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掲載日:2024年2月13日
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令和5年11月20日(月曜日)~21日(火曜日)
(1) TIPSTAR DOME CHIBA(千葉県千葉市)
(2) 神奈川県立スポーツセンター(神奈川県藤沢市)
(県営競技事業の施行状況について)
本県においては、令和5年2月定例会における予算特別委員会で、大宮公園陸上競技場兼双輪場の整備等について附帯決議がなされるなど県営競技事業の運営が課題となっている。
TIPSTAR DOME CHIBA(旧千葉競輪場)は、民間資金100%で改修された、国内でも数少ない自転車競技の国際規格に基づいた250メートル木製トラックを有する多目的スポーツ施設である。
同施設の取組を調査することにより、本県における県営競技事業を運営する上での参考とする。
同施設は、車券売上げや入場者数の減少、老朽化などで廃止が決定していた旧千葉競輪場を、同施設の運営を受託していた(株)JPFが費用を負担し、民間資金100%でリニューアルした施設である。敷地面積は従前の約3分の1となり、残りの敷地には総合体育館と広場が整備されている。
施設の正式名称は「千葉JPFドーム」である。施設所有者である(株)JPFがネーミングライツを募集し、これを(株)MIXIが取得し、現在の施設名称である「TIPSTAR DOME CHIBA」となった。
同施設の特色として、自転車競技の国際規格に基づいた250メートル木製トラック(バンク)を有することが挙げられる。国際規格に基づいている施設は、国内では同施設と伊豆ベロドローム、JKA250(日本競輪選手養成所内)の3か所のみとのことであった。
観客席は約2,000席あり、その特徴として、バンクと座席の間に柵がないことが挙げられる。観客は間近で、自転車が時速70キロメートル近いスピードで走り抜ける臨場感を楽しむことができる。また、バンク内側にもアリーナ席が設けられており、友人や家族と一緒に観戦や食事を楽しむことができる。アリーナ席はバンクより1段低くなっており、バンクを見上げる迫力のあるアングルで観戦することができる。ピザレストランやドリンクスタンド、バーなどのフードショップのほか、グッズショップなども備えるが、車券発売と同様に、完全キャッシュレスになっており、クレジットカードや電子マネーなどが利用できる。
また、同施設で実施される千葉市主催のレース「PIST6」は、五輪でも採用された「ケイリン」の国際基準に基づく新たな競輪種目である。1レースにつき6車が250メートルのバンクを6周する短距離の種目(250競走)であり、レーザー光線などの演出により、スポーツ性をさらに強めている。
概要説明後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「千葉市としては、250競走の普及のためどのように取り組んでいるのか」との質問に対し、「まずは来場し、レースを見てもらうことが重要である。レース間の時間にアリーナでコンサート等のイベントを実施し、その来場者に前後のレースを見てもらうことで、これまで競輪に興味を持っていなかった層にも興味を持ってもらうなどの効果を期待している」との回答があった。また、質疑終了後、施設内を視察した。
今回、視察先を調査できたことは、本県における県営競技事業を運営する上で大変参考となるものであった。
TIPSTAR DOME CHIBAにて
(スポーツの振興について)
本県においては、スポーツ、パラスポーツにおけるアスリートの競技力向上及び県民の体力・健康づくりや普及が課題となる。
神奈川県立スポーツセンターは、二つのスポーツアリーナ、陸以上競技場や球技場などを備える施設であり、神奈川県の総合的なスポーツ推進拠点である。
同施設の取組を調査することにより、本県におけるスポーツ振興の施策を推進する上での参考とする。
同施設は、神奈川県の総合的なスポーツ推進拠点である。全ての県民のスポーツ推進拠点とするとともに、東京2020オリンピック・パラリンピックの事前キャンプにも活用できるよう、神奈川県立体育センターを再整備し、神奈川県立スポーツセンターとして2020年にリニューアルした。再整備に当たってはPFI事業を活用しており、ミズノ(株)を代表とする企業グループが実施している。
同施設は、総敷地面積約14万6,000平方メートルの広さを有し、二つのスポーツアリーナ(スポーツアリーナ1及び2)、陸上競技場や球技場、テニスコート、宿泊棟などを備えており、生涯スポーツ・パラスポーツ・競技スポーツなど様々なシーンで活用することが可能となっている。また、アスリートや指導者に向けたスポーツ医科学・栄養サポート、将来のアスリート発掘を目指す「かながわジュニアチャレンジプロジェクト」、パラスポーツ推進のためのスポーツ教室や、未病改善を推進するスポーツドックなどセンターの施設を活用した各種ソフト事業も実施する。
概要説明後は、施設のリニューアルに際して新設された宿泊棟及びスポーツアリーナ2を視察した。宿泊棟は、全室車いす対応の宿泊室を42部屋備えており、特に、ユニットバスは、車いすのままで回転可能な広々とした使いやすい設計になっていた。また、レストランやラウンジも併設しており、数日に渡る大会や強化合宿等にも利用できるとのことであった。次に、スポーツアリーナ2は、屋内50メートルプール、トレーニングルームのほか、ボクシング、フェンシング、ウエイトリフティングの専門競技フロアや多目的フロア等の様々な設備を備えていた。屋内50メートルプールでは、プール用車いすで入ることができるスロープ設置や、障害のある方の出入水をサポートする機械式のリフトの導入がなされ、多目的フロアでは、視覚障がい者競技に配慮した高い遮音性が確保されるなど、隅々までバリアフリーが行き届いた施設となっていた。
今回、視察先を調査できたことは、本県におけるスポーツの振興に大変参考となるものであった。
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