トップページ > 県政情報・統計 > 県概要 > 組織案内 > 企画財政部 > 企画財政部の地域機関 > 秩父地域振興センター > 秩父地域の観光情報トピックス > 気になる秩父人がお薦めする“ぜひココ”な観光スポット情報 KOCO “ココ” ちちぶ No.13 柴﨑 透(しばさき とおる)さん
ページ番号:209327
掲載日:2022年1月4日
ここから本文です。
【熊谷市にある秩父鉄道の本社でお話を伺いました。】
埼玉県北部を東西に横断し、熊谷を起点に東は羽生駅、西は埼玉県の代表的な観光地である長瀞、秩父を通り三峰口駅まで37駅、田園地帯や荒川、秩父の山々など総延長71.7キロを走る「秩父鉄道」(※1)。
企画部の社員として、多忙な日々を送る柴﨑さんから、日頃の仕事や秩父地域の“ぜひココ”な観光スポットについてお話を伺いました。
※1 秩父鉄道ホームページ
〇 柴﨑さんの日頃のお仕事について教えてください。
「企画部でイベント部門を担当しています。沿線地域や企業と連携したイベントなど、各イベントの企画から開催までのマネジメントをしており、日頃から、弊社だけができることは何かを考えて様々なイベントを手掛けています。中でも弊社の目玉は、SLパレオエクスプレスを活用したイベントですね。」と柴﨑さん。
秩父鉄道では、沿線地域のハイキング企画、企画列車の運行、企業と連携したイベントなど、様々な切り口でお客様に話題を提供している。
【様々なイベントで活躍する秩父鉄道のSLパレオエクスプレス。】
今までに手掛けてきたイチオシのイベントを尋ねると、「「わくわく鉄道フェスタ」というイベントですね。普段は入ることのできない広瀬川原車両基地を一般開放して、車両展示や乗車体験、ステージイベントなどを実施しています。多いときは、1日5,000人ほど集まるんですよ。多くの方が集まるイベントのため、お客様に事故がないよう安全面の確認を徹底するなど、開催に至るまでの準備が色々と大変ですが、お客様が一日楽しんでいただいている姿を見ると、何よりも嬉しく思いますし、達成感があります。」
「色々な企画を立て準備をして、多くの方に来ていただけるイベントに携われていることが幸せです。」という柴﨑さん。
柴﨑さんと話しているうちに、「お客様への想いが込められたイベント」に参加したいという気持ちになった。
【臨時直通列車で車両基地(わくわく鉄道フェスタ会場)に到着する来場者。】
【SL運転台の見学。】
【ディーゼル機関車の運転席乗車体験。】
柴﨑さんは、お客様だけではなく、沿線地域との繋がりも大切にしている。
例えば、「ちちてつマルシェ」で、沿線にゆかりのある飲食物や物産品、工芸品を販売したり、「SL車内イベント」で、秩父のイチゴやブドウ、ブルーベリーなどの試食や秩父地域の日本酒などの試飲や量り売りをしたりと、沿線地域の事業者と協力したイベントを実施している。
【マルシェの出店ブースにて秩父鉄道沿線ゆかりの飲食物等を販売。】
【SL車内イベントで実施した秩父のシャインマスカットの試食。】
「イベントは、弊社だけでなく、沿線地域の事業者の皆さんの協力があって成り立っています。コロナ禍なので通常通りとはいかないですが、イベントを実施することで協力いただいた方のPRに繋れば、という思いもあって感染対策を徹底した上で実施してきました。」という柴﨑さん。
お話を伺っていくなかで、柴﨑さんの「地域と共に歩んでいく」姿勢と秩父鉄道のロゴマークに込められた思いが重なった。
