令和4年度の実績は下記のとおりです。
日時
令和4年6月8日(水曜日)13時30分~16時00分
場所
参加者
川上から川下までの連携構築を進め、山元の利益還元を実現する家づくりに取り組んでいる森林パートナーズ(株)の会員の方々
内容
参加者からの意見
- 木材業界でサプライチェーンの構築ができていないところでは、どこの地域も同じような問題があり、同じ木材に関わる人たちなのに、木材に対しての意識が分断され、言葉が通じないというか、それをコーディネートできる人がいない。それをどうにかしようという思いが強かったので、そこを上手く信頼関係で繋げたのが森林パートナーズの取組であると認識している。
- 大きな意味ではマーケットインみたいな形で、使われる側の情報が山に来て、伐採する時には、いくらでどういう物が売れるということがわかるというのは、山林所有者にとっては非常にありがたい。川下の情報があって、山側が安定できる。最も山の高いところと川下が繋がって、中間の人たちは安定した価格で流通ができることが、一つの大きなメリットだと思う。
- 各森林組合が協力して現在の市場をもっと広げることができれば、色々な材を出せて、そこで必要に応じて購入してもらえると思う。また、資材コストを下げる努力は続けたい。
- 全県の山をレーザー測量し、それを公開すれば、一本一本の胸高直径、要するに杉とかヒノキだったりとか、あと齢級から1本1本分かれば、地形も相当なレベルで把握できる。こうしたデータを山主などが自由にインフラとして使える状況になれば、この辺にこの木がある、こういう需要があればこの辺から切ろうという予測が可能になる。
- 過去の経過や現在の実績だけで考えると、どうしても課題が出てくる。他の産業はどんどん改革している。需要情報と生産情報をきちんと結び付け、あとはどう効率を上げてやっていくかということだと思う。
- 戦後、採算を度外視して本来だったら植林をしてはいけない場所に植林してしまった所がある。今後は、積極的に造林して、持続可能な林業をやっていく所と、伐採した後に天然林というか天然更新して、それを主水源地域の水源とする所とのゾーニングをゼロベースで1回考えて、埼玉県としての、山というかゾーニングを官民問わずやった方がいいと思う。
- 埼玉の森というかこの首都圏の森林を、100年後どのような森林体系にしていくかということも議論するべきだと思ってる。その森林があるから、今の状態でどのような計画を立ててやっていくべきかということを、もう少し考えないといけない。AI解析などを行うことである程度、森林と人間の関係性は予測可能だと思う。予測するためにはやはりデジタル化し、需要情報を出すだけではなく、これをデータ化し積み重ねることが必要であると思う。
- 今はまだ、誤解もあり、埼玉材は高いと思い込んでいる材木屋や工務店も結構多い。県の補助などもあり、実際使ってもらうと、そんなことはない。他県材と比較してみても値段は変わらないとの認識を持ってもらえる可能性が非常にあると思っている。
知事から一言
- 木材業界においてサプライチェーンが構築されていない状況の中で、お互いにまず見える関係をつくり、そこを今度は信用で結ぶという、まさに森林パートナーズの力がよくわかった。他方で、やはり上流の方でなかなか難しい課題もあるような印象が残った。
- 昔は川の下流側が、上流に対する感謝の気持ちを持っていた。情報も同じで上流と下流が情報で繋がるということは、元々あったものだと思うので、そこを何とか再活性化していきたいと思っている。
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日時
令和4年9月21日(水曜日)10時30分~12時00分
場所
参加者
セカンドステージでの社会貢献を目指す埼玉未来大学地域創造科の受講生の方々
内容
人生100年時代を見据えたシニアの活躍を応援する埼玉未来大学の取組
参加者からの意見
- 現役の時は、(NPOの立ち上げという)一線を超えるのには勇気が要ったが、定年を迎え、後先考えなくてもいいかなという勇気が未来大学で生まれた感じがする。実際に動いて自分でNPOを立ち上げると、いかに人脈が大事であるか思い知らされた。60歳を過ぎてから100人友達を作れと講習で教わったが、自分もそれを実践してみようと思う。
