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掲載日:2025年3月28日
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谷沢菓機工業株式会社(https://www.tanizawakaki.co.jp/)は菓子製造機械の製作販売を行う会社です。中でもチョコレート製造機械は、国内のチョコレート製造における「2次加工」の工程で使われており、約7割ものシェアを誇ります。1916年創業、100年以上の歴史をもつ老舗企業で、米菓子、製餅・和菓子からチョコレートまでの製造機械を作る中で、いくつものヒット商品やお菓子のブームを誕生させてきました。
単に味覚そのものだけでなく「味わうことによって生まれる心の充足」までをも問われる時代に応えるため、「風味を生かす機械のタニザワ」をモットーに、新しい食文化の提案を目指し研究開発を続けています。
今回は、2024年10月24日に本社・工場を訪問し、お話を伺いました。
谷沢菓機工業株式会社 本社・工場
■谷沢の強み「お菓子開発センター」
谷沢菓機工業の強みは、菓子製造の機械だけでなく、菓子そのものも開発してしまうところです。「ハードとともに優れたソフトを開発する」と自認するとおり、お菓子の研究開発に余念がありません。いかに美味しく、かつ「売れる可能性のある」お菓子を作るかによって、そのお菓子を製造できる機械の需要も増します。研究開発の場として、工場内に「お菓子開発センター」が設置されています。
お菓子開発センターでは、主に2つの方向から開発が進められています。
1つ目は、お客様からの「こんなチョコレート菓子を作りたい、一緒に考えてほしい」との要望をもとに、共同で開発を進めるものです。実際に原料を持ち込んで、同社の製造機械を使って試作します。風味や食感などの満足のいくものができそうだとなれば、必要な改良を加えながら量産化するための製造機械の設計や製作に入ります。
2つ目は、先に触れたとおり同社が独自に菓子の新商品を企画して、それに合った製造機械を開発していくものです。そうして誕生したのがクランチチョコレートやしみチョコレート、サンドクッキーなどです。
「うちは機械屋なので、いかに機械を売るかということを考える必要がありますが、その前提として商品ありき、お菓子ですね。そのお菓子をいかにおいしく作るか、この新商品の開発という部分が機械以上に重要です。」と谷沢社長は言います。
社長自身もお菓子センターで、新しいお菓子の試作を重ねるなど研究熱心です。売れそうな商品を考案するためには、日本中のお菓子を見て回り、営業をやりながらでないとわからないとのこと。だから、現在は、営業チーム主体で新商品の開発を行っているということでした。
お菓子開発センター クランチチョコレート しみチョコレート サンドクッキー
■主な菓子製造機械について
大手の製菓会社が欧州メーカーの機械を使い大量生産する中で、谷沢菓機工業は、日本独特のチョコレートを製造するものに特化することで付加価値を高める機械作りをしています。小回りの利くコンパクトな機械や、ワンショットで同時にチョコレートとキャラメルのクリームを入れられる機械などを開発し、お客様に提案しています。
製造は、機械部品のほとんどを地元の蕨市や隣の川口市にある外注業者から調達していますが、チョコレートの成型に関わるミリ単位の高精度が求められる一部の機械部品は、同社の熟練の技術者たちが内製しています。
以下に、主な製造機械の一部を紹介します。
◆和菓子製造機「ライシー」(1989年)
米菓子や和菓子の製造機を代表するものとして、創業以来の機械である「餅つき機」や1989年に販売した「ライシー」があります。それまで団子をつくる際にはまず米をひいて粉(上新粉)にし、蒸した上でついていました。しかし、米を一旦粉にする段階で熱が加わり風味が抜けてしまうという問題がありました。そこで、風味のあるおいしい団子を作るために、米を粉にしないで粒状のまま蒸して、それをローラーで潰し、ついて団子にする機械を開発しました。ライシーは全国の和菓子店から注文が相次ぎ、大ヒット商品になりました。