【ロゴマークは、CHICHIBUのCをモチーフに、荒川の流れと水しぶき、長瀞の岩畳、鉄道の車輪や人の笑顔などが表現されており、地域をつなぎ、沿線地域の人々と歩んできた秩父鉄道の「これからも地域の未来を切り開く鉄道でありたい」という思いが込められている。】
〇 柴﨑さんのお薦めの“ぜひココ”な観光スポットを教えてください。
「SLに関連したスポットを紹介しようとも考えたのですが、私は秩父市の吉田出身で「龍勢」の製造に携わっているので、今回は「龍勢祭(秩父吉田の龍勢)」(※2~※4)を作り手側の目線でご紹介します。」
【平成30年3月に国の重要無形民俗文化財に指定された「秩父吉田の龍勢」(※5)は、秩父市下吉田にある「椋神社」の秋季例大祭として、毎年10月の第2日曜日に開催されている。五穀豊穣や天下泰平などを祈願し、27ある流派がそれぞれ製造した「龍勢」と呼ばれる打ち上げ式の煙火を打ち上げ奉納する。】
【秋季例大祭が執り行われる吉田椋神社。】
「龍勢は、吉田椋神社に奉納する「手作りロケット」のことです。製造方法は27ある流派ごとに特色があって、それぞれの流派で見せる唐傘、花火、落下傘などの仕掛けも変わるので、27通りの龍勢があるというのが魅力の一つなんです。」
【それぞれの流派が丹精込めて作り上げた龍勢。】
【落下しながら、流派ごとに特色のある仕掛けを披露。】
「中でも、必ず成功するとは限らないところが一番の魅力ですね。プロの花火師ではなく、流派に所属する一般の人が手作りしているので、きれいに打ち上げられるものもあれば、櫓(やぐら)でそのままこっぱみじんに砕け散ってしまうものもあるんです。」
「火薬を使用するため、許可を取った祭当日にしか打ち上げられず試しのものが作れない中で、火薬の湿り具合とか硬さとか、天候にも左右されますので、作っている側でも、当日火をつけてみないと分からないのが醍醐味です。」という柴﨑さん
龍勢の製造は、8月から作業を開始し、9月の後半にエンジン部分にあたる火薬の詰めの作業が終わる。その後、実際に打ち上げるまでは緊張感に包まれているのだという。
【櫓にかけて打ち上げる様子が、龍の昇天の姿に似ていることから龍勢と呼ばれている。龍勢は、27の流派がそれぞれ1本あたり15分間隔で打ち上げることから、丸一日楽しめる。】
他に注目するポイントを尋ねると、「打ち上げ前の口上(こうじょう)ですね。独特の節回しがあって、流派ごとに特色がありますので、打ち上げる前も楽しんでいただけます。」
【秩父は酒どころ。桟敷席(さじきせき)で龍勢を観覧しながらお酒を飲むのも楽しみの一つ。】
「こういうことを踏まえて見ていただけると、より楽しんでいただけると思います。」と笑顔で話す柴﨑さん。
お話を聞いて、「龍勢祭」の開催が待ち遠しく感じた。まずは、実物の龍勢や発射の瞬間を音と光で再現する実物大の櫓などが展示されている「道の駅龍勢会館」(※6)に行き、お祭りの臨場感を味わいたい。
秩父鉄道が手掛ける「地域の未来を切り開く、お客様想いのイベント」を楽しみ、そして、「秩父吉田の龍勢」のような伝統や歴史に触れに秩父地域に訪れてみてはいかがでしょうか。
※4 秩父観光協会ホームページ(ぶらっとちちぶ「龍勢まつり」)
※5 文化庁ホームページ(国指定文化財等データベース「秩父吉田の龍勢」)(別ウィンドウで開きます)
※6 吉田龍勢会館ホームページ
[取材日:2021年10月29日、記事公開日:2022年1月4日]
※掲載している情報は取材日現在のものです。
※令和2年、令和3年の「龍勢祭」は、祭祀のみ執り行い、龍勢の打ち上げは中止となりました。
※撮影時のみマスクを外しています。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください