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掲載日:2024年6月10日
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令和6年1月16日(火)
(1) アニメ東京ステーション(東京都豊島区)
(2) ITOKI TOKYO XORK(東京都中央区)
(県民文化の推進について)
本県においては、誰もが文化芸術に親しめる機会の充実、本県の文化芸術の多彩な魅力の発信、文化資源を活用した地域の活性化が課題となっている。
アニメ東京ステーションは、東京が誇るアニメ産業・文化・観光の更なる発展のため都が整備した展示施設である。
同施設の取組を調査することにより、本県における県民文化の推進の参考とする。
アニメは日本の重要な文化資源である。また、産業面でも海外での日本のアニメ需要は堅調に高まっており、国内のみならず、インバウンド等を含めた国外の需要もターゲットになる。同施設は、アニメ産業・文化・観光の更なる発展のため、また、アニメ・マンガが文化資源、観光資源として注目される一方、制作過程で使う関連資料をどのように保管、展示するかが課題となっていることを受け、東京都が整備した展示施設である。2023年10月31日にグランドオープンした同施設は、池袋駅から徒歩4分とアクセスが良く、周囲には東京アニメアワードフェスティバルの会場にもなっている「としま区民センター」、アニメに関するイベントが多数実施されている「サンシャインシティ」、世界最大規模のアニメショップである「アニメイト池袋本店」などがある。また、東京には数多くのアニメ制作に関わる企業が集中しており、文化振興、産業振興の双方に適した場所に立地している。
運営は東京都と協定を締結する一般社団法人日本動画協会が行っている。施設は地下1階、地上2階建てとなっている。地下1階はアニメの制作工程に関する資料を保存するアーカイブ施設となっており、一部作品の原画やシナリオ、企画書、台本、絵コンテ、セル画などを展示している。1階は総合情報プラットフォームフロアとなっており、過去から現在に至るまでのアニメのキャラクターや名シーンなどで構成されたモニュメントが設置されているほか、日本アニメの総合データベース「アニメ大全」を備え、アニメ・マンガのイベント情報等を発信するなどしている。2階は企画展示室とグッズストアなどが設置されている。今後も様々なアニメの企画展が予定されており、関連するイベント等も随時実施していく見込みであるとのことであった。
概要説明後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「施設の維持管理等には費用負担が生じる一方、入館料は無料とのことだが、東京都としてどのような狙いをもってこの施設を整備したのか」との質問に対し、「アニメの最新コンテンツと文化を発信できる拠点を整備し、同施設を中心に東京都内のアニメスポットを回ってもらうことを狙いにしている。都の費用負担は生じるものの、より多くの方々を呼び込む観点から入館料は無料としている」との回答があった。また、質疑終了後、同施設を視察した。
今回、視察先を調査できたことは、本県における県民文化の推進に大変参考となるものであった。
(働き方改革の推進について)
本県においては、生産年齢人口の減少、介護や育児など労働者のニーズの多様化を受け、多様で柔軟な働き方を選択できること、同時に、生産性の向上が課題となっている。
ITOKI TOKYO XORKは、株式会社イトーキが首都圏のオフィスを集約し、同社が考える新しい働き方とそれを実現するためのデザインがなされた新本社オフィスである。
同社の取組を調査することにより、本県における働き方改革の推進の参考とする。
コロナ禍を経て働き方は大きく変化した。テレワーク等の普及により働く場所や時間が拡散・流動化し、オンラインとオフラインが混在するハイブリッドワークの定着が進んだ。こうした中、センターオフィスに求められる役割も変化しつつある。同オフィスは、株式会社イトーキが、組織の生産性と創造性向上による新たな価値創造、社員のウェルビーイングの実現を目的とし、整備した本社オフィスである。「XORK」の名称の由来は、これまでの働き方(WORK)を次の次元へと進化させることを表現するために、アルファベット順でWの次にくるXとWORKをかけ合わせたものである。2023年には、ポストコロナにおける新たなセンターオフィスとして大規模リニューアルされた。最も生産性が高い場所、時間、相手を自己裁量で選択できる働き方であるActivity Based Working(ABW)の考え方に基づく総合的なワークスタイル戦略に「居心地」の視点をプラスし、創造性を最大化するとともに、生産性を向上し、新たなイノベーションを生み出していくことを目指している。
現在、同社では「明日の『働く』を、デザインする」をコンセプトにワークプレイス事業等に積極的に取り組んでおり、自社オフィスを「ワークスタイル・デザイン・ラボ」と位置付け、社員自らが実証実験体験を通じて洞察を深め、同時に顧客に新しい働き方のイメージを持ってもらう場としている。同オフィスは3フロアで構成され、延床面積は約7,200平方メートルである。1,000名弱の社員が在籍しているが、働く場所や時間の拡散・流動化が進む中、必ずしも全員が出社して勤務する想定ではなく50~60%の社員が出勤しても快適に勤務できるデザインになっており、現在の出社率は30~40%とのことであった。オフィスの整備に当たってはABWの考え方が取り入れられており、高集中、コワーク、アイデア出し、知識共有等、働き方を最適化するの10のアクティビティが考慮されており、オフィスにはそれぞれの機能を持ったスペースが配置されている。中でも、アイデア出しを行うスペースが多く配置されているが、これはクリエイティブな行為こそリアルなオフィスで行うことで効果が最大化されるとの考えに基づいている。
概要説明後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「フリーアドレスをはじめとした貴社のオフィスで行っているような先端的な取組は必ずしも全ての事業者が行えるものではないのではないか」との質問に対し、「顧客に対して最初からフリーアドレスを勧めるのではなく、どのような働き方をするのがその組織に最も合っているか、その働き方に合ったオフィスがどのようなものかを導くことを一番大事にしている」との回答があった。また、質疑終了後、同オフィス内を視察した。
今回、視察先を調査できたことは、本県における働き方改革の推進に大変参考となるものであった。
ITOKI TOKYO XORKにて
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