トップページ > 県政情報・統計 > 県概要 > 組織案内 > 企画財政部 > 企画財政部の地域機関 > 秩父地域振興センター > 秩父地域の観光情報トピックス > KOCO “ココ” ちちぶNo.5 中島学さん
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掲載日:2024年9月20日
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【秩父市役所でお話を伺いました。】
秩父が舞台となったアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(=あの花)(※1)と「心が叫びたがってるんだ。」(=ここさけ)(※2)の舞台地を巡る“聖地巡礼”(※3)に、全国から多くのファンが訪れている秩父市。
「あの花」がテレビ放送された2011年から秩父市観光課のアニメ担当、秩父アニメツーリズム実行委員会事務局を務め、多忙な日々を送る中島さんから、日頃の仕事や秩父地域の“ぜひココ”な観光スポットについてお話を伺いました。
©ANOHANA PROJECT【あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。】
※1 劇場版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(公式サイト)
©KOKOSAKE PROJECT【心が叫びたがってるんだ。】
※2 アニメ映画「心が叫びたがってるんだ。」(公式サイト)
※3 アニメ「あの花」「ここさけ」「空青」聖地秩父情報!(秩父観光なび)
〇 中島さんの日頃の仕事について教えてください。
「観光課での担当としての主な業務には、秩父神社の夏祭り「川瀬祭」と、今まさに準備真っ只中の「夜祭」があります。あと、アニメツーリズム実行委員会では、春の芝桜の期間に合わせたイベントや、夏休みに全国から訪れるファンの方々のためのイベント、秋は「龍勢(りゅうせい)祭」とコラボしたり、年間を通していろいろ取り組んでいます。(※4)」と中島さん。
※4 秩父アニメツーリズム実行委員会10年目突入記念企画(秩父市ホームページ)
©ANOHANA PROJECT【「あの花龍勢」の打ち上げもある龍勢祭】
2010年8月開催の秩父市、西武鉄道、秩父鉄道のコラボ企画「銀河鉄道999in秩父」を契機に、秩父アニメツーリズム実行委員会が立ち上がった。
翌年4月には、「あの花」の放送がスタート。アニメの聖地としての活動が始まり、ちょうどその頃、中島さんは前任者からアニメ担当を引き継いだ。
「自分が観光課に来た時は、秩父の観光客は年配の方というイメージでした。その後、秩父の観光がすごく変わってきて、若い人たちも来たり、グルメの行列ができるお店ができたり。そういういい方向に観光地が変化していく一つのきっかけにアニメがなっていると思います。」
いまでも秩父に来てくれるたくさんのファンのために、例えば、同じスタンプラリーでも毎回何か違ったものを届けたい、そんな思いで工夫をしているという。
「最初はアニメ独特の“ルール”について無知な中でのスタートだったので、苦労やいろんな失敗もあり、制作会社の方に色々面倒を見ていただいたりしました。今は信頼していただき、ある程度任されているところもあるんです。」と中島さん。
そして、ファンとの接し方も変わってきたという。
「担当1年目はファンの方々との距離の取り方を模索していました。でも、久喜市の「らきすた」の例などを見ると、やはりファンの方々が動かなければ聖地の継続はないと思い、2年目からはアニメ担当としてのツイッターを開設したり、積極的にファンの方々とコミュニケーションをとっています。」
中島さんは、アニメの情報は必ず「アニメ担当N」として情報発信している。ファンの方々が「あ、また中島さんが情報を出しているな。」と、情報の先の顔が見えるようにすることで、ちゃんと情報をキャッチしてくれたり、いろいろ協力してくれたりと、いいつながりができていると感じている。
「その作品の制作会社、ファンの方々と、市民とか商店街などの「トライアングル」がうまく回らないと、聖地として認められないし、継続することもできない。担当としてすべてにつながって潤滑に努め、10年やってきました。」と中島さんはいう。
