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掲載日:2023年5月23日

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図書室委員会視察報告

期日

 平成30年11月2日(金曜日)

調査先 

 (1) 国立公文書館(東京都千代田区)
 (2) 東京都江戸東京博物館図書室(東京都墨田区)

調査の概要

(1)国立公文書館

 (専門図書館の管理運営状況について)

【調査目的】

 国立公文書館は、公文書等の保存、閲覧・展示などへの利用、公文書の調査研究を行うことを目的に設置された。その管理運営状況を把握し、今後の県議会図書室運営の参考とする。

【調査内容】

 我が国では、明治以来、各省の公文書はそれぞれの機関ごとに保存する方法をとってきた。しかし、戦後、公文書の散逸防止と公開のための施設の必要性についての認識が急速に高まり、昭和34年11月日本学術会議会長から内閣総理大臣に対し勧告が出された。その趣旨は、国立公文書館を設置して、公文書の散逸防止とその一般利用のための有効で適切な措置を政府に講ずるよう要望したものだった。
 政府もその必要性を認めていたため、公文書の散逸防止を各省庁に呼びかけるとともに、国内の公文書の保存状況、散逸防止及び一般利用の方策、外国公文書館制度などの調査結果を踏まえ、公文書等の保存、閲覧・展示などへの利用、公文書の調査研究を行うことを目的として、昭和46年7月に国立公文書館が設置された。
 国立公文書館の設置に際し、その重要な一部門となった内閣文庫は、明治6年太政官に置かれた図書掛に始まり、同18年内閣制度創始と同時に内閣文庫となった。以来、和漢の古典籍・古文書を所蔵する我が国屈指の専門図書館として内外の研究者に親しまれてきた。その蔵書の中には、江戸幕府の記録等の公文書に類する資料も多く含まれている。なお、国立公文書館の独立行政法人への移行に際し、内閣文庫の所蔵資料は引き続き国立公文書館で保存され、利用されている。
 昭和62年に制定された公文書館法と、平成11年に制定された国立公文書館法の規定により、国立公文書館は、その設置根拠と責務などについて法律上の責任を果たすことになった。すなわち、国の各機関が所蔵している公文書などの保存と利用(閲覧・展示など)に関する責務を果たす施設として位置付けられ、国民共有の知的資源である公文書を後世に継続して伝えるという重要な役割を担うこととなった。
 平成13年4月に国の行政改革の一環として(独)国立公文書館となった。
 国立公文書館は、国の行政機関及び独立行政法人等から移管を受けた歴史資料として重要な公文書等を将来にわたり確実に保存し、広く利用に供するため、閲覧、展示、インターネットによる公開等さまざまな取組を行っている機関である。また、常設展、企画展を開催し、所蔵資料の紹介や歴史的公文書の保存・利用の意義を理解してもらうための活動にも力を入れている。
 実地視察では、閲覧室、修復室、地下の書庫、展示等を視察した。また、閲覧室では、年間5,000人の利用があり、利用頻度の多い文書からデジタルアーカイブで公開しているとの説明を受け、アーカイブのデモンストレーションも受けた。書庫では、普段は目にすることができない貴重な所蔵公文書を見せていただいた。
 概要説明、実地視察の後、保存・管理の状況、公文書の修復等について、委員から活発な質疑が行われた。
 今回、このような施設を実地に視察したことは、今後の県議会図書室運営の参考となるものであった。

図書_国立公文書館にて

国立公文書館にて

(2)東京都江戸東京博物館図書室

 (専門図書館の管理運営状況について)

【調査目的】

 東京都江戸東京博物館図書室は、広く一般の方々の利用に供すること、また、後世に残していくことを目的とした江戸東京の歴史文化についての専門図書館である。その工夫された整理・保存方法を実地に視察することにより、今後の県議会図書室運営の参考とする。

【調査内容】

 江戸東京博物館図書室は、江戸東京の歴史と文化を振り返り、未来の東京を考える博物館として平成5年3月28日に開館した江戸東京博物館の中にあり、明治以降に発行された江戸東京の歴史文化に関する資料を中心に、一般書籍、博物館や自治体の発行物、都内タウン誌、一般の流通に乗らない資料等を収集し、広く一般の方々の利用に供している。
 収集図書資料も特徴的であるが、整理・保存についても特徴があり、来館者や職員の閲覧、調査研究に利用するだけでなく、博物館資料として展示、又は永久保存をしていくことを考慮し、できる限り発行された時の形体(原状回復が可能な状態)で保存している。雑誌も全て保存しており、1号で廃止になったものも保管しているとのことである。
 図書室の活動としては、図書展示のほか、特集図書コーナーを設置(特別展・企画展関連図書、シンポジウム等イベント関連図書、小中学生の夏休み調べ学習図書など)し、博物館と図書室の連携を図っている。
 その他には、利用者教育・講座(ワンテーマツアー、ワークショップ、夏休み学習相談など)を開いたり、中学生の職場体験の受け入れを行っている。
 実地視察では、閲覧室、書庫等を視察した。蔵書数は約25万冊(閲覧可能図書:約21万冊、うち開架約8,000冊)である。閲覧室は、座席数40席であり、来館者用検索端末3台、CD・DVD閲覧用端末1台、マイクロリーダー2台、拡大読書器1台が設置されていた。書庫は、二層式書庫となっており、書庫では、江戸東京博物館図書室の保存の特徴である「できる限り発行された時の形状(原状回復が可能な状態)」で保存されている図書資料を見ながら、保存のための処理方法の説明を受けた。
 概要説明、実地視察の後、マイクロフィルムによる保存の状況、デジタルアーカイブ化への対応等について、委員から活発な質疑が行われた。
 今回、このような施設を実地に視察したことは、今後の県議会図書室運営の参考となるものであった。

お問い合わせ

議会事務局 図書室  

ファックス:048-830-4924

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