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掲載日:2023年5月23日
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平成27年10月19日(月)~20日(火)
(1) 新潟市アグリパーク(新潟市)
(2) 新潟県議会(新潟市)
(公立教育ファーム及び6次産業化支援の取組について)
日本初の公立教育ファームとしての事業及び6次産業化支援の取組を視察し、本県の参考とするものである。
人口81万人を擁し、農地面積、農作物生産量とも全国屈指の農業集積度の高い都市である新潟市は、平成26年6月28日、農業に触れ、親しみ、農業を学ぶ場を提供する日本初の公立教育ファームとなる新潟市アグリパークを設置した。敷地面積は約4haで、指定管理者のにいがた未来共同事業体が運営している。
同施設は「農業体験学習を通じて、農業に対する理解を深め、郷土愛を育む」「生産者等に対して、食品加工等に関する技術的支援を行うことにより農業の振興に資する」ことを目的とし、「教育ファーム」「6次産業化支援」等の事業を展開している。教育ファーム関連施設として「クラブハウス」「体験畜舎」「体験ほ場」などが、6次産業化支援施設として「食品加工支援センター」がある。
まず、教育ファーム事業だが、アグリ・スタディ・プログラム(以下「ASP」)を策定し、文部科学省が定める学習指導要領に基づき、学校のカリキュラムと連動した農業体験学習を行うことができる。ASPでは、「育てる」ことと「消費する」ことをセットで実施することを重要視している。食べ物がどのように生産され、加工され、調理されるかを知り、その過程で生命の仕組み等を学ぶことで、子供たちが働くこと、食べること、生きることの意味を考えられるようにプログラムを編成している。また、循環型農業や命の大切さを学ぶことにも力を入れており、実際に堆肥をつくる、牛の乳搾りを体験するなど、五感を使って学習することで確実な学びを獲得させている。同事業の実績としては、開園から平成27年6月末までの1年間で、延べ192校、9,806人が利用している。内訳は、小学校7割弱、幼稚園・保育園2割弱、中学校1割、その他は高校や特別支援学校等である。今年の傾向としては高校や専門学校等の利用が伸びており、全体としての利用者も増加しているとのことであった。課題としては、農業体験学習を支援するインストラクターの資質・指導力の向上や、冬季の農業体験学習プログラムの策定等が挙げられた。
次に、6次産業化支援事業だが、農家等を対象に、食品加工技術や商品化の指導を行うものである。食品加工支援センターにて研修講座を受講し、食品加工し、商品開発し、その後は敷地内の直売所でテストマーケットまで行うことが可能である。事業の性質上、現役の農家に受講してほしいが、受講者のうち農家の利用割合は3割を切っており、その受講率向上が課題となっている。また、地域特産物を用いた、新たな加工品の開発にも着手したいとのことであった。
概要説明の後、委員から活発な質疑が行われ、その後、詳細な説明を受けながら施設内を見学した。
新潟市アグリパークにおける教育ファームや6次産業化支援の取組は、本県議会においても大変参考となるものであった。
(議会運営について)
議会活性化、議員提案による政策条例の取組等を視察し、本県の参考とするものである。
新潟県議会においては、4つの常任委員会、3つの特別委員会を設置しているが、そのほかに、同県議会会議規則に基づいて「連合委員会」を開催している。いわゆる連合委員会は、2つ以上の委員会が連合して審査又は調査を行う形態で、付託された事件が複数の委員会にまたがる場合などに必要に応じて開催されるものが一般的であるが、同県においては、定例会ごとに、4常任委員全員が一堂に会して審査・調査を行うものであり、会期日程に組み込んだ上で開催している。
同県議会では、かつて、議案に関して知事に質疑を行う機会を各常任委員会で確保していたため、長時間の知事の出席時間を確保する必要があった。また、知事に対する質疑を行う委員会と付託議案等の審査を行う委員会が混在し、煩雑な状況であった。そのため、昭和39年6月定例会から、従来実施してきた常任委員会ごとの知事に対する総括質疑を行わない替わりに連合委員会を開催し、常任委員会ごとに各党会派1名ずつ総括質疑を行うようになった。その後、幾度かの変更がなされ、現在の、各部局長から議案の説明を受け、知事に対する質疑を行う連合委員会となった。なお、知事に対する質疑は一問一答方式で行われ、質疑範囲は常任委員会に付託された全ての議案及び請願、陳情に関する事項並びに常任委員会の所管事項調査に係る事項となっている。また、連合委員会の委員長は、各常任委員会の委員長が持ち回りで担当している。
連合委員会が開催されることにより、知事の拘束時間の短縮が図られるとともに、全ての議案等について知事に質疑を行う機会が設けられ、知事答弁を全議員が直接聞くことが可能になるなど、充実した審議を担保する制度となっているとのことであった。
次に、特別委員会についてだが、「人口減少問題対策特別委員会」「総合交通・防災対策特別委員会」「新農業戦略対策特別委員会」を設置しており、本県と異なり、付託事件の調査を閉会中に実施し、翌定例会で調査経過を口頭で報告しているとのことであった。
このほか、議員提案の政策条例である「新潟県特定野生鳥獣の管理及び有効活用の推進に関する条例」について、制定プロセスや条例の特徴、内容等詳細な説明を受けた。
概要説明の後、委員から活発な質疑が行われ、その後、本会議場、各委員会室、議員控室等を詳細な説明を受けながら見学した。
新潟県議会における議会活性化、議員提案による政策条例等の取組は、本県議会においても大変参考となるものであった。
新潟県議会にて
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