株式会社モリチュウ（川口市）

様々な原料の鋳物づくりと新たな発想でしなやかに成長を続ける企業

モリチュウは鉄をはじめ、錆に強いステンレス、軽いアルミなど様々な原料で鋳造する老舗鋳物メーカーで、主要製品はバーナーなどの業務用厨房器具や自動車部品などの産業機械鋳物です。また、街路灯、フェンス、モニュメントなど私たちも街の中で身近に目にする製品も扱っています。

例えばこちらの川口駅東口近くの銀座通り商店街に飾られている勇ましいドン・キホーテ像は、造形作家のデザインによるモニュメント。モリチュウ製の作品です。

 

工事中の再開発ビルを背景に立つドン・キホーテ像。移り行く時代とともにチャレンジする商店街の勇気の象徴

 

現在では、鋳造は中国やベトナムなどの海外に生産拠点を移してしまったそうですが、このモニュメントをはじめ門扉、フェンスなどのように美観を大切にする製品は、磨き上げ等の仕上げ工程を国内工場で行っているそうです。川口市内にある本社兼工場へお邪魔しました。

 

川口新郷工業団地内の案内版。周囲を飾る鋳物製のフェンスが美しい

手に持つと驚くほど軽いアルミ製鋳物の和風コースターはギフト用。川口の文字をデザインしたオリジナル品（左）、川口リリアの記念品（右）

 

社内のあちこちの壁には、様々な掲示物がありました。モリチュウでは、社長と社員が定期的に面談して各社員の将来なりたい姿を具体的にする「夢の見える化」、また社内清掃や整理整頓などの環境整備の取組を情報共有するなど、社員教育に力をいれているそうです。

 

将来なりたい姿を描く、社員一人一人の「夢の見える化」

環境整備の状況が一目でわかるよう作業一覧などをボードに集約

 

また、社員全員にタブレットとスマートフォンを配布して、メール、チャット、スケジュール管理などのアプリを導入。企画・設計から納品まで情報共有することで、生産現場を含めて、いつでもどこでも仕事ができる環境を構築。生産効率のアップとペーパーレス化を進めているそうです。また、テレワークやフレックスタイム制といった柔軟な働き方や時間外勤務の縮減など、働きやすい職場づくりにも積極的に取組んでいるそうです。

 

県多様な働き方実践企業認定制度は一番上位のプラチナグレードを獲得

 

工場は…というと、工場内は生産拠点から納品された製品などで一杯！でした。今は製造よりも企画、設計等にシフトチェンジが進んでいるようでした。

 

工場内の様子

 

新型コロナウイルス感染症への対応が続く中、飲食業への営業自粛要請の影響を受けて、主要製品の業務用厨房器具の売上が減少しました。一方で手指の消毒などのニーズの高まりから、抗菌グッズの企画、開発、販売に力を入れるなど、新たな事業にチャレンジ。社員の知恵と力を結集し、鋳物製造業の枠に捉われず、しなやかに成長を続けるモリチュウに注目です。

 

ご対応いただきました森社長、お忙しい中、ありがとうございました。

 

株式会社モリチュウ

• 所在地：埼玉県川口市江戸袋2-5-27
• ホームページ：https://www.morichu.co.jp/