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ページ番号:264838

掲載日:2025年2月21日

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県土都市整備委員会視察報告

調査日

令和6年11月18日(月曜日)

調査先

(1)千葉公園(千葉県千葉市)

(2)新大宮上尾道路・宮前地区(さいたま市)

調査の概要

(1)千葉公園

(Park-PFIを活用した公園整備について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 都市公園の整備においては、公園施設を適切に更新し、質を向上させることが重要である。財政制約等が深刻化する中では、民間の優良な投資を誘導し、公園管理者の財政負担の軽減を図る形での整備を検討する必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 千葉公園は、Park-PFIを活用し、本年4月から民間事業者による管理運営を開始している。
  • 同公園は、「いつでも だれでも くつろげる“わたしの芝庭”」をコンセプトに、令和5年度から8、000平方メートルの芝生広場を中心とした整備を進め、本年4月にリニューアルオープンした。
  • 代表企業である大和リース株式会社(以下、同社。)は、千葉公園のほかにも数多くの公園関連事業を手掛けており、令和6年9月時点で32件の実績がある。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 千葉公園関連整備事業は、平成28年に策定された千葉駅周辺活性化グランドデザインの先行プログラムの一つとしてスタートし、令和元年8月に千葉公園再整備マスタープラン策定、令和3年に公募指針が発表された。令和4年2月に大和リースグループが事業者に選定され、令和5年5月に工事に着手し今年3月に工事完了した。
  • 特定公園施設である芝生及びおおやねの整備費用は、千葉市が6億7、400万円、同社が7、500万円負担している。公募対象公園施設は同社負担で約5億円となっている。競輪場であるチップスタードーム前は千葉市が設計・整備し、同社が管理許可に基づいて管理している。
  • 特色としてはパンプトラックが挙げられる。BMXやマウンテンバイク、スケートボード等、国際レースが開催可能な規格のコースであり、今年夏には、パリ五輪BMXフリースタイルで5位入賞した中村輪夢選手にBMXの演目を披露していただいた。
  • リニューアル後、スマートフォンの位置情報などを基に人流データを計測したところ、4月26日のグランドオープンからゴールデンウィークまでの9日間だけで10万人弱を計測した。通常、梅雨には来園者が減少するが、千葉公園の名物の一つである大賀ハスの開花時期であり、テナントの売上げも順調に推移した。その後は猛暑により、8月には14万人まで来園者が減少したため、今後は暑い中どのように来園者を増やすかについて、民間でいろいろな施策を考えなければならないとのことだった。

■質疑応答

Q:Park-PFIによって、財政面・収益面はどのような改善が図られたのか。

A:千葉市では、再整備による財政効果を1億8、300万円ほど見込んでいる。内訳は、民間が負担する特定公園施設の整備費用として、先ほど申し上げた7、500万円に加え、今後20年間で民間が負担する管理運営費用や市への許可使用料などである。

Q:PFI事業は成り立つのか。売上げへのプレッシャー等はないのか。

A:現在は、千葉市からの年間3600万円の管理運営負担金により、非常に安定した経営状況で管理できている。しかし、千葉市のシナリオでは、管理運営負担金を逓減することとなっており、自主事業等で収益を上げていかなければならないと考えている。

千葉公園で大和リース職員と委員の集合写真

千葉公園にて

(2)新大宮上尾道路・宮前地区

(道路事業の推進について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 道路網を多重化し円滑な交通を確保することにより、「人や物の交流」の活性化を図るとともに、災害発生時には、代替ルートの確保により、迅速な避難や救援物資等の円滑な輸送等、「災害に強い県土」の形成を図る必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所では、都心へのアクセス向上、渋滞緩和により追突事故の減少、信越・東北方面との広域連携強化などを図るため、新大宮上尾道路の整備を進めている。
  • 新大宮上尾道路は、国道17号の慢性的な交通渋滞の緩和や埼玉県中央地域の健全な発展などを目的とする高架構造の自動車専用道路である。
  • 宮前地区の工事に当たっては、遠隔での橋りょう基礎工事やBIM/CIMによるMR(複合現実)を活用した施工管理など、インフラDXを活用した施工を行っている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 新大宮上尾道路は、平成元年度にさいたま市中央区円阿弥地先から鴻巣市箕田地先まで都市計画決定され、平成29年度から事業に着手している。現在は、与野JCT(仮称)から宮前地区までの幅員確保のため用地買収を行うとともに、与野出入口の付替え工事及びで橋りょう基礎工事を進めている。
  • 基礎工事における基本的な基礎の径は6mで、地下に埋まる部分は一番深いところで56.5mとなる。中央分離帯の狭い中での施工となるため、狭あいな場所や建物、鉄道等の近接している箇所で有効なスリムケーソン工法という特殊な工法を用いている。
  • 掘削作業は水深10m程度までは有人で行うが、ダイバーと同じように加圧・減圧が必要となる。最終的には水深40m程度の圧力となり、1時間半の作業に対して2時間半の減圧が必要となるため、その間作業が中断する。そのため、水深10m以降は、モニターでショベルを操作し、無人の状態で遠隔で掘削を行っている。
  • インフラDXとして、BIM/CIMによるMRの活用を行っている。平面図での打合せでは、各自が頭の中で想像するためメンバー間で認識の相違があったが、MRでは全員が同じものを見るため、相違が解消された。また、現地踏査においても、等身大の映像を映し出すことができ、課題抽出の精度が上がったほか、これまでは全員が現場に行っていたが、ウェブ会議での参加も可能となり、調査の効率化が図られた。

■質疑応答

Q:スリムケーソン工法において、最後に、筒状の基礎の中に水を入れるということだが、コンクリートではなく水を入れるのはなぜか。

A:基礎が軽いと浮力がかかり、重いと地盤が耐え切れず沈んでしまう。設計上適した重量が必要であり水を用いているものと考える。工事によっては土とすることもある。

Q:加圧減圧して調整しているとしても、勤務時間を適切に管理しなければ、労働者の負担が過剰となり仕事が続けられないのではないか。

A:圧力の高い環境下では、酸素を吸いすぎてしまい酸素中毒となるおそれ等があり、1週間単位や1日単位で数値基準が設けられている。その基準により勤務時間を調整しており、例えば、水深40mであれば1回あたり90分までの作業としている。

スタッフと委員がヘルメットをかぶり2列に整列している様子
新河岸水再生センターにて

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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