- コーヒー会社の在職中に、コーヒー鑑定士の資格を取得した。定年退職後、この資格を生かしながら仕事をしたいと思い、未来大学に入学した。(未来大学では)シニアの起業は、まず自分ができることを見つけること、自分が楽しいと思うことを見つけること、市場性を考えること、この三つが重なったところがシニアの起業になると教わった。目からうろこが落ちるぐらい感動し、この三つを意識しながら起業することが、シニアにとって大切であると考えた。
- 埼玉をもっと知りたいという気持ちがあり、オリンピックでボランティアとして自分なりに活躍の場も持ちたいとも思い、未来大学に入学した。この学校を介して、地方で頑張っている、その街の良さを紹介している人たちにガイドをしてもらった。(そのような人たちと)繋がりを持てたことはすごいプラスの要素で、未来大学を活用する利点だと思う。人脈、要するに、接点をたくさん広く取れたということが、大きな私の糧になった。卒業後、ボランティアガイドとして活動を始めた。
- 50歳までには自分で店を持ちたいと思い、娘が自立したので、おやつとパンの店をオープンした。店も順調になり、今度は社会貢献をしたいと思うようになった。子どもの居場所づくり講座が勉強になるかなと思い、未来大学に入学した。実際に活動されている方が講師になっており、その選択が絶妙で、知りたいことを教えていただいた。
- 3年前から食で生活習慣病を防ぐ料理教室を主催しており、昨年から子ども食堂を運営している。実際に始めてみて、来てくださる方も含めて、いろいろな問題を抱えていることがわかった。個人の団体なので、(子ども食堂の案内をするため)保育園等の関係機関を伺っても門前払いをされたりして、現実に打ち当たってしまった。信頼関係や、信用されることがとても大事だと思い、NPOを立ち上げるため、未来大学を受講した。
- アクティブコースを卒業してNPOを立ち上げたが、資金調達など肝心な部分について他の団体に聞いてもなかなか教えてもらえない。個別に何か新しいものをやりたい時に、断られてしまうことが多い。人脈や繋がりを少しでも多く持っていないと、お願いもできない。(未来大学で)PRの仕方、人脈の作り方などの講座や、ネットワークのある方々との交流の場を作ってもらうと、未来大学を卒業してNPOを立ち上げた人間としてはすごくやりやすいと思う。
- 子ども食堂のニーズは非常にあると思うが、本当に必要とされている方にたどり着かない。その前で情報がストップしてしまう。案内を保育園などに配っても、子供達まで行き渡らない。実際にどのくらいのニーズがあるか把握できていない。そういったところをNPOとして、乗り越えていきたい。
- リビングラボというものを設置して定期的にアフターフォローを行っている。地域や経験値が違えば受講生のニーズが異なってくる。受講中も卒業後も個別にフォローを強化して丁寧にサポートしていくことを現在も行っているが、やはり気軽に未来大学に相談いただいたり、情報をいただける関係を作る、地域ごとのコミュニティ、起業家の方と受講生をつなげていくというところは強化しながら行っていく必要性があると感じた。
知事から一言
- それぞれの活動に対し、感心をしたのと同時に、興味を持たせていただいた。皆さんの熱量がすごいと感じた。未来大学をしっかりとご活用いただいたんだろうと思っている。
- (未来大学には)マーケティング、PR、ネットワークというニーズがあるようだ。卒業後のネットワークづくりなど、未来大学にはフォローアップをお願いしたい。
- (学ぶことに)年齢は関係ないということがよくわかった。
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日時
令和4年10月20日(木曜日)13時30分~15時20分
場所
参加者
川の保全や川との共生に取り組むSAITAMAリバーサポーターズプロジェクト(リバサポ)に参加する企業サポーターの方々
内容
リバサポによる川との共生、川の魅力向上に向けた官民連携
参加者からの意見
