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掲載日:2023年5月23日
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平成28年10月27日(木)
(1) 埼玉県立精神医療センター(北足立郡伊奈町)
(2) 埼玉県新三郷浄水場(三郷市)
(埼玉県立精神医療センターの運営状況について)
埼玉県立精神医療センターは、アルコールや薬物依存症の治療、児童・思春期の精神疾患者の治療、夜間・休日の緊急入院の対応及び医療観察法の対象者への入院医療などを担っている。
当センターでは、患者・家族の視点に立ち、安全で良質な医療を提供するため、医療に関する問題を収集・分析し、対策を講じて、重大事故発生を防止している。
また、病院内に患者・家族からの提案箱を設置し、提案内容についてはサービス向上委員会で検討を行い、サービスの一層の向上に努めている。
そこで、埼玉県立精神医療センターの運営状況について調査する。
埼玉県立精神医療センターは、本県における精神医療の中核施設として、隣接する精神保健福祉センターとの一体的な運営により、総合的な精神保健福祉分野における医療提供を行っており、精神科救急医療、医療観察法病棟の設置、依存症対策等、県立病院として様々な機能を担っている。
まず、精神科救急医療への対応としては、埼玉県精神科救急医療システムにおける常時対応施設として、本人・家族、医療機関や警察からの精神科救急情報センターに寄せられた通報に基づき、夜間・土休日の受入れを行っている。時間帯別の入院割合では、深夜帯の受入れが半数以上を占め、救急時の重要な役割を担っている。深夜帯の受入れは負担も大きいため、輪番病院等の医療機関との連携が重要となっているとのことである。
次に、医療観察法病棟については、医療観察法に基づき、心神喪失等で重大な他害行為を行った者に対し、継続的かつ適切な医療を施し、必要な観察及び指導を行うもので、症状を改善して、再他害行為を防止し、社会復帰を促進するため設置したもので、警備員が常駐する二重の出入口など必要な施設整備が施されている。
なお、措置入院については、精神保健福祉法に定めるもので、触法患者だけではなく、自傷他害のおそれのある精神障害者に対し実施するものである。特に精神医療の特徴として、精神病患者等が関わった大きな事件を契機に制度が大きく変わることがあるとのことである。
次に、依存症対策について、入院患者の多くはアルコール依存症で、次いで覚せい剤と続いている。危険ドラッグについては、一次期増加したが、法整備や取締りが進んだことで減少傾向にある。精神疾患全体にも言えることではあるが、依存症では特に、薬物治療や解毒も重要であるが、行動修正プログラムをはじめとした、医師や依存症経験者との個人、グループでの面談を通じた問題の整理、周囲の理解や自ら立ち直るための動機付けが重要であることから、これらの取組に力を入れているとのことである。
概要説明の後、委員から活発な質疑が行われた。その中で、「薬物をはじめとする依存症の患者は、一度治っても再発する場合が多いと聞くが再入院は多いのか」との質問に対し、「少なくはない。本人の意思も重要であるが、社会復帰後の環境などにより再び薬物等に手を伸ばすケースも多いことから、生活環境の見直しやそれに対する支援が重要と考えている」との回答があった。
概要説明や施設見学を通じて、埼玉県立精神医療センターの運営状況について理解を深めることができ、決算審査の参考となった。
埼玉県立精神医療センターにて
(埼玉県新三郷浄水場の運営状況について)
埼玉県新三郷浄水場は、急激な人口増加による水需要への対応と地盤沈下の防止を図るため、平成2年に給水を開始した。浄水処理された水は大久保系・庄和系の二系統の送水管へ送られ、県南、県東部地域の受水団体の水道水となるとともに、県内に広がる水道の効率的な水運用及び安定給水に寄与している。
また、平成22年4月にオゾン酸化と生物活性炭吸着処理を組み合わせた高度浄水処理施設が稼働し、より安全で良質な水づくりの強化を図った。
平成27年度は、前年度から着手している浄水場の耐震化工事のうち、薬品沈でん池の工事を実施した。
そこで、埼玉県新三郷浄水場の運営状況について調査する。
埼玉県新三郷浄水場では、水道用水供給事業として、三郷市をはじめとする5市1企業団に水道用水を供給しており、1日の平均送水量は、241,692㎥で、給水人口は約100万人である。利根川水系江戸川から取水しており、水源は、下久保ダム、北千葉導水路、利根川河口堰を利用している。
同浄水場の最大の特徴は、オゾンと生物活性炭を利用した高度浄水処理を実施していることである。
これは、取水口が江戸川下流部であることから、水質の低下が著しく、かび臭やトリハロメタンへの対応の必要性が高まってきたこと、水道、水質基準の強化により水道水に対して高い安全性が求められるようになったことから、平成22年4月に高度浄水処理施設が稼働した。
オゾンは強い殺菌能力があり、水中のかび臭の原因となる有機物や発がん性のあるトリハロメタンを分解することができる。
当日は、実験装置を用いてインクを投入して赤色に染まった水にオゾンを通して、有機物であるインクを分解して無色にする実験を行い、オゾンの殺菌効果について説明を受けた。
また、浄水発生土については、平成27年度は約6,500トンをセメント資材として再利用しており、発生材の有効活用に取り組んでいる。
浄水場の施設については、耐震化を進めているが、他の浄水場比べ、東京湾北部地震の影響を受けやすい立地であることから、他の浄水場に先駆け、平成29年度までに完了する計画で、耐震化工事を順次進めている。耐震工事完了後は、震度6強の揺れにも耐える施設となる予定とのことである。
概要説明の後、委員から活発な質疑が行われた。その中で、「送水している水は全量高度浄水処理されたものなのか。また、高度浄水処理を行わない時期等はあるのか」との質問に対し、「高度浄水処理施設のメンテナンスの都合上、年間で2か月間は、半分の量が通常処理となっている」との回答があった。
概要説明や施設見学を通じて、埼玉県新三郷浄水場の運営状況について理解を深めることができ、決算審査の参考となった。
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