏祭りの系譜に連なる祓いの行事の一つであり、民俗的要素を豊富に伝えている。また、屋台囃子や笠鉾・屋台の囃子手と曳き子を子供たちが中心となって担っている点も、祇園系の夏祭りの地域への定着の在り方を示すものとして特色がある。地域の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なものとして価値が高い。
秩父郡小鹿野町般若の新生代新第三紀中新世(約1550万年前)の古秩父湾堆積層から産出した県立自然の博物館が所蔵する大型魚類の骨格化石である。保存状態が良好で、頭蓋骨や鰓蓋周辺の骨や肋骨、脊椎骨の一部が産出しており、産出部位から推定される全長は約2mである。1994年に、本標本をホロタイプとして、サバ目サバ亜目サバ科サワラ族サワラ属の新種Scomberomorus chichibu(和名:チチブサワラ)として記載された。ホロタイプは種の同定の基準となる世界で唯一の標本のことで、県内に所在する唯一の県産硬骨魚類化石のホロタイプであり、埼玉県産出魚類化石の中で代表的存在である。
サワラの仲間の化石は産出例が少なく、化石標本のほとんどが断片的なものであるが、本標本は頭の骨を中心に比較的多くの骨を残し、当時のサワラ族の姿を知るために重要であり、その起源や進化を解き明かすために重要な標本である。日本列島形成時の地殻変動と当時の古環境を物語る古秩父湾堆積層から産出したチチブサワラは、古秩父湾の生物相が多様であったこと示す化石であり、当時の古生態や古環境を知る上で重要であり、地域の地形・地質の成り立ちを知ることができることから、学術的価値が高い。
昭和10年3月31日に指定された樹齢約500年とされるスダジイの古木である。昭和58年時には幹周り5.7m、樹高9mを誇った。当初は同敷地内の2本が指定されていたが、平成12年に1本が枯死したことから平成13年3月16日に一部指定解除された。残った1本に令和元年12月31日に線香の火が移り延焼、枯死したことにより文化財としての価値を失った。