- 趣味や健康のため、自転車で川の周りのサイクリングロードを走れば非常に楽しいが、ごみが捨てられているのを見ると、気持ちが折れてしまう。当社は、自転車の開発、輸入販売を行っているメーカーであるが、感謝の気持ちを込めてごみ拾いができないかと思い、徒歩よりも自転車の方が広い範囲で回れるリバチャリという清掃ライドの活動を始めた。一般の方に見ていただいて、ごみを捨てないようにしようとか、自分も参加しようという方が増えてくればよいと考えている。参加当初は、集まったごみを社内で処理していたが、その後、県で準備してもらい、ごみは行政で処分する仕組みができた。埼玉県と越谷市が連携をとってくれて、すごく助かった。同じことが他の市でもできれば、ますますリバサポは発展すると思う。
- 建設会社の社会貢献として、埼玉県の「彩の国ロードサポート」や「川の国応援団」に長らく関わっていたが、それと並行して、健康経営のため、ごみを拾いながらジョギングをする「プロギング」を独自に始めた。回を重ねていくうちに、だんだんごみが少なくなってきたので、ルートを変えたりしているが、自転車と違って(ごみ拾いが)広範囲にできないというのが弱点といえる。この活動で、リバサポにも参加するようになり活動の輪が広がっている。
- 当社は、リフォーム会社であるが、お客様がリフォームをしようと思ったときに、(当社を)思い出してもらいたいというところから、いろいろな地域活動の一環の一つとして清掃活動を行っている。NPOと連携して、ボランティア活動証明書を発行するようにしたところ、毎回100人くらいの若い方などが参加する活動に発展している。若者は環境やSDGsの活動をしている企業に注目している。直接関係はないが建築にも興味を持ってもらえるよう活動している。
- 清掃活動などの社内イベントへの参加を人事評価につなげて、給料に反映させるようにした。このような点もこれから取り組む企業では大切だと思う。また、一緒にやって喜んでいる方がいたり、イベントに参加した方からリフォームの依頼を受けたりといった好循環が目に見えてからは社内が協力的になった。やはり、段階を経て今があると思う。
- 短期的に利益を追うのではなく、お客様目線で長い仕事をしていくという生命保険会社の考え方はSDGsの考え方と馴染みやすい。コロナ禍で企業を訪問して営業活動をすることができなくなったが、リバサポなどの公共性の高いボランティア的なイベントに参加して、今まで会うことができなかったお客様との接点が生まれた。逆に、お客様の動員やコンテンツの提供など、県にも貢献できると考えている。こういった様々な企業を引き合わせていただける場の設定や、人と接するイベントを今以上にお願いしたい。各企業が企画の段階から参加させてもらえれば、さらにウィンウィンの関係になっていくと思う。
- リバサポに限らず、今後、もっといろいろな形の取組ができれば是非参加したいと思うが、こうした参加企業はまだまだ少ない。発信力がある県の力で、もっと発信ができれば、参加する企業、エリアも広がり、活動が広がっていって、どんどんマッチングができるということで、環境がよくなり埼玉は非常に住みやすい街になるということもあると思う。
- 川との共生や、川の魅力創出に向けた連携活動というのが、リバサポの基本の考え方だと思う。水辺は近隣の住民にとって、貴重な自然体験や交流の場になっている。清掃活動をしっかりやりつつ、交流の場としてどのようなものが検討できるか、官民連携で知恵を出し合うと面白い。川の国だからこそ、新しい動きができるのではないかと思う。共生というものをもっと考え、共生自体を考えていければいいのではないかと思っている。
- 県庁にいろいろな課があるが、各課同士の連携ができないのかなと思っている。例えば提出する書類も、少し様式や体裁が違うだけでそれぞれの課に提出している。必要な書類であることはわかるが、手続きが1回で済むようになれば、県と連携して取り組もうと思う企業が増えると思う。そういったことが県でも市でも進めばありがたいと思う。
知事から一言
- 環境は単に県から規制するだけのものではなく、ビジネスチャンスでもある。環境が、県民、企業双方にとってウィンウィンの関係を作るきっかけになるのではないかと強く思っている。
