人材育成・文化・スポーツ振興特別委員会視察報告
調査日
令和6年7月17日(水曜日)
調査先
株式会社ePARA(オンライン調査)
調査の概要
(障害者eスポーツの普及について)
【調査目的】
■本県の課題
- 人生をより豊かにするスポーツを、障害者をはじめ、誰もが様々な形で楽しむことができる機会を増やすため、多彩なスポーツ大会やイベント、環境を整える必要がある。
■視察先の概要と特色
- 株式会社ePARAは、障害者の活躍支援、就労支援を目的として設立され、年齢・性別・時間・場所・障害の有無を問わず参加できるeスポーツを「バリアフリーeスポーツ」と評し、様々なイベントや企画の運営・支援を行う事業を展開している。
- また、民間企業や地方自治体などと連携し、障害者が自分らしく輝くことができる社会を目指した実証実験や取組を実施している。それらの取組は、JR東日本が主催するピッチコンテストで大賞を受賞するほか、トヨタ・モビリティ基金のアイデアコンテストでファイナリストに採択されるなど、多くの評価を受け、注目を集めている。
- 令和3年には、クラウドファンディングを活用し、バリアフリー対応かつeスポーツイベントに対応できる配信環境が整った、誰もが気軽に利用できるeスポーツ施設「Any%CAFE(エニーパーセントカフェ)」を整備した。
【調査内容】
■聞き取り事項
- eスポーツを起点に、夢や希望を持つ障害当事者が躍動する共生社会、障害の有無に関わらず誰しもが輝ける社会の実現を目指し、環境づくりに取り組んでいる。
- 「バリアフリーeスポーツスクール」の取組では、障害当事者が講師となる点が大きな特徴であり、参加者にeスポーツを教え、体験してもらうプログラムである。各地でイベントも開催しており、健常者をはじめ多様な方との交流が生まれている。埼玉県でも、塙保己一学園に伺い交流を深めた。
- 日本に1,160万人いる障害者のうち、就労しているのは64万人である。障害者雇用の推進が求められる中、障害当事者と雇用主とのマッチングを図る逆求人型就活イベント「ePARA就活フェス」を開催した。障害当事者がプレゼンターとなり、ゲーム活動を就労へのPRにつなげる「逆求人」のスタイルが特徴である。
■質疑応答
Q:行政との連携が非常に重要だと考えるが、行政に期待することは何か。
A:イベントの開催はスポンサー収入に頼らざる得ない現状がある。活動費のサポートや地元企業との連携が更に進むと、活動の幅が広がり、活躍できる方が増えていく。
Q:行政と取り組んだ事例はあるのか。
A:岩手県八幡平市では、企業版ふるさと納税を活用し、車椅子や全盲の方などと交流ができる、東北地方最大級のeスポーツイベントを実施した。また、埼玉県美里町では、官民連携プログラムを活用し、高齢者向けイベントの開催を予定している。今後も行政との連携を増やし、地方創生にeスポーツを活用していきたい。
Q:今後の方向性や展望をどのように考えているのか。
A:言語、障害の壁を越えて活動を広げている強みがあるeスポーツを、コミュニケーションのハブとして活用し、埼玉県、また世界の様々な方との交流が広がるよう事業を推進していきたい。