「埼玉県こども・若者計画」の策定に向けた若者ディスカッション
埼玉県では「埼玉県こども・若者計画」(令和7年度~令和11年度)を策定しました。策定に当たっては、当事者である若者の声を計画案に反映させるため、若者の皆さんに参加していただき、計画案についてのディスカッションを令和6年8月から同年11月までの間に5回実施しました。(うち、1回は埼玉県立大学の授業の一環としての実施)
ディスカッションでは計画案の骨子案に関連したテーマ(PDF:190KB)を用意し、その中からディスカッションしたいテーマを若者の皆さんに選んでもらいました。
どの回においても、皆さんがディスカッションのルール(PDF:161KB)を守り、自分の意見を積極的に話し、他者の意見を真剣に聴く姿が見られ、熱のこもった、とても有意義なディスカッションになりました。
参加してくださった若者の皆さんに改めて深く感謝申し上げます。
※「埼玉県こども・若者計画」はこちらからご覧いただけます。
1.実施内容
第1回 多様な価値観を持つ若者ディスカッション
若者の居場所スタッフ、居場所の利用者、若者組織のメンバー、青少年相談員、外国人、障害のあるかた、大学生など、多様な価値観を持つ若者の皆さんに参加していただき、4つのグループに分かれてディスカッションを実施しました。
当日の様子をファシリテーターを務めていただいた特定非営利活動法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダのHPに掲載していただきました。
【日時】令和6年8月31日(土曜日)10時00分~12時00分
【場所】埼玉会館5C
【参加者】埼玉県在住、在学の若者19名
【ファシリテーター】特定非営利活動法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダの角田将太郎さん、篠原紀子さん、文平光子さん、山埼花菜子さん

※8月31日時点の名称は「埼玉県こども計画(仮称)」
第2回 本庄市在住の若者ディスカッション
本庄市にある若者応援サロン「ホッと居て」と本庄市社会福祉協議会のご協力をいただき、本庄市在住の若者の皆さんによるディスカッションを実施しました。
【日時】令和6年9月25日(水曜日)13時30分~15時00分
【場所】本庄市社会福祉協議会
【参加者】本庄市在住の若者3名
【ファシリテーター】県青少年課職員
第3回 浦和大学の学生ディスカッション
浦和大学のご協力をいただき、学生の皆さんによるディスカッションを実施しました。
当日の様子を浦和大学のHPで掲載していただきました。
【日時】令和6年9月26日(木曜日)10時00分~11時30分
【場所】浦和大学(さいたま市)
【参加者】こども学部学校教育学科の学生5名
【ファシリテーター】県青少年課職員
第4回 立教大学の学生ディスカッション
立教大学のご協力をいただき、学生の皆さんによるディスカッションを実施しました。
当日の様子を立教大学のHPで掲載していただきました。
【日時】令和6年9月30日(水曜日)17時00分~18時30分
【場所】立教大学(新座市)
【参加者】コミュニティ福祉学部の学生5名
【ファシリテーター】県青少年課職員
第5回 埼玉県立大学の学生ディスカッション
埼玉県立大学の川田虎男准教授が授業の一環としてディスカッションを実施されたので、青少年課職員も参加をさせていただきました。
このディスカッションは、第1回多様な価値観を持つ若者ディスカッションに同大学から1名の学生が参加したことがきっかけで実現したものです。
1名の学生のアクションが51名に波及するという大きなアクションに変わった貴重な機会となりました。
【日時】令和6年11月6日(水曜日)14時40分~16時10分
【場所】埼玉県立大学(越谷市)
【参加者】保健医療福祉学部社会福祉子ども学科の学生51名
【ファシリテーター】 保健医療福祉学部社会福祉子ども学科 川田虎男准教授
2.ご意見への対応
5回のディスカッションを通じて、様々な視点で、たくさんのご意見をいただきました。集約したご意見92件については庁内関係各課と共有させていただき、計画案への反映や今後の事業実施の参考とさせていただきます。以下に主なご意見を掲載させていただきます。
計画案へ反映させていただいたご意見(主なもの)
- 居場所について当事者であるこどもたちと一緒に居場所を作ること。そうすれば、自分たちの居場所という意識が芽生える。
→ 2 居場所づくり、社会的活動の参画支援(1)こども・若者と共につくる切れ目のない居場所づくりの支援(カ)に反映
- 生きづらいこども・若者がSOSを発信できる場所の認知度が低い。