ふかし丸粒ロール「ライシー」【TAR-130S】
◆クランチチョコレート成型機(1993年)
1980年にチョコレートの分野に参入し、今ではチョコレート製造機械が全売上高の9割以上を占めています。
谷沢菓機工業が手がけるチョコレート製造機械は2次加工で使用されるもので、例えば温度調節をする「テンパリングマシン」、型に入れ成型する「チョコ充填機」、冷却を行う「クーリングトンネル」など多種多様です。
ある製菓会社を営業回りで訪ねた際、小麦煎餅の端材を手作業でチョコレートと混ぜてクランチチョコレートを作っており、「量産できる機械がないか」と相談を持ちかけられて製作したのが「クランチチョコレート成型機」でした。試食させてもらい「人気商品になる」と確信したそうです。汎用機として売り出すと、全国の製菓会社から注文が相次ぎ、クランチチョコレートブームの陰の火付け役となりました。
「ロール式クランチフォーマー」はクランチチョコレート成型機を改良したものです。生地を圧迫しないため、従来不可能であったスナックなどのもろく壊れやすい中身でも成型でき、かつ、チョコレートの比率を5割から2割に下げられるようになって、さらに口当たりのよいクランチチョコレートを作れるようになりました。
クランチチョコレート成型機
ロール式クランチフォーマー【TRFシリーズ】
◆真空加圧含浸装置(2003年) ~しみチョコ製造機~
以前からクッキーなどにチョコレートを練り込んで焼く製法はありましたが、熱が加わってチョコレートの風味が損なわれるという問題がありました。谷沢社長は、真空にして、素材をしみ込ませて強度を高めるという技術があるのを知っていたので、それをチョコレートに応用し、チョコレートの風味を生かした浸み(しみ)チョコレートを作る真空加圧含浸装置を開発しました。コーンパフ、クッキー、フリーズドライ、せんべい、あられ生地等などにチョコレートをしみこませる機械です。2003年の発売と同時に大きな注目を集め、国内外における「しみチョコレート」市場の立上げにつながりました。
2021年、東京都文京区に開設したチョコレート製造機械のショールームの隣に、谷沢菓機工業のお客様で、機械を提供した「メレ・ド・ショコラ」(チョコレートをしみこませたフリーズドライフルーツの販売店)も併設されています。
小型真空加圧含浸装置【TVP-230】 フリーズドライフルーツのしみチョコレート
◆ワンショットサンドマシン(2010年代) ~サンドクッキー製造機~
クッキー、ビスケットなどにはさむ、ソースやクリームなどとそれを包むチョコレートを同時包餡充填するマシンです。チョコレートとキャラメルなどが入ったクリームをサンドしたクッキーを1工程で作れます。こちらの機械も人気で、ロングセラー商品となっています。
小型ワンショットサンドマシン【SWS-390型】 サンドクッキー
・ワンショット(同時包餡充填)のイメージ
(外側の茶色部分がチョコレート、内側のオレンジ色部分がキャラメルなどのソースやクリーム)
■今後、力を入れていきたいことについて
現在、気候変動などによりチョコレートの原材料であるカカオが品薄になり、値段が高騰しています。このため、菓子メーカーから、チョコレートの使用量が減っても風味を残せるようにというニーズがあり、それに応える機械の開発が重要になっています。また、米菓子、製餅・和菓子、チョコレートとあゆみを進めてきた谷沢菓機工業は、次の食品の製造機械も考え始めています。
さらに、今後、より海外からのオーダーに対応していくために、大きな敷地を確保し、新たな工場を建設して、海外からの大きなプラントの受注もできるようにしたいとのことでした。
谷沢菓機工業は、時代の流れやお客様のニーズの変化に合わせて変化し続け、今後も新しい食文化の提案を目指してまい進していきます。
ご対応いただきました谷沢菓機工業株式会社の谷沢修次社長、ありがとうございました。
谷沢菓機工業株式会社の谷沢社長
谷沢菓機工業株式会社
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