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掲載日:2024年9月18日

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文教委員会視察報告

調査日

令和6年5月29日(水曜日)~30日(木曜日)

調査先

(1)滋賀県立虎姫高等学校(滋賀県長浜市)

(2)石川県立図書館(石川県金沢市)

調査の概要

(1)滋賀県立虎姫高等学校

(国際バカロレア認定校の取組について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 急速なグローバル化が進展する変化の激しい社会を生き抜くため、基礎的・基本的な知識や技能とともに、地球規模の課題を自ら発見し、解決に向けた行動を起こすことができる人材の育成が課題となっている。

■視察先の概要と特色

  • 国際バカロレアは、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探求心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としている。
  • プログラムの最終試験等の結果により合格すると、日本を含む世界125カ国以上の大学が入学資格として認めている国際バカロレアの資格が取得できるなど、大学入試での活用も広がっている。
  • 虎姫高校では、日本の高校卒業資格と国際バカロレアの資格を両方取得することが可能である。授業では、探求活動、グループディスカッション等を通じて、思考、コミュニケーション、社会性などの能力・スキルを身に付けることを重視している。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 滋賀県は比較的まだ人口を維持しているが、虎姫高校が位置する県北部は人口減少や少子化が進んでおり、大きな社会課題となっている。虎姫高校は以前は7クラス規模であったが、現在は5クラス規模になるなど生徒が減っている。また、県北地域から県南地域の高校に進学する中学生が増えており、進学先として選ばれるためにも学校の魅力化、特色づくりが必要であった。
  • 虎姫高校の現在の教育目標と教育方針は国際バカロレアの導入を考えていく際に、職員全員で新たに考えたものであり、伝統的な校風や価値観に、新しく国際バカロレアなどの理念が反映されたものである。
  • 国際バカロレアの取組の成果として、生徒からはコミュニケーションスキルや思考スキルが成長したという声が寄せられている。また、国際バカロレアの資格を取得し、国内大学だけではなく、海外大学に合格する生徒も出てきている。

■質疑応答

Q:公立高校の教員は異動があると思うが、国際バカロレアのプログラムに対応した教員の維持はどうしているのか。

A:国際バカロレアの授業を担当するためには有償のワークショップを受講する必要がある。多くの先生に資格を取ってもらうように受講料等の予算措置を県が行っている。また、資格を持った教員を維持するため、異動について配慮してもらうよう県教育委員会と連携している。

Q:生徒が国際バカロレアのプログラムに参加するための費用負担への支援はあるのか。

A:高校の同窓会が公益財団法人を立ち上げ、国際バカロレアのプログラムを受講する生徒や経済的事情により進学が困難な生徒に奨学金給付による支援を行っている。

Q:国際バカロレアのプログラムを行うに当たり、教員側の反応はいかがか。

A:負担は大きいが、生徒の成長を身近で見られるなど、各教員が魅力を感じ、やりがいを持って熱心に取り組んでもらっている。

委員が校舎の前で並んでいる写真

滋賀県立虎姫高等学校にて

(2)石川県立図書館

(県立図書館の特色ある取組について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 人口減少時代、人生100年時代を迎える中、デジタル技術等を活用し、誰一人取り残すことなく、県民の学びのニーズに対応し、県民の価値を創造させ、世代など様々な境界を超えたつながりの機会を提供できるサービス展開が課題となっている。

■視察先の概要と特色

  • 基本構想の要点として「県民の多様な文化活動・文化交流の場として、県民に開かれた『文化立県・石川』の新たな"知の殿堂"」を掲げている。
  • 図書の貸出や閲覧だけではなく、公文書館機能・文化交流機能を一体的に整備しており、多様な活用を可能としている。
  • デジタルアーカイブ「SHO SHO ISHIKAWA」を整備しており、図書館の蔵書検索や登録された画像等をwebから閲覧することができる。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 基本構想実現のため、図書館の所管を教育委員会から知事部局に移管し、複合施設ではなく、あくまで図書館そのものとして公文書館機能や文化交流機能を一体的に整備している。
  • こどもエリアは、もともとは安全性の観点から県立図書館に必要かという議論があった。しかし、読書離れ・活字離れが激しい昨今の状況において、本への関わりの裾野を拡大し、読者を増やす必要があると判断したことから設置した。結果として、梅雨の時期など外で遊べない時期に子供が図書館に来るきっかけとなっている。
  • 文化交流エリアでは、「ものづくり体験スペース」や実際に調理ができる「食文化体験スペース」を設けており、本からのインプットのみならず、学んだ知識を実際にアウトプットすることを可能としている。

■質疑応答

Q:指定管理者に運営を任せることもできると思うが、県が直営している理由は何か。

A:知事部局が文化交流の場として整備をする必要があった。また、図書館が課題解決支援のサービスを求められている中で、県民の困りごとに対して、県民ニーズを把握している県庁各課と連携するには直営が望ましいためである。

Q:大閲覧空間が円形であるメリットは何か。

A:大きな地震があった際に、本が一冊も落ちなかったなど、免振機能がある。また、来館者を巡らせる効果があり、来館者と本の思わぬ出会いを演出できるところである。

Q:この図書館で大切なことは何か。

A:来館者にとって、第3の居場所、いわゆるサードプレイスとして利用してもらうこと。また、多様性の実現として、様々な来館者、職員がいる中で、何らかの行動を禁止するのではなく、許容することから始めたいと考えており、様々なことができる空間を実現できるようにしていることである。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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