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掲載日:2022年3月4日
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神陽金属工業は、主に船舶で使われる継手(つぎて)を製造する金属製品を製造してます。継手とは配管のジョイント部に使用する大小様々な形状の部品。造形がしやすい鋳物の得意とする分野です。神陽金属工業は、常に海水にさらされるような過酷な状況下でも耐えられる丈夫な継手を作る技術を買われ、艦艇や大型クルーズ船などを製造する大手造船メーカーから絶大な信頼を得ているそうです。
川口新郷工業団地にある本社兼工場にお邪魔して製造過程などを見学させていただきました。
首都高速川口線・新郷出入口近くの交差点に面した本社兼工場
社内には神陽金属工業製の継手を使った艦艇、大型クルーズ船の写真が飾られていた
客船、貨物船など、多種多様な船舶の数々。超低温輸送が必要なLNGタンカー(下右)もみえる
船舶は、腐食を防ぐため部品を含めてボディーを分厚く塗料で覆ってしまうため、継手が船の表面にあるのを目にしたとしても、一見して神陽金属工業製とは分からないそうです。まずは工場で出来上がったばかりの継手を見せていただきました。
薄手で美しい仕上がり
継手をこのように薄く丈夫に作るには、相当の技術が必要です。次に鋳物の製造工程を見学させていただきました。
溶解炉。高温で熱して液状になった金属を型に流し込む
鋳型は、出来上がりサイズよりも大きいものを使う。冷却したものを大きく切削することで、空気などの不純物を取り除く
切削作業。ほとんどが大型機械によるオート作業だが、殊に精密さが求められる部品は熟練の技が必要という
製品の数々。継手の一種、フランジ(手前左、中央)。継手以外のグッズ、銅合金製の蹄鉄・蹄銅®(手前右)、小物入れ(奥右、中央)、植木鉢(奥左)
神陽金属工業は、定年後も勤め続けられる環境を整備しており、熟練工が多いのが強みです。しかし、従業員の高齢化に伴い、熟練工から若手への技術継承が課題なのだそうです。川口高等技術専門校と連携して学生のインターンシップを受け入れるなど、若手人材の発掘に取り組んでいるそうです。
また、継手以外のグッズの製作・販売を通して会社の知名度アップを図るほか、川口商工会議所主催の川口オープンファクトリーに参加し、工場見学を積極的に受け入れているそうです。ものづくりの魅力発信は、鋳物・金属加工などの工場が多いこの地域全体の課題でもありますが、多くの人々にものづくりを身近に感じ、少しでも興味を持ってもらえるといいですね。
ご対応いただいた小玉工場長、ありがとうございました。
神陽金属工業株式会社
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