【毎年「聖地ちちぶお掃除大作戦!」を開催。集合は「旧秩父橋」】
アニメの聖地としての今後について伺うと、「(今年10月に公開された)「空の青さを知る人よ」(=空青)(※5)で、いつ来るかわからなかった“秩父三部作”という目標を一つクリアできました。これからは、ファンの方々、制作会社と地元が一緒になって、いかに聖地として長く継続していくかが課題。」という。
©2019 SORAAO PROJECT【空の青さを知る人よ】
※5 映画「空の青さを知る人よ」(公式サイト)
直近では、来年2020年は「あの花龍勢」が10年目(10本目)を迎える。また、2021年には「あの花公開10周年」となる。
中島さんは、一区切りをファンの方々と一緒に喜びたい、という気持ちと共に、節目が来るからこそ、その先の継続に向けて考えなければならない、という思いを持っている。
〇中島さんのおススメの“ぜひココ”な観光スポットをおしえてください。
「アニメに関しては、「あの花」や今回の「空青」にも出てくる「旧秩父橋」です。アニメを知っているからでしょうか、自分でもホッとするというか、ファンの方々が来ているとすごく嬉しい。やっぱりここは聖地のスポットなんだな、と感じます。」
【旧秩父橋。「あの花」の作中で何度も登場する。】
「それから、「札所17番定林寺(じょうりんじ)」。「あの花」の聖地スポットなんですが、絵馬なんかを見るとやっぱり嬉しいですね。「初めて来た」なんて書いてあったり、海外の方にもよく会うので。」と中島さん。
【札所17番定林寺。うれしそうな中島さん。】
【「あの花」絵馬。やっと来れた!ファンの作品への思いや感動が伝わる。】
「今回の作品(空青)ですと、ミューズパークの音楽堂の裏手のシーンとか、好きなシーンなのですが、その他にも浦山(ダム)(※6)から眺める景色も気に入っている風景です。今の時期、紅葉があって、映画に出てきた赤い橋も見えて。いつの季節でも意外といい風景ですよ。」
【「空青」の聖地「浦山ダム」からの景色。赤い巴川(ともえがわ)橋も見える。】
※6浦山ダム見学案内(水資源機構「荒川ダム総合管理所」ホームページ)
「あの花」「ここさけ」「空青」の秩父三部作は、秩父出身の脚本家・岡田麿里(おかだまり)さんによるオリジナルストーリーで、秩父の風景がリアルにそのまま描かれていて再現度が高いので、アニメを見たファンにとっても、地元民にとっても、特に楽しめるのではないか。
「最後に、秩父ミューズパークの「旅立ちの丘」(※7)をおススメします。「空青」では旅立ちの丘から眺めた景色も使われています。今(11月)は最も雲海(※8)の発生率が高いシーズンで、朝方は結構、お客様が来ています。」
【「旅立ちの丘」。秩父市立影森中学校生徒による「旅立ちの日に」が流れる。】
※7 「旅立ちの丘」(秩父ミューズパークホームページ)
※8 雲海スポット(秩父ミューズパークホームページ)
【「旅立ちの丘」からは武甲山、秩父市街地を一望できる。夜景や雲海もおススメ。】
この「旅立ちの丘」は、秩父市の中学校から全国へと歌い継がれている卒業ソングの定番「旅立ちの日に」を記念してつくられた。
「展望が良いところなので秩父を知ってもらえるいい場所だと思うんですが、人それぞれの挫折であったり、新しい出発の時であったりとか、そうした時に来てくれて、思いを寄せてくれている方が結構いらっしゃるようです。ぜひ、皆さんに来てほしいです。」と中島さん。
これまで、国内外から多くのアニメファンの方々が聖地を訪ね、そこで地元の方々との交流があって「秩父」のファンになってくれている。
そして、ついに今年、「あの花」「ここさけ」「空青」の三部作の聖地となった秩父。
これからも中島さんたちの活躍によって、秩父に足を運んでくれるファンの方々と受け入れる地元市民、制作会社のトライアングルが円滑に機能し、何度でも訪ねて魅力を感じていただけるような、ハッピーな聖地であり続けてほしい。
[取材日:2019年11月8日、記事公開日:2019年11月27日] ※ 掲載している情報は取材日現在のものです。
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