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掲載日:2023年5月23日
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平成30年7月26日(木曜日)~27日(金曜日)
(1)新潟市戦略的複合共同工場(新潟市)
(2)新潟市歴史博物館(みなとぴあ)(新潟市)
(県重要施策の推進について)
新潟市は、航空機産業集積の形成に向けて産学官連携による航空機関連産業支援の取組「NIIGATA SKY PROJECT」を進めている。この取組の一環として、新潟市航空機産業クラスター(略称:NSCA)が結成された。
NSCAは、平成28年5月に「戦略的複合共同工場」を竣工し、中小企業の共同受注による航空機部品の受注拡大を目指して活動している。
本県では、重要施策「先端産業創造プロジェクト」において、「航空・宇宙プロジェクト」を重点分野の一つに掲げ取組を進めていることから、同工場を調査することで、今後の県政運営の参考とする。
新潟市では、企業立地基本計画の集積業種に航空機産業を指定し、「NIIGATA SKY PROJECT」として、航空機部品一貫生産への支援や国際認証取得支援、人材育成支援など、航空機産業への支援に取り組んでいる。航空機産業は受注競争が厳しくなる中で効率的な生産体制が必要となっており、技術力の高い複数の中小企業が共同して設備投資と生産資源を集中させた共同受注組織による航空機部品生産の一貫体制の構築が求められているとのことである。
このような中、同市は、平成24年に国の国内立地推進事業費補助金を活用して中小企業共同体による国内初の航空機部品製造工場の西蒲区への立地を決定した。平成25年には文部科学省、経済産業省の支援施策を優先的に獲得できる地域イノベーション戦略推進地域に「NIIGATA SKY PROJECT・イノベーション創出エリア」が選定された。戦略的複合共同工場は、平成26年に(公財)新潟市産業振興財団(通称:新潟IPC財団)を事業実施主体として、国の成長産業・企業立地促進等施設整備補助金を活用し航空機関連部品製造への参入を支援するインキュベーション工場として整備を開始し、平成28年5月に竣工したとのことである。同財団では、中小企業による航空機部品製造の複数工程一貫生産体制の構築、生産技術者等の育成、今後の新産業として期待される無人飛行機システム(UAS)の研究開発支援からなる3つの事業を実施して航空機産業の集積を目指している。
現在、同工場では、新潟メタリコン工業(株)、(株)柿崎機械、佐渡精密(株)など新潟県内の企業7社が優れた技術を武器に特殊工程を含む一貫生産体制を構築して、ボーイング787向けの航空機体部品(主翼の部品、ランディングギア部品等)及び装備品(航空機シート部品等)などの航空機関連部品の製造を行っているとのことである。
また、同工場には新潟IPC財団が運営する「地域イノベーション推進センター」が設置されており、航空機産業参入に係る相談、生産技術者等の人材育成研修、無人航空機システム(UAS)の研究開発支援等を行っているとのことである。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で「プロジェクトにおいて一番重視している成果は何か」との質問に対し、「完全に一貫受注できるような航空機産業の集積と受注取りまとめ企業の誘致を成果と考えている」との回答があった。その後、貸工場の表面処理エリア、機械加工エリア等を見学し、視察中は委員から活発な質問が行われた。
今回視察先を調査できたことは、本県の重要施策「先端産業創造プロジェクト」の取組を一層推進するために、大変参考となるものであった。
新潟市戦略的複合共同工場にて
(指定管理者の取組について)
新潟市歴史博物館(愛称 みなとぴあ)は、昭和47年に「新潟市郷土資料館」として開館した。昭和57年に資料館に隣接して旧新潟税関石庫(いしぐら)が復元され、横を通る市道には、かつて市中心部に張り巡らされていた堀も再現された。平成16年3月には、新たに建設された本館と、昭和2年に建てられた旧第四銀行住吉町支店を移築復原して公開を開始し、現名称に改称された。
同館は新潟市が所有し、(公財)新潟市芸術文化振興財団が指定管理者として運営管理を行っており、「郷土の水と人々の歩み」をテーマに新潟の歴史を港町と農村の2つの側面から紹介している。
今後の本県における指定管理者の取組の参考とするため、同館の取組を調査する。
新潟市歴史博物館は、平成16年3月に新たに建設された本館と、昭和2年に建てられた旧第四銀行住吉町支店を移築復原して開館し、信濃川・新潟西港に面するロケーションから「みなとぴあ」の愛称が一般公募によって命名された。同館の敷地には、明治44年竣工の二代目新潟市庁舎のデザインを取り入れた博物館本館、昭和2年竣工の旧第四銀行住吉町支店、明治2年に建設された旧新潟税関庁舎及び石庫などがあり、その景観から多くの来館者を集め地域のシンボルとなっている。
博物館本館は、「郷土の水と人々のあゆみ」をテーマに新潟市の原始から現代までの歴史を紹介している「常設展示室」、新潟の歴史、人物及び民話を題材としたオリジナル映像を上映する「ミュージアムシアター」、新潟の歴史文化をテーマに年5本程度の企画展を開催する「企画展示室」などがあり、博物館機能を実現する設備を備えている。なお、収蔵庫は津波や洪水などの水害対策のため、最上階の3階にあるとのことである。
旧第四銀行住吉町支店は、平成17年11月に登録有形文化財となっており、開館日には無料で見学できるほか、2階の会議室及び日本間は貸出しを行っている。また、1階にはテナントとしてレストランが出店しており、市民や観光客など多くの利用者でにぎわっているとのことである。
旧新潟税関庁舎は、新潟港開港に伴い明治2年に建設され、日米修好通商条約により外国船に開港した開港5港当時の税関として現存する唯一の建物で昭和41年まで税関施設として機能しており、昭和44年に国の重要文化財に、敷地は史跡に指定されている。
また、同館敷地に隣接して水上バス(信濃川ウォーターシャトル)の「みなとぴあ乗船場」が設置されており、定期運航のシャトル便が「みなとぴあ~朱鷺メッセ~県庁前~新潟ふるさと村」間を結び、水の都・新潟を感じさせる。
同館は平成16年1月1日から、(公財)新潟市芸術文化振興財団が指定管理者として運営管理を行っている。同財団は指定管理事業のほか、企業からの協賛金や大学でのミュージアム論の講義の謝礼金など独自の財源を基に自主事業を行っているとのことである。また、同館には約100名がボランティア登録をしており、常設展ガイド、敷地ガイド、体験プログラムの実施補助等を行っており、ボランティアがいなければ運営は成り立たないとのことであった。
概要説明を受けた後、旧第四銀行住吉町支店、博物館本館の常設展示等を見学し、視察中は委員から活発な質問が行われた。
今回視察先を調査できたことは、本県における指定管理者の取組を推進するために大変参考となるものであった。
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