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発表日:2025年1月7日14時

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県政ニュース

「埼玉県レッドリスト2024植物編」の公表及びムジナモ野生復帰について

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部局名:環境部
課所名:みどり自然課
担当名:野生生物担当
担当者名:荒井・山瀬

内線電話番号:3143
直通電話番号:048-830-3143
Email:a3140-09@pref.saitama.lg.jp

埼玉県では、県内の絶滅のおそれのある野生生物の種をリストアップした「レッドリスト」と、それぞれの種の現状を解説した書籍「レッドデータブック」を平成8年に作成・公表し、その後、一定の期間ごとに改訂・公表しています。

このたび、レッドリスト植物編を13年ぶりに改訂し、「埼玉県レッドリスト2024植物編」として作成・公表しました。

また、このたびのレッドリストにおいて、野生では絶滅状態であった「ムジナモ」が地元市等による保全活動の結果、県内初、国内でもまれな「野生復帰」を実現しました。

「埼玉県レッドリスト2024植物編」について

1 レッドリスト作成・公表の目的

  • レッドリストは県内の希少な生物の情報を集めた基礎資料です。
  • 各地域におけるそれぞれの種の保護対策に活用いただくことで、県が目指している「ネイチャーポジティブ(自然再興)」の実現へつなげていくものです。

*自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること。

2 評価・とりまとめ結果

  • 県内生育の在来植物4,813種のうち、23.1%にあたる1,113種がレッドリストに掲載されました。
  • 前回(2011)と比較すると掲載種は82種増加しました。

【カテゴリー別の掲載種数】

カテゴリー カテゴリー定義 種数
絶滅 埼玉県ではすでに絶滅したと考えられる種 52
野生絶滅 飼育・栽培下でのみ存続している種 2
絶滅危惧Ⅰ類
絶滅危惧ⅠA類
絶滅危惧ⅠB類
絶滅の危機に瀕している種
ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種
ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種
93
167
213
絶滅危惧Ⅱ類 絶滅の危険が増大している種 305
準絶滅危惧 現時点では絶滅危険度は小さいが、生育条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 205
情報不足 評価するだけの情報が不足している種 76
合計   1,113

3 レッドリストの入手方法

埼玉県のホームページから入手できます。

https://www.pref.saitama.lg.jp/b0508/list2024.html

4 その他

「埼玉県レッドデータブック2024植物編」は令和7年3月に発行予定です。

ムジナモ野生復帰について

1 ムジナモについて

  • モウセンゴケ科ムジナモ属の食虫植物です。
  • 根がなく、沼や水田などの水面に浮遊します。
  • 日本では1890年に牧野富太郎氏により江戸川河畔で初めて発見されました。
  • 県内では1921年に羽生市三田ヶ谷の宝蔵寺沼付近で初めて発見されました。

⇒1966年「宝蔵寺沼」がムジナモ自生地として国指定の天然記念物となりました。

    
[写真提供:羽生市教育委員会]

2 野生復帰までの主な経緯

  • 1966年の天然記念物指定の直後、台風の影響により宝蔵寺沼のムジナモがほとんど流出し、県が1998年に初めて作成したレッドリスト植物編以降、ムジナモは「野生絶滅」とされてきました。
  • 1960年代から羽生市・羽生市ムジナモ保存会・埼玉大学が主体となり、宝蔵寺沼へのムジナモの放流や多様な生物がバランスよく生息できる環境づくりなど野生復帰に向けて取り組んできました。
  • 2011年に自然増殖したムジナモを確認して以降、年々株数が増加し、2021年には100万株もの自然増殖が確認されました。
  • 安定的な生育が確認されたとして、今回公表の「埼玉県レッドリスト2024植物編」において「絶滅危惧ⅠA類」となり、野生復帰を実現しました。
  • なお、保全活動による野生復帰事例は、県内初、国内でもまれなものです。

3 ムジナモ野生復帰事例の意義

  • 今回の事例は、多様な主体の連携、多様な生物が生息できる環境づくり、希少種の保全というネイチャーポジティブの実現に必要な要素が凝縮されているシンボル的事例です。
  • 本事例を羽生市・埼玉大学とともに広くPRしていくことで、ネイチャーポジティブの実現を図る一助とします。

羽生市ムジナモ野生復帰記者会見(※報道機関対象)

【日時】令和7年1月10日(金曜日)13時30分から
【場所】キヤッセ羽生   体験室(羽生市三田ヶ谷1725)
【登壇者】河田晃明 羽生市長、秋本文子 羽生市教育長、埼玉大学 金子康子名誉教授、羽生市ムジナモ保存会 野中孝一会長
【その他】
  ・1時間程度の会見後、ムジナモ自生地見学が行われます。
  ・会場に車でお越しの際は、キヤッセ羽生の駐車場を御利用ください。

ムジナモ講演会

【主催】羽生市
【日時】令和7年1月18日(土曜日)13時30分から15時30分
【場所】ワークヒルズ羽生(羽生市下羽生1014-1)
【講演者】埼玉大学 金子康子名誉教授、県環境科学国際センター研究員
【定員】100名(無料)
【申込み方法】羽生市立郷土資料館へ(事前申込み、先着順)

問合せ先

ネイチャーポジティブ及び希少種保護全般に関すること

埼玉県環境部みどり自然課    野生生物担当    荒井・山瀬

電話:048-830-3143    E-mail: a3140-09@pref.saitama.lg.jp

レッドリスト及びレッドデータブックに関すること

埼玉県環境科学国際センター    三輪・岡本

電話:0480-73-8361    E-mail: g7383318@pref.saitama.lg.jp

羽生市ムジナモ野生復帰記者会見及びムジナモ講演会に関すること

羽生市立郷土資料館    文化財・郷土資料係    山﨑

電話:048-562-4341    E-mail: kyodo@city.hanyu.lg.jp(記者会見)

kouza@city.hanyu.lg.jp(講演会)

報道発表資料(ダウンロードファイル)

「埼玉県レッドリスト2024植物編」の公表及びムジナモ野生復帰について(PDF:299KB)

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