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掲載日:2023年11月27日
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令和5年9月4日(月曜日)~5日(火曜日)
(1)長野県(長野県長野市)
(2)イー・ステージ株式会社(長野県小諸市)
(太陽光発電の普及に関する取組について)
長野県は、「2050ゼロカーボン」の目標を掲げ、その達成に向けて「信州の屋根ソーラー普及事業」として、個人・事業者向けに複数の取組を実施している。
令和元年には「信州屋根ソーラーポテンシャルマップ」を作成し、県内のどこに太陽光発電設備を設置できるかを、一般の方も一目でわかるように整理して公開している。
また、事業者向けの「おひさまBUN・SUNメガソーラープロジェクト」により、太陽光発電パネルの設置場所として県有施設の屋根を事業者に貸与する(=屋根だけ貸す)という珍しい取組を実施している。
本県では、埼玉県地球温暖化対策実行計画(第2期)を策定し、カーボンニュートラルの実現・温室効果ガス削減目標を定めたところであるが、目標の実現に向けて個人・事業者にどのように取り組んでもらうかが課題である。
当該取組を視察することにより、本県におけるカーボンニュートラルの実現、温室効果ガス削減の取組の参考とする。
長野県は、令和元年東日本台風で県内に大きな被害を受けたことをきっかけに、令和元年12月に気候非常事態を宣言した。気象災害が頻発する要因は気候変動にあると捉え、気候変動への対策として「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」を掲げた。
そのため、長野県が実施しているカーボンニュートラルに関連する各取組は、気候変動対策、それによる災害に強い地域づくりを最終的な目標と位置付けている。
今回の視察では、長野県が実施している多数の取組のうち、特に(1)信州屋根ソーラーポテンシャルマップ(2)信州の屋根ソーラー認定事業者制度(3)グループパワーチョイス(共同購入)制度(4)再生可能エネルギー普及総合支援事業(5)エネルギー自立地域創出支援事業(6)おひさまBUN・SUNメガソーラープロジェクトの6点について詳細に説明を受けた。
このうち、グループパワーチョイス(共同購入)制度は、太陽光発電設備及び蓄電池の購入希望者を広く募り、多くの人が一括で購入することで市場価格よりも安価に購入できる仕組みである。購入者は個人で購入するよりも割安で購入でき、事業者はある程度まとまった数の設備を一度に販売できるため、双方にメリットがある制度とのことであった。
また、再生可能エネルギー普及総合支援事業については、太陽光発電や小水力発電の初期費用負担の大きさがネックとなっている事業者に対して収益納付型補助金により支援を行っている。
各種取組や補助金制度を組み合わせることにより、民間事業者や個人が太陽光発電設備をはじめとした再生可能エネルギー施設設備を導入しやすい環境を整えている。
概要説明後、委員からは各事業における費用対効果や課題について活発な質問が行われた。その後は千曲川流域下水道事務所へ移動し、上記の取組のうちおひさまBUN・SUNメガソーラープロジェクトにより太陽光発電パネルを設置している庁舎屋上の様子を、詳細な説明を受けながら見学した。
今回視察先を調査できたことは、本県におけるカーボンニュートラル実現、温室効果ガス削減に向けた取組を充実させるために大変参考となるものであった。
長野県にて
(再生可能エネルギーの活用について)
イー・ステージ株式会社は産業廃棄物の処理及びその再資源化を主に担っている一般廃棄物・産業廃棄物処理業者である。特に蛍光灯の処理については、施設内で破砕・水銀の除去を行って蛍光管のガラス洗浄を行い、リサイクル可能なガラス原料に戻すなどの処理を行っており、これは長野県では同社のみができる処理である。
ホームページで施設見学を常に受け付けるなど、自社の取組を積極的に発信している会社であり、同社の最終処分場跡地に植樹活動を行うなど、自然再生に関する取組の実績もある。
本県は一般廃棄物の最終処分場の一人当たりの残余量が低い水準であり、廃棄物の抑制・リサイクルの推進・一般廃棄物の再資源化が課題である。産業廃棄物の再資源化をはじめとする廃棄物処理業者の取組について視察することで、本県の施策の参考とする。
同社の社名は、Ecology、Environment、Education、Earthの4つのテーマの頭文字を取って命名されたものである。同社は廃棄物の処理を地球の自然の循環システムの一部と捉え、日々のごみの処理(破砕、焼却、再資源化)を行っている。
同社は昭和59年の創業以来、長野県内を中心に一般廃棄物・産業廃棄物の処理及び再資源化を行ってきた。その中で、長野県の豪雨災害廃棄物の処理、新潟県中越沖地震の災害廃棄物の処理等の社会貢献的な業務も担っている。また、平成19年には自社の最終処分場の跡地に20,000本の植樹を行うなど、創業以来自然再生・環境保護の取組も積極的に行っている。令和4年度は、長野県外の15都県の自治体とも取引を行っており、本県の八潮市リサイクルプラザや川越市資源化センターからも一般廃棄物を一部受け入れている。
視察においては、同社の沿革及び施設について一通り概要の説明を受けた後すぐに見学を開始する形で、施設の見学が中心となった。
施設見学では、乾電池処理施設、ダンボール・プラスチック圧縮施設、溶融固化施設、蛍光管処理施設、焼却施設、管理型最終処分場、破砕施設、ペットボトル圧縮施設を順に見学した。見学途中には一般の方が廃棄物を持ち込む様子も見られた。
各施設の見学を通して適宜委員が質問をする形となったが、このうち乾電池処理施設では、乾電池以外の電池が持ち込まれた際の分別の方法、1日に処理できる乾電池の量などについて複数の委員から積極的な質問が行われた。また、蛍光管処理施設の稼働状況やガラス原料へのリサイクル率、焼却施設の設備の仕組み、回転しながら運用されている理由等、見学を通してそれぞれの施設で複数回質問する委員が多かった。また、ペットボトル圧縮施設では地元の市町との分別方法の違いについて質問する委員も見られた。
今回視察先を調査できたことは、本県における再生可能エネルギーの活用の取組を推進する上で、大変参考となるものであった。
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