トップページ > 健康・福祉 > 障害者(児)福祉 > 障害者の自立・社会参加 > 塙 保己一(はなわ ほきいち) 賞 > 第16回(令和4年度)塙保己一賞 受賞者
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掲載日:2022年12月5日
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※年齢は令和4年4月1日現在
鈴木 孝幸(すずき たかゆき) 氏(65歳)
視覚障害(全盲)。元パラリンピック選手であり、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合関東ブロック協議会会長、同連合理事を歴任。長期にわたり視覚障害者団体のリーダーとして活躍している。
視覚障害者の福祉活動のみならず、身体障害者や知的障害者の就労支援や、スポーツに対しても熱心に取り組むなど不屈の努力を続け社会的に顕著な活躍をしている。
視覚障害者に対する福祉活動においては、国との交渉を重ね、視覚障害者の外出時に必要な情報提供や支援を行うための障害福祉サービスである同行援護の創設に尽力するとともに、同行援護に係る多数の著書を執筆し、講習を行う等、講師としても各所で活躍している。
スポーツにおいては、走り幅跳びの選手として、1976年のパラリンピックカナダ大会において入賞した実力を持つ。また、視覚障害者と健常者が一緒にプレーできるフロアバレーボールのルール統一に尽力したことにより、現在では誰もが同じルールのもとで試合を楽しめるようになった。
2009年に神奈川県知事賞、2017年に厚生労働大臣表彰(あはき法制定70周年)、2019年に神奈川県体育・スポーツ功労者表彰他多数受賞した。
上田 喬子(うえた たかこ) 氏(35歳)
視覚障害(全盲)。社会福祉法人日本点字図書館職員。用具販売、機械操作サポート、生活訓練を担当。
学生時代に学んだ音楽活動を活かして、声楽において高い評価を得るとともに、パソコンを使った楽譜作成ソフト「ビースコア」(点字楽譜で入力した譜面を五線譜で表せるソフト)の指導を行い、点字楽譜の普及のために活動を続けている。
2018年からNHKラジオ第二放送「視覚障害ナビラジオ」の「ナビラジスマホ教室」に講師として出演し、視覚障害者へのICTサポートを行う。また、ICTサポートの指導者を養成するためのインストラクター養成講座を担当する等、視覚障害者に対する音楽分野とICT分野の双方の支援に精力的に取り組んでいる。
2004年に第54回ヘレン・ケラー記念音楽コンクール声楽部門奨励賞、2020年に第18回サフラン賞を受賞した。
佐藤 實(さとう みのる) 氏(88歳)
点字の製版に尽力している。特に、視覚障害者が指先で触れて物の形などを確かめるための図や絵である「触図」の作成技法の開発において優れた功績を上げた。現在、社会福祉法人視覚障害者支援総合センター職員。
定時制高校に通いながら、社会福祉法人東京ヘレン・ケラー協会にて点字製版の業に就いた。それまで、点字を用いて図版や地図を表現する技術は進んでいなかったが、根気強く研究と実践を重ね、円や曲線の表現、面積や高低を伝える方法など、様々な技法を開発し、二次元の触図の世界に奥行を与えた。
文部科学省著作の小中学校の算数や社会などの点字教科書で、佐藤氏が描いた触図が長年利用されている。それによって多くの視覚障害者が触図を理解することが可能となっている。その結果、読書の幅も広がり、より広い分野での学問の追及や職域の拡大につながるなど、視覚障害者の社会参加に貢献している。
今もなお毎年何百枚もの触図を製版しており、点字地図帳や鉄道点字地図はベストセラーとなっている。
鈴 和代(すず かずよ)氏 (66歳)
日本点字委員会事務局員。特定非営利法人全国視覚障害児童・生徒用教科書点訳連絡会理事、特定非営利法人日本点字普及協会監事、特定非営利法人日本点字技能師協会所属。埼玉県で20年以上点訳ボランティアとして活動している。
1991年から本格的に点訳を学び、その後、視覚障害者支援総合センターにて専門点訳(英語、数学、情報処理、触図等)を受講し、難解な専門書等の点訳にも挑戦している。
数学の専門書から源氏物語の現代語訳に至るまで多岐にわたるジャンルの点訳を行うとともに、作図ソフトを用いた、イラスト、地図、グラフなどの触図化を行うことにより、視覚障害のある学生、研究者の学習や研究、仕事を支え、社会で活躍するための支援を続けてきた。
日本視覚障害者機能開発センターにおいて、視覚障害者がパソコン技術を習得することにより、就労につながるよう支援した。また、活動を通じて知り合った視覚障害者とともに、音楽会やハイキングを楽しむなど、視覚障害者の余暇生活の充実にも貢献している。
2020年に鳥居伊都賞を受賞した。
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