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掲載日:2023年1月18日
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令和4年11月21日(月曜日)~22日(火曜日)
(1) 国際高等学校(日進市)
(2) 岐阜県スポーツ科学センター(岐阜市)
(私学の振興について)
国際高等学校は、令和4年に新しく設立された私立高等学校である。ケースメソッドを取り入れた授業など、特色のある教育を展開し、フロンティアスピリットを有した世界で活躍するリーダーを育成することを目的としている。
本県では、私学に関する制度面での充実や特色のある教育の振興が課題となっており、本県における私学振興の施策を推進する上での参考とする。
名古屋商科大学などを運営する学校法人栗本学園が、同大学日進キャンパス敷地内に、短期大学として使用していた校舎をリフォームした上で寮を新設し、令和4年9月に開校した。大学の教員が、高校のビジネス関係の授業を担当することもあり、学校法人全体のリソースを最大限活用して、カリキュラムを進めている。
年度の始まりを9月としており、現在、1期生の生徒が学んでいる。少人数の授業をコンセプトにしており、1学年の定員は75名である。
生徒は全員、寮で共同生活を行い、その4割が外国人であり、国際的な共同生活の中で、助け合い、時にはぶつかり合いながら、問題を解決していくことで、視野を広げていく。生徒には、名古屋商科大学の学生が「メンター」としてサポートするなど、学習面、生活面のフォローがなされている。
同校は、国際バカロレア・ディプロマプログラムの認定校(注)であり、生徒はそのカリキュラムを履修することによって、世界中の大学への入学資格を得ることができる。また、海外だけでなく、日本の高校卒業資格を得られる課程も同時に進めるため、生徒は、卒業後、幅広い選択肢を得ることが可能である。海外、日本の大学の入学資格を同時に得ることができる全寮制の高等学校は、全国に3校だけとのことであった。
授業は、ほぼ全て英語で行われる。実社会で起きた、あるいは将来起こるかもしれない問題を題材に、生徒が主体的に考えて討論を繰り返す、ケースメソッドを全授業に取り入れており、早期からのリーダー教育を実践している。
日本の中学校を卒業する見込みの生徒に対しては、2、3年次にはサマースクール、卒業生にはブリッジング・プログラムが提供され、同校に入学するまでの間、英語力の向上や全寮制教育へ円滑に移行する体制が整っている。
概要説明の後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「人口減少社会の中、どのように学校を経営していくのか」との質問に対し、「国内や海外の状況を見ながら、愛知県内だけでなく、全国、世界に対して、生徒の募集をしていく」との回答があった。質疑後は、同校内の各施設を視察した。
今回視察先を調査できたことは、本県における私学振興を推進していく上で、大変参考となるものであった。
(注)視察時点では、国際バカロレア・ディプロマプログラムの認定候補校であったが、令和4年12月12日に承認されている。この視察報告では掲載日時点の情報を記載する。
(スポーツの振興について)
岐阜県スポーツ科学センターは、スポーツ医・科学を活用し、スポーツ指導者の育成、県強化指定選手を中心とした競技力向上のための支援に取り組んでいる。
本県では、スポーツ科学拠点施設の目的・機能などを検討し、令和4年度中に基本計画を策定する予定である。同センターの施設の活用や分析方法を調査し、整備内容の参考とする。
岐阜県が平成元年から、スポーツ科学研究所(仮称)の基本構想の検討を開始し、平成5年に、長良川球技メドウ(サッカー・ラグビー場)と接した場所に整備した。平成25年度に指定管理者制度を導入し、公益財団法人岐阜県スポーツ協会が管理運営してきたが、平成27年度からはジュニアアスリート発掘事業にも着手し、同県スポーツ競技課アスリート発掘・育成係と同協会スポーツ科学課を束ねた「新生スポーツ科学センター」として再スタートを切った。組織体制は同県職員5名と同協会職員16名の計21名で、現在は、ジュニアアスリートの発掘・育成や、県強化指定選手に対するスポーツ医・科学によるサポート等を行っている。
サポート内容は大きく分けて、フィットネスチェック(体力測定)、フィジカルトレーニング、スキルチェック(動作分析)の3種類である。
フィットネスチェックでは、スポーツドクターによる問診を受けた後、超音波診断装置を用いた筋厚、脂肪厚等の測定、筋機能評価測定装置を用いた膝や体幹などの筋力の測定など、筋力や持久力、パワーなどの測定を行っている。
フィジカルトレーニングでは、各種トレーニングのプログラム作成と、バーベルやトレッドミルなどの設備を用いたトレーニング指導を行っている。
スキルチェックでは、ハイスピードカメラを用いた映像の撮影など、動作分析やゲーム分析を行っている。映像データは、選手のスマートフォンに転送し、選手は自身の動作を随時、チェックすることが可能である。
年間利用者数は、延べ約7,000人である。アンケート調査では、84%の利用者が満足と回答し、同センターの支援が行き届いていることを物語っている。
同センターのスポーツ振興計画である第4次将来構想(令和4~8年度)では、科学的根拠に基づいた支援により、国民体育大会都道府県総合成績について天皇杯・皇后杯で15位、パリオリンピックの出場選手を25名以上などの目標を掲げている。
概要説明の後、利用料金や設備の維持管理などについて、委員から活発な質問が行われ、その後センター内の視察を行った。
今回視察先を調査できたことは、本県のスポーツ振興を推進する上で、大変参考となるものであった。
岐阜県スポーツ科学センターにて
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