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掲載日:2025年3月28日
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1907年創業の株式会社工藤鉄工所(https://www.kudo-ace.co.jp/)は印刷製本関連機械の老舗メーカーです。常に先駆的機械の開発に努め、数々の特許機械を生み出してきました。中でも振動技術、エア搬送技術を駆使した「紙そろえ機」及び「エアテーブル」は、国内シェア80パーセント以上を誇ります。
6代目である工藤英樹社長は、大学卒業後、一旦別の会社に就職し、その後家業を継ぎました。代々、引き継いできたのは、お客様及び社員を大事にするということです。継いだ直後は、社員は社歴も年齢も上の人ばかりでしたが、さまざまな経験を経て、「やはり会社は人だ。社員が働きやすい環境づくりをしよう。」と考えるようになったそうです。
同社は地域社会への貢献にも力を入れており、埼玉県の「彩の国工場」、川口市の技能推進モデル事業所及び地域貢献事業者に認定されています。エアテーブルは2018年、川口商工会議所の川口i-mono(いいもの)ブランド製品に認定されました。
今回は、2024年11月21日に本社・工場を訪問し、お話を伺いました。
本社・工場 これまで取得してきた特許の一部
■主な製品について
紙は積み重ねると非常に重くなります。特に印刷・製本業で扱う紙は一枚が大きく、枚数も多いことから重量が増します。印刷するとインクが乗りさらに重くなります。昔は「紙積み三年」という言葉があったほど、紙を持ち運び、積みそろえる時に腰を痛めずに行うには技術が必要だったといいます。工藤鉄工所は、こうした現場からの要望を形にするべく、人に負担をかけない機械の製作をさまざま行ってきました。
紙をそろえる、積む(棒積み)、送る(移動)、リフト(上昇、下降)、反転、さばくなどの機能をそなえた各種製品を製作しています。また、お客様の要望に合わせて、特注機械や特別寸法の機械も製作しています。
以下に、工藤鉄工所の主力製品の一部を紹介します。同社ホームページには各製品の動画が豊富に掲載されています。
◆クドエースMJ-14(紙そろえ機)
工藤鉄工所の一番の主力製品です。2001年、埼玉県工業製品グランプリを受賞しました。1969年の初開発から50年以上のロングセラー商品で、2007年には1万台の販売を達成、その後累計2万台を売り上げています。
印刷された紙は「刷り本」といい、刷り本の束の端を断裁機で切りそろえてから製本に入ります。きれいに切りそろえるためには、前もって刷り本の紙の束を、少しのずれもなくそろえておく必要があります。この紙そろえを可能にするのがクドエースです。
クドエースMJ-14
クドエースは紙束を傾斜させながら振動を送ってそろえます。紙は空気が入ることによって動きやすくなり、そろえやすくなるので、最初に紙を乗せる人が少しさばいて空気を入れます。紙がそろったら、今度は「エア抜き」といって、入れた空気を抜きます。これは空気を入れたままだと、次の工程に運ぶときにまたずれてしまうためで、ローラー2本でエア抜きをしっかりするとずれにくくなります。
また、振動させると静電気が発生して紙同士がくっついてしまうので、除電装置をつけて静電気を除去します。これらの性能が全てクドエース1台に備わっており、断裁機にかける前の必要不可欠な機械となっています。
日本の紙幣等の印刷を行っている独立行政法人国立印刷局で、紙幣が印刷された紙をカット前にそろえているのも、すべて工藤鉄工所のクドエースだそうです。少しのずれも許されない紙幣の印刷紙を完璧にそろえる技術は海外でも評価されており、造幣関係でクドエースを受注することが多いそうです。
◆パイルジョガーPJH(紙積みそろえ機)
コピー用紙をくるんでいる茶色い紙を「ワンプ紙」と言いますが、印刷工場に搬入される大判の白い紙もまたワンプ紙で梱包されて届けられます。
白い紙に何かしら印刷する場合、紙を印刷機にかけるためには、紙がきれいにそろっている必要があります。このパイルジョガーは、印刷機にかける前に必要な作業を行う機械で、人がワンプ紙を剥がした後、少し乱れた紙に振動を送ってきれいにそろえる機械です。
また、紙を印刷機にかけた時に滑りをよくするために、振動で発生した静電気を除電する機能も付いています。帯電したままだと印刷機にかけた際、フィーダーストップといって2枚取りしたり、印刷機が止まったりするので、そういうことをなくすためにも、静電気除去のマイクロプラズマイオンエアーを当てて積んだ方がフィーダーストップが減ります。
パイルジョガーPJH
◆オートパイルシステムAPS-24(全自動紙積みそろえ機)
人を介さずに自動でワンプ紙をはがして白紙を積みそろえるという機械です。上記のパイルジョガーの手作業で行う部分も含めて全て自動化したものです。ワンプ紙に包まれた状態でフィダーにセットすると、機械が持ち上げて、ワンプ紙に切れ目を入れてはがし、紙を積みかえてそろえます。
オートパイルシステムAPS24
◆エアテーブル
エアテーブルは、テーブル面に多くのエアー吹出し口(孔)が設けられ、ここからエアーが一斉に吹き出されることにより、紙が少し浮いた状態になります。約120キログラムの4/6全判の紙がスムーズに移動できます。 作業の効率化、システム化に高さ調整、組合せ自由なエアテーブルです。クドエースのテーブル面もエアテーブルを使っています。
エアテーブル クドエースのテーブル面もエアテーブル
◆MiR(ミア)搬送システム
紙を扱う業界は重たい物を運ぶので、自動化させたいという要望を形にしたもので、AMRロボット(完全自律走行)による自動搬送を実現しました。
MiR(ミア)搬送システム
◆オートマチックリフター ラクーンAL(自動昇降機)
ラクーンは、作業者の腰痛を軽減する紙そろえ前の移動が楽にできる昇降機です。紙を取った分だけ上がり、乗せた分だけ下がるので、常に紙の高さをキープでき、腰に優しい機械です。
基本は印刷製本向けの機械を作っていますが、昨年は、このラクーンを応用した技術で昇降装置を作って、フィルター関係の製造会社のクリーンルームに納めました。このように特注機として、異業種にも参入して行きます。
オートマチックリフター ラクーンAL
■今後、力を入れていきたいことについて
◆全員で協力し合える風土の醸成、異業種への参入
今後の展望として、1つ目は、全員が協力し合い、新しいことに挑戦して、売上げや利益を伸ばしていきたいということです。会社にとって本当に必要なことは、言いにくいことでも言い合えて、その時は少し意見が違ったりもするけれど、理解しようと思って対話もできて、最後は同じ方向を向いていけるようなイメージです。「みんなで同じ方向を向けたらめちゃくちゃ強いと思っています。」
2つ目は、今ある技術をさらに向上させるとともに、その技術を印刷製本以外の業界でも活かしていくことです。転用して、異業種のお客様も便利になるように、社長自ら営業していきたいとのことでした。
家業を継いでから7年、人間的にも鍛えられたという工藤社長。今後も110年培ってきた技術や信頼をベースに、お客様のニーズのひとつひとつに応えるべく、研究開発型のバイタリティー溢れる技術集団を率いていきます。
ご対応いただきました株式会社工藤鉄工所の工藤社長、ありがとうございました。
パイルジョガーPJH-10の前に立つ株式会社工藤鉄工所の工藤英樹社長
株式会社工藤鉄工所
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