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掲載日:2024年2月13日
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令和5年10月18日(水曜日)
(1) 神奈川県議会(神奈川県横浜市)
(2) 大田区議会(東京都大田区)
(議会運営について)
委員会のインターネット中継等、開かれた議会づくりに関する取組を視察し、本県の参考とするものである。
神奈川県議会では県民に開かれた議会づくりに向け、委員会のインターネット中継を行っている。常任委員会、特別委員会、議会運営委員会、決算特別委員会及び予算委員会を中継の対象とし、広報の充実が図られている。
神奈川県庁本庁舎の地震・津波対策工事に併せて実施した議会関係の設備改修に当たり、会議のインターネット中継についての協議が行われた結果、従前から行っていた本会議の中継に加え、委員会も中継の対象とすることが決定された。具体的な内容については、「開かれた議会づくりのための広報委員会」の専門的かつ機動的な協議を行うための組織である「開かれた議会づくり検討小委員会」において協議され、平成29年第3回定例会から、決算特別委員会及び予算委員会のインターネット中継を試行開始した。平成30年第3回定例会からは常任委員会、特別委員会、議会運営委員会のインターネット中継を試行開始し、平成31年第1回定例会からそれらを本格実施している。
成果として、県民等が来庁することなく会議を見ることができるようになった点が挙げられる。一方で、中継を行うに当たっては、各委員会室に議会局職員を1人配置する必要があるなど、運用に要する労力が課題となっているとのことであった。
このほか、議員提案による政策条例の制定プロセスや議会運営全般に関して詳細な説明を受けた。
説明の後、委員から活発な質疑が行われた。その中で、「全ての常任委員会が中継の対象とのことだが、同時に複数の委員会を中継する場合の仕組みはどのようになっているのか。また、視聴する側の操作はどのようなものか」との質問があり、「同時に中継を行うため、中継設備を各会場に整備している。視聴者には開催中の委員会がウェブページ上で分かるようになっており、希望する委員会のボタンを画面上で選択し視聴していただく」との回答があった。
その後、詳細な説明を受けながら委員会室及び本会議場を視察した。
神奈川県議会における開かれた議会に向けた取組等を視察したことは、本県議会としても大変参考となるものであった。
神奈川県議会にて
(議会運営について)
傍聴のバリアフリー化等の取組を視察し、本県の参考とするものである。
大田区議会では、傍聴席に子供を同伴できる部屋の設置を求める旨の陳情が提出されたことなどをきっかけに、平成8年11月の幹事長会において、子供同伴者の傍聴が可能な設備を設けることについて区側へ要望した。
その後、平成10年に大田区役所本庁舎が移転することとなり、区議会議場も移転することとなった。議場が移転した際に、当初は通常の傍聴席にする予定であった箇所の一部を親子傍聴席にすることとして設計を変更し、設置工事が行われた。
議場の傍聴席は、椅子席69席、親子席4席と、車椅子用スペースが設置されている。親子傍聴席はガラス張りの個室となっており、防音設備が整備され、子供と一緒でも安心して傍聴ができるよう配慮されている。室内には議場内の音声を再生するスピーカーが設置されている。
また、聴覚に障害のある傍聴者向けに、議場の音声を自動で文字に変換しモニターに表示する音声認識文字変換ツール(UDトーク)が導入されている。令和2年9月に制定された大田区手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例における多様な意思疎通手段の利用促進として、手話通訳者の配置は行っていた。しかし、1週間前に申請をしなければ利用できない等の課題があり、UDトークの導入が決定された。同音異義語の誤変換等はあるが、約99%は正確に反映されており、精度は高い。表示するモニターが小さい点や、一部の傍聴席からしか見えない点は課題であるとのことであった。
そのほかに、平成28年第3回定例会からFM補聴受信機の貸出しも行っている。当時は23区議会で初の導入であったこの機器は、トランスミッターを通して音声をFM電波で送信し、受信機を介して耳元に鮮明な音声を届けるものである。
これらの取組により、誰でも議会を傍聴できる環境を整えることで、開かれた議会づくりに積極的に取り組んでいるとのことであった。
概要説明の後、詳細な説明を受けながら傍聴席を中心に、本会議場を視察した。親子傍聴席の見学及びUDトークやFM補聴受信機の実演等を受け、活発な質疑が行われた。
同区議会における傍聴のバリアフリー化等の取組は、本県議会においても大変参考となるものであった。
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