ページ番号:254289
掲載日:2024年6月10日
ここから本文です。
令和6年2月5日(月曜日)
株式会社東洋ゴムチップ(群馬県前橋市)
(サーキュラーエコノミーの推進について)
大量生産・消費型の経済活動(リニアエコノミー)から、資源が循環していく経済システム(サーキュラーエコノミー)への転換は社会課題の解決には不可欠であり、本県でも県内産業の成長と資源の循環利用を両立するため、企業への補助制度や県民への啓発事業を通してサーキュラーエコノミーを推進している。
株式会社東洋ゴムチップは、関東・東海を中心にサーキュラーエコノミー・カーボンニュートラルを推進する企業グループのエンビプロホールディングスのグループ会社で、ゴム製品の製造とリサイクル業を行っている。
同社及びグループ会社の取組を視察することで、本県におけるサーキュラーエコノミー推進の参考とする。
ゴム製品は、製品によってゴムや金属の配合が多岐にわたることから、一般的にリサイクルすることが難しい性質がある。既存の製品は焼却時に熱回収を行うのみで、その他はリサイクルされず埋立てによる処分が主流である。
同社はトラックの廃タイヤ、自動車のパワーウィンドウのゴム部分、ゴム製品を製造する際に出るこれまで廃棄されていたゴムの端材等を回収し、製品に含まれる金属等とゴムを分離させる事業を自社工場で行っている。その後、分離したゴムをゴムチップに作り替え、それを用いて環境負荷が低いクッションマット等を製造している。クッションマットはスポーツ施設、公園やサッカーグラウンドの床材、工場や工事現場のマット、踏切のパネル等に利用されている。
同社を擁するエンビプロホールディングスからは、グループ全体の戦略コンセプトを「モノづくりを支えるCE(サーキュラーエコノミー)」と「地域を支えるCE」の二つの柱に分けて取り組むことで、それらの具体的事例を他社に先駆けて多く実現し、日本全体にサーキュラーエコノミーの機運を高めていくとの説明があった。具体的には、モノづくりの面ではリサイクル能力の高い製品の研究・開発を行いつつ、地域を支える面では自治体とのパートナーシップ構築による地域の資源行政の高度化と地域住民の資源回収サービスの提供等を行い、中長期的にはサーキュラーエコノミーを通した地域活性化、地方自治体のごみ行政におけるサーキュラーエコノミーの実現を目指している。
「モノづくりを支えるCE」とは、今回視察した同社のような、従来では廃棄せざるを得なかった廃タイヤ等からリサイクル可能な部分を分離させてリサイクル性の高い製品の製造・研究を行う取組等を指す。また、「地域を支えるCE」の取組としては、長野県安曇野市で市民が24時間資源ごみを持込み可能な資源循環センターを運営しており、回収した資源物の収益の一部を地域に還元している。
今回同視察先を調査できたことは、本県におけるサーキュラーエコノミーの推進のために大変参考となるものであった。
株式会社東洋ゴムチップにて
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください