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掲載日:2024年6月10日
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令和6年2月1日(木曜日)
(1) (株)スーパーアリーナ(さいたまスーパーアリーナ)(さいたま市中央区)
(2) (公財)埼玉県公園緑地協会(埼玉スタジアム2○○2)(さいたま市緑区)
(出資法人における特色ある取組について)
(株)さいたまアリーナは、県有施設である「さいたまスーパーアリーナ」や「けやきひろば」の運営・管理を主たる目的に、本県や周辺自治体、民間企業の出資により平成9年に設立された。
さいたま新都心の中核施設として、コンサートやスポーツイベント、集会や展示会など、多彩なジャンルのイベントが開催されているほか、自主企画や共催事業としてビール祭りやクリスマスマーケットを開催するなど、新都心エリア全体のにぎわい創出に努めている。
同法人が運営する施設における特色ある取組を視察することで、今後の施策の参考とする。
さいたまスーパーアリーナの最も大きな特徴は、大規模な音楽イベントや展示場等として使用される「スタジアム」や、インドアスポーツ等で使用される「メインアリーナ」等、イベントの規模や内容に応じて理想的な会場レイアウトを作り出せる点である。この多様な会場レイアウトを可能にするのが、幅126メートル、高さ41メートルのムービングブロックである。このムービングブロックが客席やトイレなどの施設と共に70メートル水平移動し、更にスライド式可動席機構と連動することによって、最大約37,000人の観客が収容可能となっている。このように多くの観客が来場する同施設では、イベント開催時にいかに効率良くトイレを回転させるかが開業当初から課題となっていた。そこで同社はトイレの増設や個室トイレの扉にプレートを付けて、奥行きのあるトイレの使用状況が一目で判るような工事を県に提案し、県と共に整備した。また、春と秋に開催しているビール祭りでは、キャンプエリア席やオリジナルビールの販売など話題性の高い企画を実施することで、令和5年度は春、秋共に過去最高の売上げとなった。
このように同社では、ムービングブロックの特性を最大限生かして、主催者の細かい要望に対応しており、コンサートや格闘技、展示集会等の積極的な誘致や継続的な利用につなげている。また、自主企画イベントの拡充や新都心エリアマネジメントの活動などにより、施設への来場者数の増加と地域へのにぎわいの波及に努めている。
概要説明を受けた後、委員からは活発な質問が行われた。その中で「施設の大規模改修工事による経営や周辺のにぎわいへの影響について、どのように考えているのか」との質問に対し、「大きな柱であるイベント関係収入がなくなるため、経営に与える影響は大きい。工事の影響がないけやきひろばで、どのようなにぎわいが創出できるか検討を進めている。例えば、自主企画イベントの実施や外部イベントの誘致も検討していきたい」との回答があった。
その後、メインアリーナやイベントによって男女比が変えられるフレックストイレなど施設内の設備を見学した。今回、同施設を視察できたことは、出資法人における特色ある取組を推進していく上で、大変参考となるものであった。
(出資法人におけるスポーツ・文化の振興に関する取組について)
(公財)埼玉県公園緑地協会は、埼玉県内の公園その他の公共施設の管理運営に関する事業を通じて、緑豊かな憩いの環境を創造するとともに、スポーツ・レクリエーション等の場を提供し、県民の健康の増進に寄与することを目的として、昭和46年に設立された。
同協会が指定管理者として管理・運営している埼玉スタジアム2○○2では、サッカーの振興以外にも、マラソン大会やアーバンスポーツ体験などのスポーツイベント、地域祭りなどの文化的イベントも誘致している。
同法人が運営する施設におけるにおけるスポーツ・文化の振興に関する取組を視察することで、今後の施策の参考とする。
埼玉スタジアム2○○2公園は、サッカー場である埼玉スタジアム2○○2を主要施設として、サブグラウンド3面、フットサルコート2面を備えたサッカー環境を主軸とした公園である。スタジアムで主に浦和レッドダイヤモンズのホームゲームが開催されているほか、スタジアム内にある会議室や、公園内にある天然芝の広場やジョギングコース、3on3のバスケットコート、イベント利用可能な大型駐車場などでサッカー以外の多様なイベントが数多く開催されている。
埼玉スタジアム2○○2は、観客席数63,700席を誇るアジア最大級のサッカー専用スタジアムであり、日本代表戦などで数々の名勝負が繰り広げられてきたサッカーの聖地である。同協会では、日本代表戦や国際試合を積極的に誘致するだけでなく、Wi-Fiの整備やウォーミングアップルームの改修など選手目線の投資を実施することで、「埼スタ」のブランド価値向上に努めている。
また、サッカー以外のスポーツも楽しめる公園として、スケートボードやダンス、フリースタイルバスケ等のアーバンスポーツ体験や、マラソン大会、クリテリウムなど多様なイベントを誘致している。スポーツ以外のイベントも誘致しており、ペデストリアンデッキ下を利用したフリーマーケットのほか、会議室を利用した展示商談会や駐車場を利用した自動車販売の試乗会などの商業イベント、広場を活用した地域祭りなど文化的なイベントも多数開催されている。
このように同協会では、既存の施設や空間をうまく利活用しながら、経営方針の一部でもある「魅力ある公園づくりと利用者の拡大」に努めている。
概要説明を受けた後、委員からは活発な質問が行われた。その中で「災害時は防災活動拠点になるということだが、どのような取組を行っているのか」との質問に対し、「備蓄倉庫に食料品や生活用品などを備えており、災害時は避難場所としてではなく集めた援助物資を輸送する活動拠点となる。能登半島地震の発生を踏まえ、今後はイベント等で防災の啓発活動をしていきたい」との回答があった。
その後、ウォーミングアップルームやメインピッチなどスタジアム内を見学した。
今回、同施設を視察できたことは、本県におけるスポーツ・文化の振興を推進していく上で、大変参考となるものであった。
(公財)埼玉県公園緑地協会(埼玉スタジアム2○○2)にて
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