- 一定の信用と広く商売色が前に出ない形で広報ができるのが県の特徴だと思う。また、河川は県が管理している部分も多いため、そういったところで皆さんに参画いただき、(河川を)大切にしていただける気持ちを育んでいただくということができるのかなと思う。理解をいただき、広めていくことは私たちの仕事なので、広報は力を入れてやらせていただきたいと思う。
- それぞれ所管があって、縦割り行政を全部廃止するのはなかなか難しいが、実際に来ていただいた方が縦割りを感じさせない方法はあると思う。まずはペーパーレスから始め、現在、第二段階目のITを活用したワンストップワンスオンリーに入り始めた。少しずつ必ず責任を持ってやらせていただく。
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日時
令和5年2月17日(金曜日)14時00分~16時00分
場所
さいたま市内
参加者
ナースセンターを利用して再就業した看護職員及びナースセンター事業担当者の方々
内容
看護職員の人材確保に向けて~埼玉県ナースセンターの取組~
参加者からの意見
- ナースセンターには本当に親身になってもらった。年齢的に、やりたい仕事ができる仕事ではなくなったというのを感じながら、病院勤務は難しい、訪問看護をやりたいけれど、もう体力的に無理であるなど、いろいろなことに自信がなくなっていたが、そういったことに一つ一つ耳を傾けてくれたことで、自分の進むべき道を見つめ直すことができた。
- 病院での勤務を離れて10年以上経っているので、使用する医療器材も変わっており、忘れていることもたくさんあったが、厳選されたメニューの講習に参加することで、勉強が足りていない部分が明確になり、技術のイメージを持つこともでき、自信が持てた。その結果、再スタートを切れた。
- 講習会参加者の皆さんは、仕事をしたいという気持ちでやって来る。私たち相談員は、少しでも役に立てるよう、家庭の事情など個々の状況に合わせた支援をしたいと考えており、自分の経験も踏まえてお話しさせてもらうことはある。
- 講習会に参加する方の最終目標は、就職だと思う。電話での相談だけでは、相談者の気持ちを汲み取ることが難しいこともある。対面で講習会に参加し、その後に就職相談を行い、やりがいや生きがいについて考えるうちに、方向性が決まって就職に繋がることが、今までの経験上ある。
- 講習会での経験だけで自信につなげることは難しい。人によって目指すゴールは違うと思うので、それぞれのゴールが見えるよう講習会を企画している。変化する医療現場の状況などを踏まえ、皆さんが経験したいだろうと思う技術を取り入れて、内容を組みかえていくことを常に考えている。
- 失業して、まず行くのはおそらくハローワークなので、ハローワークとの連携がもっとあったら、(ナースセンターを)利用しやすいのかなと思う。
- 県内ハローワークのうち5ヶ所に相談員が伺い求職者の相談を受けている。また、再就業技術講習会などのチラシも配架されており、ナースセンター事業の情報を得ることもできる。看護職は女性が多いので、一旦離職するときは、ライフイベントによるということになる。自分1人ではどうにもならない状況の中で頑張って、再び働こうとしている気持ちを酌み取ることができるのは、同じ看護職の相談員かなと思っている。
- コロナ禍で医療現場がひっ迫する中で、居ても立っても居られないという気持ちになったというのが再就職した一番の理由である。今、病院は、すごく慌ただしいが、看護職員が足りない中でも、何とか、みんなで協力してやっている。直接、何かできているということはないが、少しは誰かの力になれているのかなと思っている。
知事から一言
- 県では、女性キャリアセンターで、女性向けの就業の機会の提供や、再就業のための様々な講習会を行っている。ハローワークのほか、同センターとの連携も図っていきたい。
- ライフイベントをきっかけとして女性だけが離職を考えなければならない世の中を変えていかなくてはならない。そこは我々としても頑張っていく。
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