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掲載日:2023年5月23日
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平成30年7月24日(火曜日)~25日(水曜日)
(1) 横須賀リサーチパーク(横須賀市)
(2) さがみロボット産業特区プレ実証フィールド(相模原市)
(産業団地の運営と通信技術の研究について)
横須賀リサーチパークは、平成9年に開設された、電波・情報通信技術を中心としたICT技術の研究開発拠点であり、公的研究機関や、国内外の先進企業の研究所及び大学の研究機関が多数集積している。
本県においても、産業団地及び通信網の整備に取り組んでいることから、視察先の取組を調査し、今後の施策推進の参考とする。
横須賀リサーチパークは、昭和47年に開業した日本電信電話公社横須賀電気通信研究所(現:NTT横須賀研究開発センタ)に隣接する丘陵地に、郵政省(現:総務省)、横須賀市、京浜急行電鉄(株)の三者が一体となって平成9年に開設した。周囲の三方が山や丘で囲まれた立地のため、実験用の電波が外部に出にくく、既存の宅地への影響が最小限に抑えられることから、電波・情報通信技術を中心としたICT技術の研究開発拠点として発展している。
全体計画面積は約61.7haで、昨年に分譲を完了している。基盤整備を横須賀市と京浜急行電鉄(株)が全体の分譲地や建物などの管理を京浜急行電鉄(株)が行っており、敷地内にはホテル、独身寮、レストランやコンビニがあるほか、今後、大型複合商業施設の建設予定があるなど、研究環境が充実している。
運営については全体構想の策定を行う「YRP研究開発推進協会」(非営利団体)や事業運営を行う「(株)横須賀テレコムリサーチパーク」(第3セクター)により、各種の研究実験施設、テスト環境やフォーラム等が設けられ、イベント、研修、企業連携のマッチングや研究受託事業などに取り組んでいる。
特に受託事業の中でも、現在、横須賀市におけるハイブリッドLPWAの検証用環境の構築について取り組んでおり、今後の産業団地や地域社会のIoT導入のための基盤整備に向け、結果が注目されているとのことであった。
また、同パーク内には、情報通信分野を専門とする我が国唯一の公的研究機関として、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が進出しており、ICTの研究開発を基礎から応用まで統合的な視点で推進し、同時に、大学、産業界、自治体、国内外の研究機関などと連携し、研究開発成果を広く社会へ還元し、イノベーションを創出することを目指している。
概要説明を受けた後、LPWA通信などについて委員から活発な質疑が行われ、その後、国立研究開発法人情報通信研究機構の研究施設を見学した。
本県においても、産業団地及び通信網の整備に取り組んでいることから、今後の施策を推進していく上で、大変参考となるものであった。
横須賀リサーチパークにて
(ロボット開発実証フィールドの整備について)
神奈川県は国の総合特区制度を活用し、「さがみロボット産業特区」において生活支援ロボットの実用化や普及を促進するとともに、関連企業の集積を進めている。
また、元高校の設備や広大な敷地を利用した「プレ実証フィールド」において、ロボット開発を行うに当たり必要となる、実際の使用環境での実証に備えたプレ実験を行う場を企業等に提供している。
本県においても、実証フィールドの整備に取り組んでいることから、視察先の取組を調査し、今後の施策推進の参考とする。
神奈川県では、国から地域活性化総合特区の指定を受けた、さがみロボット産業特区において、規制緩和や総合的な支援措置を行うことで、高齢化社会における介護負担の増加や災害時の捜索などに対応する生活支援ロボットの実用化や普及を促進するとともに、関連企業の集積を進めている。
企業への具体的な支援策としては、ロボット産業への参入や開発段階では、共同研究開発の形成やマッチング、開発費の補助を行っている。ロボットの試作段階では、プレ実証フィールドの提供やロボット実証実験の調整、経費の補助を行っている。ロボットの商品化や普及段階では、使用体験会やモニター利用の調整、同特区の取組で商品化されたロボットを購入する際の補助などを行っている。さらに、ロボットの実用化に向けて必要となる規制緩和に関しては、県が直接、国との協議を実施している。
また、県民へのメリットの見える化として、平成30年4月に、ロボットと共生する社会を体験できるモデル空間「かながわロボタウン」を辻堂駅前に整備した。平成30年9月には、セーリング・ワールドカップシリーズに合わせて、江の島で自動運転バスを利用した来場者の送迎を行う予定となっている。
実証フィールドは、同特区内にある廃校となった県立新磯高校を活用し、校舎や体育館、グラウンドといった施設跡を含む広大な敷地に、インターネット接続環境、ドローン実験用のネット、仮設プール、実験用模擬道路などを整備した空間であり、企業や研究機関等が、実際にロボットが使用される環境での実証に備えた実験(プレ実証)を無料で行うことができる。平成26~29年度における年間当たりの利用状況は、実験ロボット数17.5件、延べ利用日数198日となっている。
また、整備に当たっては、周辺住民と話し合いを重ね、ドローン実験に対するプライバシーの確保、実験全般における騒音対策、土日のグランドの解放など、地元への配慮がなされているとのことであった。
概要説明を受けた後、同県のロボット産業への取組や実証フィールドの整備などについて委員から活発な質疑が行われ、その後、プレ実証フィールドを視察した。
今回の視察は、実証フィールドの整備を促進していく上で、大変参考となるものであった。
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