→4 「こどもの貧困」対策の推進、配慮を要するこどもへの支援(5)ニート、ひきこもり、不登校等のこども・若者への支援(イ)に反映
- 相談の仕方について、LINEでは相手に伝わっているのかわからない。電話のほうが言いたいことがよく伝わると思う。
→4 「こどもの貧困」対策の推進、配慮を要するこどもへの支援(5)ニート、ひきこもり、不登校等のこども・若者への支援(イ)に反映
今後の事業実施の参考とさせていただくご意見(主なもの)
「意見の反映」について
- 今回は若者(18歳~39歳)だけで実施したが、今度は高校生も入れてほしい。多年齢、多世代で意見交換したい。
- ディスカッションに参加して、当事者意識が芽生えるとともに、自分たちの意見が届いているという心強さも感じた。地域の福祉計画などでも住民の意見を募っていることがあるため、そのような機会を大切にしていきたいと思った。
「居場所」について
- 大人になると居場所を見つけるのが難しいので、定期的に関わることができる、例えば居場所での役割があるなどの理由付けがあるとよい。
- こどもの居場所については、地理的条件であったり民間の施設の場合は費用を伴う場所もあるため、誰もが等しく利用できるものではない。そこで、自宅から徒歩10分圏内の公民館や集会所、空き家などを活用していくことが望ましいと考える。
「医療の充実」について
- 一人暮らしをはじめた大学一年生の頃に熱を出して病院にかかろうと思ったが、「車で待ってもらうので車がないと無理です」「付き添いの人がいないと無理です」といくつかの病院を断られた経験がある。その時はコロナ禍で病院側も感染対策を徹底していたということもあると思うが、本当に困った。医療現場の人材不足や労働環境の問題が関係しているのではないかと思った。単身世帯が増えている中、一人でも受診しやすい環境があるといいと思う。
- 電話予約が必要な病院だと電話する時間が無くて選択肢から外れてしまうことがよくある。スマホでの予約や事前問診ができることは非常に有難い。
「困難な状況にあるこども・若者への支援」について
- 学校の教室で実施するいじめのアンケートでは、非当事者はイエスかノーしか書かないのでアンケートを早く書き終えてしまうが、当事者は具体的な記述をするため時間がかかる。これでは他の人から当事者だとわかってしまうので、周りに知られたくない人は書かなくなってしまう。アンケートによってSOSが発信できるよう工夫をしてほしい。
- 不登校は社会との関わりが希薄なのでSOSを発信しにくい。その前に学校に気づいてもらいたい。
「児童虐待防止」について
- 育児ストレスを抱えやすいお母さんを地域で支える場所があるといい。お母さんに余裕ができて笑顔が増えればこどもたちも安心できるし、家庭環境も良好になる。
- 虐待を受けたこどものケアでは、言っても大丈夫だよという環境と、相談することは弱者のすることじゃないということをしっかりと教えていくことが大切。
- 地域に大人の知り合いが増えればいいと思う。自治会のイベントなどで大人とこどもが一緒に交流ができる場があれば、イベントのときだけではなくて、日常でもうまく関わってくれてたりすると思う。
「こども・若者の自殺対策」について
- 夜中にもSOSを発信できるリアルの場所があるとよい。
- 生きづらさを感じていた時には、後輩、友人、先生、親、部活など身近な人たちが支えになった。SNSやスクールソーシャルワーカーはメンタルケアのひとつにはなるが現実的な解決に結び付かなかったり、身近でないために活用しなかった。
「結婚・出産」について
- 企業では福利厚生の一環でマッチングアプリの婚活を取り入れている。マッチングアプリでどうやって結婚をするまで関係を深めていくのかイメージがわかない。実際にマッチングアプリで結婚した人たちの話を聞いてみたい。
- 結婚、出産のことについて、これまで異性間で話す機会はなかった。ディスカッションで異性間で話せたことが新鮮で、視野も広がった。
「子育て支援」について
- 自分がこどもの頃、不登校の時期があり、母親が心配して進路などいろいろ考えてくれた。自分にこどもが生まれた時、こどもも自分と同じように不登校にならないだろうか、そうならないためにどんな子育てをしなければならないのかが不安。
- ママ友のしがらみはマイナスに働くこともあるので、友だちではない第3者と子育てを相談できたり、助け合える場所があるといいと思う。
「こども・若者の成長を支える人材」について
- 失敗をしたときに責めるのではなく、失敗しても、また次に行けるように許容できる大人であってほしい。
- 先生はいいところを褒めてくれたので何に対してもやってみたいなと思えた。初対面でも笑顔でいられるのは「いつもにこにこしているところがいい」と先生が言ってくれたから。