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掲載日:2025年2月21日

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図書室委員会視察報告

調査日

令和6年11月7日(木曜日)

調査先 

   (1)東京都立中央図書館(東京都港区)
   (2)日本女子大学図書館(東京都文京区)

調査の概要

(1)東京都立中央図書館

(図書資料の管理・修復・保存方法について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 議員の調査研究に資するように、企画展示、レファレンスや蔵書検索などの各種サービスについて常に改善・充実する必要がある。また、議会図書室に保管されている歴史資料を後世に残すために、図書資料の保存の考え方や方法等を学ぶ必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 都立中央図書館は2館ある都立図書館のうちの1館である。昭和48(1973)年に、都立日比谷図書館の蔵書を引き継いで開館した。
  • 国内の公立図書館では最大級の約225万冊の資料を保存し、このうち約35万冊の資料を開架しており、自由に閲覧することができる。
  • 公立図書館として独自に資料保全室(製本室)を持ち、資料の修理のほか、資料保全全般の企画・調査・研究、区市町村立図書館への技術指導、研修を行っている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 都立図書館の業務としては、閲覧サービス、レファレンスサービス、複写サービス、企画展示会や講演会の開催等の来館者へのサービス、蔵書検索サービスやデジタル化資料の公開等のインターネット等を通じたサービス、蔵書資料の協力貸出やレファレンス協力等の都内区市町村立図書館へのサービス、学校図書館や授業のための選書支援等の学校へのサービス、政策立案支援等の行政機関へのサ-ビス等多岐にわたる。
  • 重点的情報サービスとして、「都市・東京情報」「ビジネス情報」「法律情報」「健康・医療情報」の4つの分野の情報を集めたコーナーを設けており、利用者の問題解決を支援している。なかでも「ビジネス情報コーナー」は人気のコーナーであり、企業情報、業界・市場動向等、資格取得や就職・転職活動に役立つ資料が充実している。
  • デジタル情報サービスでは、「江戸・東京デジタルコンテンツ」として江戸城造営関係資料、錦絵、古地図、明治~昭和期の絵はがきや写真帖等をデジタル化し、ホームページで提供している。
  • 館内に「特別文庫室」を設け、江戸時代後期から明治時代中期の刊本、写本、古地図、錦絵、漢籍、書簡、拓本、書画、写真等の資料を中心に約24万3千点を所蔵しており、そのうち甲良家伝来の江戸城造営関係資料646点は、昭和62(1987)年に国の重要文化財に指定されている。

■質疑応答

Q:資料修復に使用する和紙はどこから購入するのか。

A:購入は業者からで、特に小川和紙は非常に質が良いため、よく使用している。

Q:デジタル化のための資料撮影は誰が行っているのか。

A:業者である。職員は資料の選定や納品後の検品、書誌データの入力を行っている。

Q:「デジタル化資料」は誰でも見ることはできるのか。

A:ホームページ上の「TOKYOアーカイブ」から見ることができる。

東京都立中央図書館内で職員と委員が集合している

東京都立中央図書館にて

(2)日本女子大学図書館

(図書資料の管理・保存方法について

【調査目的】

■本県の課題

  • 議員等の求めに応じ迅速に図書資料を提供できるよう、また、室内の図書資料に興味を持ってもらえるように、見やすく探しやすい配架方法について常に気を配る必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 現在の日本女子大学図書館は大学創立120周年記念事業により令和元(2019)年に開館した。
  • 日本女子大学図書館の蔵書数は女子大学では最大規模の約90万冊である。そのすべてを直接手に取ることができる開架式の収蔵としている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 図書館の構造は地上4階、地下1階建ての建物で、日本女子大学の卒業生で世界的建築家である妹島和世氏が設計を手がけた。図書館内は敷居や壁がほとんどなく、四方から光が差し込み、明るく開放的な空間が特徴の建物である。立地環境が急斜面であることを生かし、らせん状に配したスロープで館内を回遊することもできる。メインフロアの3階から上下階へは、スロープとエレベーターの他に5カ所に設けられた階段を使用することができる。異なる階段を利用する度に目の前に現れる書架が異なり、いつも新鮮な目で本と向き合うことができる。
  • 大勢で議論しながら学べるスペースであるラーニングコモンズやグループ研究室、レクチャールームなども併設されている。図書館は学生
    一人ひとりが考え学ぶ場所、と同時にその空間はみんなで作り上げているということが感じられるように配慮されている。
  • 貴重書、和装本、マイクロ資料について、それぞれに部屋が用意され、温湿度に配慮した所蔵環境を実現している。

■質疑応答

Q:デジタルと紙の図書を比較した場合、購入等の費用の状況はどうなのか。

A:デジタルの図書については、図書館が購入する場合は個人が電子版を購入する場合と比較して価格が高額となる。貸出など管理の手間がかからないという利点があるが、購入をやめた場合はバックナンバーも読むことができなくなる場合が多い。紙の図書については、購入費用だけでなく維持管理の費用がかかるが、周辺の書架には同じ分野だが利用者が知らなかった様々な図書が置いてあり参考になるので学習の効果を上げることができるという利点がある。

Q:こちらは女子大学図書館だが、男性が図書館を利用することは可能なのか。

A:当大学の男性教員が利用しているだけでなく、協定関係にある他の大学の男子学生も利用可能である。

お問い合わせ

議会事務局 図書室  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂2階

ファックス:048-830-4924

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