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掲載日:2025年2月21日

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産業労働企業委員会視察報告

調査日

令和6年11月20日(水曜日)~21日(木曜日)

調査先

(1)アイリスオーヤマ株式会社角田I.T.P(宮城県角田市)

(2)七日町商店街振興組合・山形まちづくり株式会社(山形県山形市)

調査の概要

(1)アイリスオーヤマ株式会社角田I.T.P

(特色あるものづくりと障害者雇用の取組について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 企業の成長・発展に向けた支援を行うことで、企業の「稼げる力」を向上する必要がある。また、企業における障害者雇用を支援することで、誰もが活躍し共に生きる社会の実現を目指していく必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 同社は、メーカー機能と問屋機能を併せ持つ独自の「メーカーベンダーシステム」を構築し、生活者目線で物事を捉え、不満や不便を解決するものづくりに取り組んでいる。
  • 毎週月曜日に開催される開発部門と経営陣が参加する新商品開発会議を経て、年間約1、000もの新商品が開発され、総売上高に占める新商品売上高の割合は6割以上を占めている。
  • また、障害者の雇用にも力を入れており、障害を持つ従業員を指導・支援しながら業務を行う「スペシャルパートナー事業部(以下「SP事業部」という。)を全国各地に設けている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 同社は、プラスチック製品の製造販売から事業を開始し、2000年代までは家庭内の生活者の不満を解決する「ホーム・ソリューション」を掲げていた。東日本大震災以降は日本の社会課題を解決する「ジャパン・ソリューション」を進めながら、企業の成長につなげている。
  • 令和5年6月からは、各自治体と地域包括連携協定を締結しており、行政課題の共有・解決に向けて取り組んでいる(視察日時点で7自治体と締結)。
  • コロナ以降、大量の新卒社員を採用しており、社員全体の分母が大きくなったことから障害者の法定雇用率が未達の状況にあったが、同社独自の取組の結果、昨年度は法定雇用率を達成している。
  • SP事業部で行う作業は、全て社内で業務の切り出しを行ったもので、外部からは受注していない。仕事を依頼した部署は雑務が減り、仕事を受けた側(SP事業部)は障害者の雇用につながるため、両者にとって利点がある仕組みである。

■質疑応答

Q:自治体と締結している地域包括連携協定の具体的な内容はどのようなものか。

A:防災関連の協定が特に多いが、省エネ関係や同社のECサイトを活用したふるさと納税・販路拡大など多岐にわたっている。

Q:再来年度には、障害者の法定雇用率の引上げなどの制度改正が行われるが、これに対する見込みはどうか。

A:改正後の雇用率2.7%に対して、同社の直近の雇用率は2.65%である。最終的には全工場にSP事業部を設置する予定もあり、達成に支障はないと考えている。

Q:年間に開発する新商品の数は、社内の目標として設定されているのか。

A:追随型の業界であり競争が厳しいことから、新商品の開発なしには収益性が確保できない。開発する新商品の数をKPIに設定し、社内一丸となって取り組んでいる。

アイリスオーヤマ社内で委員とスタッフの集合写真

アイリスオーヤマ株式会社角田I.T.Pにて

(2)七日町商店街振興組合・山形まちづくり株式会社

(商店街の活性化について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 地域コミュニティの核として大きな役割を果たす商店街の活性化を図ることで、地域経済や地域社会の健全な発展を支援していく必要がある。。

■視察先の概要と特色

  • 同商店街は、山形駅から徒歩10分圏内に位置し、集積率・集客率・販売額ともに県内随一を誇る商店街である。同商店街では、山形まちづくり会社と連携し、地域を挙げて積極的な事業展開を進めている。
  • 来街者と住民のニーズに対応するため、多様なまちづくりを展開してきたが、百貨店閉店やコロナ禍への突入などの苦境にさらされていた。
  • そこで、関係機関(商店街、まちづくり会社、民間事業者、行政等)で統一したまちづくりビジョンを策定することで、「変化とニーズに応える居心地が良く過ごしやすいまちづくり」を実現している。
  • この取組等が評価され、中小企業庁の「地域にかがやくわがまち商店街表彰2024」に選定されている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 同商店街は、商店街自体が自主財源を確保・経済的に自立し、その財源で商店街に投資を行い、デベロッパー的立場で60年間にわたり、まちづくりを進めてきた。
  • まちづくりの原点は掃除であると考え、1962年以降、毎月7日午前7時から一斉朝清掃を実施している。まちに対する愛着や想いが造成され、イベントを実施する際の団結にもつながっている。
  • 地元百貨店閉店後も、七日町エリアでは新規居住者が多く、毎年新規創業が10件以上あり、地価も上昇し続けている。
  • 令和5年度には、UR都市機構と連携し、商店街・行政など含め20~40代の若手のみでプロジェクトを作り、「最高にちょうどいい。七日町」をコンセプトに「新たな商店街まちづくり構想」を策定している。

■質疑応答

Q:様々な取組がうまくいった秘訣はどのようなものか。

A:この20年間徹底して民間投資を進めてきたことである。行政からの補助金に頼るのではなく、民間投資を進めた結果、行政からも後押しがもらえるようになり、成功につながったと考えている。

Q:商店街への加入を促す条例があるとのことだが、加入状況はいかがか。

A:過去最高の加入状況であり、全国チェーンの店舗も加入しているのが大きな特徴である。加入することでまちづくりに関する最新の情報が得られることが、全国チェーンの加入店にとってもメリットになっている。

Q:若手から意見を取り入れる動きはいつ頃からあったのか。

A:ここ10年から20年の動きである。世代交代もある中で、地元の重鎮を集めるよりも、七日町のこれから良くしたいという思いを持つ方に幅広く集まっていただき、自由に意見交換をしていただいた。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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